- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784086803762
作品紹介・あらすじ
死ななくていい、消えてくれ。
シリーズどこから読んでも面白い!
限界突破の社会派ブラック小説第3弾!!
夢を抱いて地方公務員になった志帆。
しかし現実は病弱な同僚の仕事を押し付けられ、朝7時前に登庁、夜は深夜まで残業三昧の日々を送っていた。
ところが、あるクレームをきっかけに、志帆は同僚に消えて欲しいと願うようになり――。
仕事をしないことに全力で、ミスのフォローは周囲の役目、精を出すのは噂話と陰口。
そんな同僚が辿った末路とは?
表題作「会社の裏に同僚埋めてくるけど何か質問ある?」
高まる自己愛が滅ぼしたのは……「あたしの幸せな生活」
社内いじめに耐えかねた新人社員が見た「夢」
縁切り神社のルーツに迫る「とある縁切り神社にて」
衝撃の全四編を収録。
昨日の敵は今日の仇(あだ)、神様どうか鉄槌を――!!
感想・レビュー・書評
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★特長
シリーズ第三弾。
今回のテーマは「職場の同僚」
個別の4つの話を収録。
★魅力
共感しやすい職場でのトラブルや悩みが題材。
★感想
○会社の裏に同僚埋めてくるけど何か質問ある?
区役所の健康保険課での、わざと仕事ができないふりをして意図的にミスをする同僚宮村。
その尻拭いをする羽目になる主人公。
ミスをした後は決まって病欠。
市役所という巨大な輪の中で、宮村というトラブルの卵を回す爆弾ゲーム。
宮村の仕事やパソコン不得手な先輩の分もしわ寄せがあり、毎日夜遅くまで残業の日々。
ある時、宮村のやり残した仕事のフォローをしたところ、ミスをしてしまい、大クレームに。
市民に殴られて怪我をした上、懲戒処分を受けて殺意を抱くまでに。
憂さ晴らしに見ていたSNSでは、同じような問題同僚の話題で盛り上がっていた。
そんな頃、久しぶりに会った友人に聞いた効果絶大の縁切り神社にふらりと行ってみたら…。
人にある表面と裏面
実社会とネット社会
梶井基次郎の「檸檬」と「櫻の樹の下には」
それぞれにはギャップがある
そんなことを思わされました。
最後に何気なく明かされた叙述トリック。
ぼんやり読んでいると気付きません。
ラストに違和感は感じましたが、まんまとやられていました。笑
もう一度最初の部分を読み直して納得。
○あたしの幸せな生活
責める口調が怖くて厳しい先輩社員に悩む事務の派遣社員と、
その職場で一番力を持つ人間に取り入り、好き放題に振る舞う派遣社員に悩む先輩社員。
それぞれの立場から語られる職場での日常。
どちらが正しいのだろう?と思いつつ、
最初は派遣社員に同情的になるが、段々明らかになっていく真実。
モノの捉え方で、自責と他責という言葉があるが、
自分にとって都合の悪いことを全て他責にすると、
あらゆることが、こういうものの捉え方になるのか
とビックリ!!
人が苦境に立たされている時、邪魔な相手を消しても問題は解決せず、自分の心一つで前に進める場合もあるのに、誰かに責任を押し付けないと、気持ちのおさまりのつかないこともある。
だが、過剰に誰かを憎み、恨み、叩いてその相手が実際に酷い目にあったところで心は晴れない。
根本的な苦しみの原因があるとすれば、己の内側にしかないということ。
といったことを数々の事件を通して、教えてくれています。
○夢
作中、残酷な表現が出てくるので、苦手な方は注意。
新卒の大学事務職員、月々二万円もする非公式の互助会への入会を断ったことがきっかけで、嫌がらせが始まる。
ボスザル的社員をはじめとしてみんなで仕事を教えない、妨害する。
学歴コンプレックスによる学歴逆差別。
仕事の押し付けによる十二連勤、休日出勤。
私物を勝手に捨てられたり、作った書類を無茶苦茶な内容に改ざん、ハエの死骸入りコーヒーを無理やり飲まされる…
心配させたくないので親にも相談できず、視野がすっかり狭くなり、自分の身を守ることに考えが及ばない。
そんな彼女の唯一の楽しみは大好きなコスプレーヤーを応援すること。
ところがそんな楽しみも転売ヤーの出現により、奪われてしまう。
その転売ヤーの正体を知った時、ついに殺意が…。
夢の中での予行演習でもある復讐場面は、少しグロテスクですが、淡々と進んでいきます。
あくまで夢の中の話ですが…。
○とある縁切り神社にて
サークルの先輩の紹介で始めた「巫女さんバイト」
幼い頃におじいちゃんから聞かされていた戦時中の野戦病院での不思議な体験との因縁が…。
今シリーズのルーツとでも位置付けられそうな逸話。
★オススメの人
今シリーズのファンの方 -
厄介な同僚に消えてほしい人達の話。職場にストレスあるから読んでてめっっっちゃくちゃ同意出来る。この理不尽な感じ分かりすぎてしんどい、仕事せん奴、出来やん奴の開き直りまっじで何なん!私も縁切神社行きたい。
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もうほんとスカッとする!
一つ目は、え?がち?っていう展開。
二つ目は、やった!だっさ!さまあみろ!って思った。
三つ目は、サイコパスかよ。恨みってほんとこえーなって思った。
いやー相変わらず、このシリーズは面白すぎる。 -
おぉ、おぉ、相変わらずゾクゾクさせてくれる。
第一作を越える訳では無いけれど、やっぱりいいね。
分かるなぁと思いながら、怖いけど人間味があって、ただただの怖い話じゃなくてちゃんと考えさせる作品。
上司、客と来て、今回は同僚。
歳上とか、派遣とか形は違えど、その気持ち分かるわぁ〜。って。
今まさに、私自身も同僚を埋めてやりたい気持ちが物凄くある。
けど、そんなバカのために時間を費やすのがもったいない。
そして、本当はその人はめちゃくちゃ可哀想な人なんだよなぁ…と。
ぶっちゃけ、帯にあるように、消えてくれってのは拭い去れないよね。
そうすれば、見ることも無ければ、考える事も無いのにってさ。
どんな人にもさ、幸せにしたい、なってほしいって思う人がいるかもしれないからさ。
その人を不幸に陥れるのは違うかもしれないから。
僕はあなたの幸せを願う担当じゃないから、他の人の元へ行ってよって。
その程度の縁切りでいいから望みたいね。
まぁ、自分から離れるってのも一つなんだけどね。
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やれやれ!!もっとやれ!!!!
となる反面、本当に怖い!!笑
社会にでることが怖くなるけど、本当に面白いです