これは経費で落ちません! 9 ~経理部の森若さん~ (集英社オレンジ文庫)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086804370

作品紹介・あらすじ

性別、年齢、派閥。社内は今日も面倒です。
トナカイ化粧品との合併以来、天天コーポレーション営業部は水面下での争いが絶えず、広報部は後進の育成で騒がしい。
経理部は新戦力の加入で、少しずつ人手不足が解消されつつある。
そんな中、東北への出張申請をしに沙名子のもとへやって来たのは、山野内亜希、34歳。以前トナカイ化粧品営業部員だった亜希は、合併で天天営業部員になっても意欲旺盛で、成績トップを目指して精力的に仕事をこなし上司との交流にも積極的だ。
一方、沙名子は山崎から食事に誘われる。遠距離恋愛中の太陽とのことだと思い了承したけれど、山崎が切り出したのは社内の派閥のことで……?
30歳を目前にした沙名子は、性別、年齢、恋愛、派閥……さまざまなしがらみにどう向き合う?

感想・レビュー・書評

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  • 鎌本がすごい嫌な奴になってきた。太陽はこれでも怒らないのだろうか? でも同じようなことを山崎もしているのだけど、こちらは嫌な感じを受けない。何でだろう?

    篠崎温泉ブルースパの創業者が自分の子供たちの事を突き放す為に合併していたなんて、経営者として潔いなと思う。

    あと、美華さんが何気に優しくなってきた気がする。

  • シリーズ第9作。
    舞台である<天天コーポレーション>はクセ者社員ばかりで時に主人公・森若同様うんざりするのに何故かスルスルと読んでしまう。結局作家さんの上手さにまんまと引っかかっているのだろう。

    不倫中、幸せになれない男、人の顔色ばかり窺う女、経費を誤魔化す、面倒は人に押し付ける、仕事が出来ないのに分からないことを素直に尋ねない…人間社会の縮図がここにあるなと毎回感じる。
    うんざりしている森若だって自身を『冷たい女』と言っているしその通りだなとも思う。
    結局誰しも何かしら彼らの一部分のようなところを持っているわけで、それを突きつけられるのが辛いのかも知れない。

    今回は<天天コーポレーション>と<トナカイ化粧品>が合併して四か月後から始まる。
    第一話で営業部長の吉村がやたらと女性社員にすり寄っているのを見て、いよいよ円城若社長と対決近しなのかと身構えていたらスルリと躱されてしまった。

    もう一つの合併先<篠崎温泉ブルースパ>の経理処理がいい加減で問題になるのかと思っていたら、だからこその合併だと分かり、<篠崎~>の元社長の決断がアッパレだなと思えた。
    家族経営、同族経営の良さと不安な点、両方が描かれていた。

    <トナカイ化粧品><篠崎温泉ブルースパ>が加わって大所帯になった印象の<天天コーポレーション>。
    経理部には元トナカイ化粧品の岸が加わった。田倉は課長待遇になりますます忙しい。森若はじめ他のメンバーも合併に中間決算に税務調査に大変だ。
    他にも営業部に新メンバーが入ったり、人事異動があったりと慌ただしい。

    山崎の妙な落ち着きは相変わらずだが、営業部の鎌本と広報部の室田がどんどん嫌なキャラになっている気がする。逆に総務部の玉村は佐々木真夕のおかげでちょっと成長。麻吹美華はだいぶ丸くなったというか周囲をきちんと見て気遣い出来るようになって良い感じになってきた。

    一番変わったなと思ったのが森若が付き合う山田太陽。
    大阪営業所異動で遠距離交際になったが双方に出張があったり週末に会えたりと遠距離感は感じない。
    これまで自分本位に見えた太陽が、森若を客観的に見て気遣ったり寄り添ったりしている。

    毎回佐々木真夕がパニックになるだのケアレスミスが多いだの出来の悪い社員みたいな描かれ方をしているのが気の毒だなと思う。真夕は森若と真逆でいつも大局を見ている。だから周囲の人たちを上手く繋げたり良い方向に持っていったり出来る。逆に森若は仕事は出来るが忙しくなればなるほどそれ以外のことは余計なこととシャットアウトしてしまう。どちらが良いとか悪いとかではなく、それぞれ個性があるということだ。

    次回は税務調査編だろうか。それとも終わったところから始まるのか。
    調査中に様々な問題が出てきてどう乗り越えるのかを見てみたい気もするが、そこを書いてくれるのか、それとも<天天コーポレーション>の新たなステージを描くのか、森若自身の新たなステージを描くのか。

    本筋とは関係ないが、社内で下の名前を呼び合う天天の社風は違和感がある。部長から『勇』とか『柊一』とか呼ばれるのも部下や後輩をそう呼ぶのも抵抗があるなぁ。

  • 前作を読んでから間があいたので、登場人物の関係図を思い出すのに少し戸惑う。
    が、鎌本と千晶が好かん人物だということはすぐに思い出したのだった。
    鎌本は誰でも分かる嫌なやつなんだけど、千晶はさ...ドレスの件も早々に想像できちゃったよ。
    女性社員で慰める会が開かれるような密な職場でよくやるなと思う。

    悪役がしっかり役をこなしたので、今回は特に楽しかった。次巻にも期待。
    他社の不幸は蜜の味?!

    ところで、沙名子と太陽がいちゃいちゃしているのが想像できない。
    最後に二人がキスするところが出てくるけど、妙になまめかしく感じてしまった。

  • 8巻は店頭で偶然見つけてすぐに買いに行き、9巻はなぜかネットで見つけて……ネットで見つけたことに驚きつつ、感謝して、すぐに買いに行きました。森若さんと太陽くんにまた会えるのがほんとに嬉しかった〜♡♡いつも思うのですが、NHKのドラマの配役、みんなドンピシャ!!森若さんも、太陽くんも、真夕ちゃんも、美華さんも、勇さんも…今回も思い出しながら、読み進めていきました。今回は、新しく篠崎温泉ブルースパの合併に関するお話があったり、税務調査が入ることになったり、経理課と森若さんの周りは相変わらず忙しいけど、その中で太陽くんが時々出てきて、森若さんLOVEを振り撒いて、ほっこりさせてくれます。最後には、これからどうなる?的な場面が出てきて、10巻が出るのがものすごく楽しみです♪♪このシリーズ、好きすぎて感想書いてなかったり、本棚に登録してなかったり、という巻があるようなので、改めて読み直してみようと思います(^^)

  • シリーズ9作目。
    トナカイ化粧品と合併してから、半年後が描かれる。
    トナカイ化粧品から販売部に異動した亜希の話や、織子の独占場だった広報課の後任問題など、天天コーポレーションは相変わらず問題続き。
    自分には関係ないと言いつつ、つい巻き込まれる沙名子。
    経理内部では主任になり、真夕も成長し、新人も入り、だいぶ落ち着いたようだが、ラストに「税務調査」と言う大事件が起きる。
    ま、経理経験が長くて、経験した人しか、この「税務調査」の大変さは通じないだろうと思いながら読んだが、結局「税務調査」当日の話は描かれず。
    せっかくだから、国税の突っ込みに沙名子や勇太郎がどう対応するか読みたかったなぁ。
    それにしても、税務調査にも半期決算にも長時間の残業にもめげず、ネイルしたり、デパ地下で高級総菜買えちゃう沙名子はどういう時間管理をしているのだろうか・・・
    決算で毎日家に帰るだけで精一杯で、帰る時間にはお惣菜など売り切れているのが常で、沙名子の日々のスケジュールを覗いてみたい・・・

  • 安定のシリーズもの!
    なんとなく巻が進むに連れ沙名子さん諸々に自ら巻き込まれに行っているような…完全にうさぎ追ってるのでは?と読みながらいつも思ってる^^;
    沙名子さん、相変わらずの仕事っぷりが良い!
    特に後半(も終わりの方)仕事にガッと集中する感じが気持ち良い!
    仕事は仕事、プライベートはプライベート…多少心の片隅で揺れるものはあるようだが、そこをキッチリ分けて考えられる沙名子さん、好きだなぁ〜
    週末は太陽との時間を作りながらもちゃんと家事や自分の時間も大切に考えてるところも好感が持てる。
    1巻から一貫して言えるのがとにかく平常心…ブレない!動揺しない!…したとしてもきちんと自分をコントロール出来てる!この凜とした佇まいがなんとも好きだ!羨ましい。
    いざ10巻へ!
    太陽との進展が…10巻の為に9巻を読んだつもりだったけどやはり9巻には9巻の面白さがあった(^^)

  • 大好きなシリーズ。
    仕事モード森若さんが好きなので、今回はいつも以上に楽しめた。
    巻末の真夕ちゃんの話しも良かったし大満足。
    次巻はまた動きがありそうだし、続きも楽しみ。

  • そろそろ結婚かなと思ってましたが、
    まだのようですね。

    キリの良い10冊目ぐらいかな?

  • 今回は途中登場人物が多くて、家系図がないとすんなり理解できなかった。
    税務調査の準備においても、経理的なことは無知のため飛ばし飛ばしで読んでしまった。
    でも人間関係だけ見れば面白い内容。
    恋愛の部分をもっと濃くしてくれたほうが自分好みだけど、きっとこれは恋愛小説ではないし…
    10巻の冒頭が楽しみ!

  • やはり1日で読み終えてしまった。

    このシリーズは読むといつも丁寧に生きたくなる。
    今回も色々と勉強になった。
    早く次巻発売されるといいな。

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著者プロフィール

あおき・ゆうこ
『ぼくのズーマー』が集英社主催2002年度ノベル大賞を受賞してデビュー。『これは経費で落ちません! 経理部の森若さん』シリーズがドラマ化、コミック化され人気を博す。『派遣社員あすみの家計簿』も好調!

「2021年 『コーチ! はげまし屋・立花ことりのクライアントファイル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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