葬儀屋にしまつ民俗異聞 鬼のとむらい (集英社オレンジ文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086804479

作品紹介・あらすじ

ワケあり葬儀、承ります」葬儀屋の弟×民俗学マニアの兄――。葬儀屋兄弟の葬送民俗学ミステリー!

数年前、孤独のうちに死んだ息子を弔うため、今さらながら疑似結婚式を挙げたい――。通常の葬儀社では扱わないワケあり案件を請け負う特殊葬儀屋・似矢西松のもとに、いわゆる“冥婚" の依頼が舞い込んだ。冥婚とは、死者同士を結婚させる、あるいは死者になんらかの形で伴侶をあてがう風習だった。西待は民俗学に精通した兄・東天の手を借りながら依頼人の希望を叶えようとするのだが、その裏にはもう一つの狙いがあって…。なぜかひと筋縄ではいかない葬儀のトラブルと喪主の謎を、民俗学の知識で解決し死者を弔う。ワケあり葬儀屋兄弟の全国津々浦々陰気紀行!

感想・レビュー・書評

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  • 新刊平積みで、帯の「全国津々浦々陰気紀行」というのにやられました。読まずにはおれまい。
    葬儀屋の弟と民俗学マニアの兄、幼なじみのお寺の兄弟、ややこしい葬儀を承ったりする。
    流れ灌頂、胎児分離埋葬習俗、戒名における三徐の法、ユダ、ウィンチェスターミステリーハウス、冥婚。

    『決まっている。怖いという感情は、物事の無案内からきているからさ』

    美形の兄弟、しかも弟が喪服で、兄が永遠の少年というのがテッパン設定よ。
    色々な意味で楽しめた。

  • 民俗学が大好きな私としては、葬儀と民俗学の融合が楽しい!
    余り葬儀に関する風習等に詳しくなかったから、新しい知識が増えた感じ!
    西待の兄コンプレックスはねが深そう…そして、東天は何があって、こうなったのか気ななる…が、慧や環の扱いといい、キャラの扱いは下手。
    書き方に工夫の余地あり。

  • 葬儀屋次男の西待は、ある事情から特殊葬儀を請負う事にするのだが、そこに民俗学的見地も混ざって中々に犯罪オカルトなストーリー
    説明会話が多めだけど楽しめました

  • 兄の方が学ランで弟の方が黒スーツ、何故だと思ったら成程。
    一話目で想像がつくし、実際に種明かしも早い。
    ただ、一話目から割とがっつり怖い話なので、兄弟の謎が多少分かったところで恐怖心は緩和されないが。
    真相が分かっても、あるキャラが人殺しを行った事実は変わらないし。
    他の話も、真相が分かっても怖さは終始ついて回る。
    ホラー的怖さというより、覗いてはいけない人の闇を覗いてしまった、そんな居心地の悪さと粘着的で陰湿な怖さというか。
    ゆえに、実家が寺の姉弟のマシンガントークと底抜けに明るい性格には随分救われた。
    最初は、作中の雰囲気を壊す勢いではと心配になったのだが、読み終えると、ああ、あのぶっ飛んだキャラは絶対必要なやつだと痛感した。

    タイトルに「民俗」とあるとおり、葬送に関係する民俗学的話や蘊蓄が盛りだくさん。
    有名どころから割とマニアックな話題まで、兄が解説してくれる話はどれも興味深かった。
    例えば冥婚に関しては、日本のむかさり絵馬だけでなく、台湾の紅包にまで言及していたのがポイント高かった。

    やむにやまれぬ事情で兄に代わり葬儀屋を継ぐべく奮闘中の弟。
    彼が全国を巡り特殊な葬儀を請け負う理由とは。
    兄弟が抱えている件のせいで(兄が心配していたように)どうしても後ろ向きな理由を想定していたのだが、最後の最後に明かされた話が前向きなものだったので、読後感がよかった。
    直前まで死にそうになっていたんだけれども。
    俄然、弟の活動を応援したくなった。
    その願いが成就しますように。
    今のところ、警察のお世話になっている率100%だけれども。
    ……強く生きてほしい、いや本当に本気で。

  • 民俗学と葬儀を絡めた推理物みたいな感じ。
    あんまり見ないテーマでおもしろい。
    民俗学の話って好き。

    シリーズになったりしないかなぁ。
    お兄さんの亡くなった真相もわからないし。
    続いて欲しいな。

  • 毒ありつつ、かわいい感じが面白かった。

  • 葬送民俗学ミステリーという帯に惹かれてよんだらどストライクな内容で終始面白く1日で読み終わりました。葬儀や風習の知識もつくし、ミステリーとしてもかなり完成度が高く短編の構成になっているのでさくっと読める。続きが出たらまた買います

  • 最近、死にまつわる話に興味があり
    たまたま書店で目に止まり購入してみました。
    オレンジ文庫だしこの表紙だし
    もっと軽い話を想像していましたが
    いい意味で裏切られました。
    葬儀屋さんの話ですが、その葬儀にまつわる
    様々な知識が民俗学に沿ってたくさん詰まっていて
    読んでいてとっても面白かったです。
    3つのストーリがありましたが
    どれも濃くて怖くてゾッとして。
    でもそれだけじゃなくてそこには
    人の想いがあり本当選んで良かったです。
    続編もありそうな感じなので
    追っていきたいと思います。

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著者プロフィール

第11回エンターブレインえんため大賞ガールズノベルズ部門奨励賞を受賞、『ヤンキ‐巫女逢桜伝』でデビュー。少女小説で多数の著作を持つ。ほか、ブラックお仕事シリーズ(『今日は天気がいいので上司を撲殺しようと思います』『神さま気取りの客はどこかでそっと死んでください』『会社の裏に同僚埋めてくるけど何か質問ある?』)や、『愛するあなたの子を授かって、十月十日後に死ぬつもり。』など多数。

「2022年 『死にたいあなたに男子大学生がお肉をごちそうしてくれるだけのお話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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