ハイランドの花嫁 偽りの令嬢は荒野で愛を抱く (集英社オレンジ文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086805292

作品紹介・あらすじ

私はこの荒野で幸せになる・・・・あなたと!不遇の修道女から身代わり伯爵令嬢、そして敵国の氏族長の妻へ…!15世紀末イングランド。伯爵令嬢でありながら庶子であり、姉が世間体の悪い死を遂げたために修道院に押し込められていたシャーロットは、ある日父に伯爵家の屋敷に呼び寄せられ、こう告げられる。「シャーロット。そなたに命じよう。エリザベスの代わりに嫁ぐのだ。スコットランドのハイランドへと」。スコットランドは当時、イングランドの敵国。そしてハイランドがどんなところか、シャーロットはまったく知らない。しかしシャーロットに背く術はなく、言われるままにエリザベスになりきるため、赤毛をブロンドに脱色し、着たこともないようなドレスに袖を通して結婚式に参列するのだが・・・・・・!??偽りから始まる、真実の愛。そしてシャーロットが見つけた幸せの形とは・・・?

感想・レビュー・書評

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  • まさかアレクサンダーのバグパイプの下手さが終盤の伏線になろうとは思いもせず。
    作中唯一といっていいコメディ要素ではなかったのか、あれ。
    (エリク視点ではラブコメしてはいたが、彼がいる場面が全体を通すと思いのほか短い)

    最初から想い人と結婚できているにも関わらず、諸々の要素のせいで随分と遠回りしてしまった二人の愛の物語。
    主人公のシャーロット、ヒーローのアレクサンダーを含めてメインキャラは割と身体的にも精神的にもしんどい目に遭うので読んでいてしんどい展開が続く。
    ただでさえシャーロットは、立場を偽っている・言葉の通じない地への嫁入り・しかもそこは敵地で受け入れてくれる土壌のない場所という何重にも巡らされた苦難を乗り越えなくてはいけないというハードモード。
    最初から命狙われているし。
    アレクサンダーの立場自体が盤石ではないし。
    安心できる要素が少ない。

    諸々の地域の諸々の思惑が入り乱れるので、二人の物語を単純な恋の物語として楽しむことを許してくれない。
    特に二人に深く関わる「アリス」の存在が……正体に驚いたし、アリスの愛がまた怖い。
    愛の種類は人それぞれにしても、怖い。
    そのせいで、シャーロットは後程体がやばい状態になるのだが、それはさておき。

    主役二人は本当に運命の相手、全てが分かってさえいれば相思相愛なのに、そこまで辿り着くのが本当に本当に苦難の連続で、ハラハラさせられること多数。
    読んでいてしんどい話ではあったけれども(そもそも分厚い)最後まで読み終えたときの達成感はひとしお。
    最後の花束のシーンは特に胸に来た。
    あの展開はずるい。
    それに、ちゃんと悪役にはざまあ展開あり。
    王様がちゃんと分かってくれていたのが大きかったと思う。
    流石だ、某国王。

    色々な意味で随分と濃厚な物語を味わいました。
    遠回りしたけど愛し合う二人、どうかこれからは命を狙われることなく幸せであれ。
    いやもう本当に……

  • 久しぶりに手堅いヒストリカルを読んだなぁ。
    ふたりの距離が縮まっていく様が素朴ながらしっとりと丁寧に描かれていて美しかった。
    基本的にはオーソドックスなんだけど、アリスのキャラクターがピリッと立っていて惹きつけられた。

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