- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087200676
感想・レビュー・書評
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「個人と国家」を考える上では、どのような背景で憲法と法律が成立してきたのかということを「歴史認識」を構築するという文脈の上で再度捉え直して行かないといけないのだということがわかりました。
これは個人的な話になりますが、私が在籍していた「史学科」では、せっかく歴史を学んでいながら「歴史」と「歴史学」の重要性についてあまり実社会と結びつけて議論するという意識が学生の中にも、また教授陣の中にも少なかったように思うので、こういう部分から「歴史:というものは重要なのであるということをもっと発言していってもいいように思いました。
私としては、そうすることが、学部の意味を存続させることにもつながると思うし、また、「歴史など学んでも就活では何の役にも立たない」などという言葉を生み出さなくて済むようになる一つの解法であるように思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
▼「グローバル時代のアイデンティティ」みたいのをやりたくて手にした一冊。国家も変わるなら、国民も変わっていかざるを得ないのだろう、と。
▼もっとも、本書の筆者の樋口(陽一)先生は憲法学者であられるので、「日本国憲法の再認識」といった文脈で書かれていたように思う。
▼渡辺(治)先生が退官して以来、憲法9条や改憲問題について考えるのは久しぶりだったけれども、歴史を知ることなしに妥当な意見は言えないし(靖国問題もしかり)、広い視野をもっての比較なしには有意義な検討はできないんだよな、と再実感。
▼憲法と社会の結節点について考えること――つまり、それは立憲主義の再考でもあり、また、現代を生きる僕らにとって「すべき」ことなのだと、強く考えさせられた。 -
高校卒業前に読んだ本。その時には何もわからなかった・・・
しかし今ならわかる。この本の良さ。
とにかく大学生のうちに憲法の理解はしておくと得であろう。
ちなみにこの方は憲法のかなりの権威で、私の母校仙台第一高等学校のOBである。 -
憲法の比較とか。
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[ 内容 ]
個人、国家、自由、民主、人権、政教分離、そして憲法。
自明のこととして普段なに気なく使っているこれらの言葉の持つ本来の意味を考えながら、個人にとって国家とは何か、憲法とは何かを考えていく。
あらゆる政治体制が「民主」という名において説明される現代において、「民主主義」という言葉は何も語っておらず、個人が個人として尊重される社会を確立するためには、国家の権力をも制限する立憲主義を再認識して、「憲法」を本気で議論すべきであると著者は説く。
[ 目次 ]
1 今、私たちにとって「戦後」とは何か?
2 国家というものをどう考えるか
3 日本人の法意識
4 民主主義から立憲主義へ―現代ヨーロッパとの比較の中で
5 世界の人権思想とアジア
6 日本国憲法起草をめぐる真実
7 改憲論の問題点
8 自由の基礎としての憲法第九条
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[ 参考となる書評 ] -
良書。長谷部著作とあわせて読むのをオススメします。
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レポート用に読んだ。初めて真面目な新書を読んだのですが、たぶん半分も理解できていない。