- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087203899
作品紹介・あらすじ
広重の有名な『名所江戸百景』、略して『江戸百』。絵葉書などで今でも大人気の、ご存知江戸浮世絵風景画のシリーズ。だが、実はこれは、単なる名所の紹介ではなく、ある意図を巧妙に隠し入れたジャーナリスティックな連作だったのだ。本書があぶり出すのは、安政の大地震から復興する江戸庶民の喜怒哀楽、そして安政の大獄や明治維新へとつながっていく江戸末期の社会の姿。豊富な資料を基に新説を打ち出した、著者一世一代の作。巻末には本邦初、制作月順の絵索引で全一二〇点を一挙掲載。
感想・レビュー・書評
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2回目の挑戦だったが、今回も挫折。文章が私には読みづらかった。絵は素晴らしいのだが。
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面白いのだけど、読みにくい。
話が飛んでわけがわからない。ボクの頭の問題?
あと、こじつけ感も拭えない。謎という程でもなかろうと。謎とは少し違う、解釈といえばいいのかな? これが謎なら江戸幕府の役人はかなりの阿呆。でも、情報が少なく、身分の中で偏在していた時代だとそういうものなのか -
広重といえば永谷園のお茶漬けについていた「東海道五十三次」がまず頭に思い浮かぶ。「江戸百」なんていう企画物もあったのか。確かに「おおはしあたけの夕立」は見たことがある。そして他の作品も大変素晴らしい。
(江戸にも深川八幡に栄螺堂があったというのは初めて知った。)
その絵に込められた意味を「コード」として読み解き、解説しているのが本書。「ダヴィンチ・コード」のように大事ではないが、確かに絵にはいろいろと込められているよね、というのは納得。
「江戸百」連載の開始が安政三年(1856)で、その前には黒船の来航(1853)、安政の東海・南海地震(1854、今やいつ思ってもおかしくないといわれているやつ)や江戸地震(1855)など大きな事件・事故が発生していたそうだ。
しかし、自分の知識の無さをひけらかしてこっぱずかしいのだが、よくわからない偉大そうな人物の引用が時々見受けられるのだ。例えば、エドワード・レルフ、イギリスの歴史学者ホブスボーム、フランスの人文学者レヴィ=ストロース、アンソニー・ストー、パノフスキー、ミッチェルなどなど。
こんな固有名詞が出るたびに、順調だった読書スピードが、ハタと停止してしまって、たびたび思考停止に陥ったところが、少し残念。 -
何度読んでも、発見がある。素晴らしい木版画のページを見ながらの文章は今は見えない江戸の人々の息吹を感じるお気に入りの一冊。
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謎なのか。
でも当時はそれが現実。 -
(2014.03.23読了)(2009.06.30購入)
江戸時代の浮世絵師、広重は東海道五十三次を描いた風景画で有名ですが、最後のシリーズものとして、「名所江戸百景」を描いているとのことです。
「名所江戸百景」は、目録も含めると120点発行されています。著者によると、このシリーズは、単なる名所案内ではなく、発行の許認可権を持っている幕府には気づかれないようにメッセージが込められているのではないのか、ということです。
メッセージを読み取るための手掛かりの一つは、各作品の出版許可印が押された年月です。その年月を頼りに、その頃に絵に描かれた名所の近辺でなにがあったかを調べると分かるとのことです。この本では、著者が読み解くことの出来た絵のうち40ほどを解説しています。絵はカラーで掲載されていますので、絵を見るだけでも楽しめます。
巻末には、図版が小さいのですが、全作品120点のカラー写真も収録されています。
【目次】
はじめに
一、『江戸百』とは
二、安政江戸地震と広重を取り巻く人々
三、謎解きのひな型
四、謎解き
五、あらためて『江戸百』とは
あとがき
年表
地図
絵索引
●上野松坂屋(182頁)
松坂屋の再建が完成し、九月の二十八日から三日間、新築開店大売出しが行われた。初日だけで千五十両、三日間で売り上げは三千百五十両に上った。一日で千両稼ぐ名所として、日本橋の魚河岸、歌舞伎座の三座、新吉原があるが、それに匹敵する稼ぎであった。
(2014年3月30日・記)
(「BOOK」データベースより)amazon
広重の有名な『名所江戸百景』、略して『江戸百』。絵葉書などで今でも大人気の、ご存知江戸浮世絵風景画のシリーズ。だが、実はこれは、単なる名所の紹介ではなく、ある意図を巧妙に隠し入れたジャーナリスティックな連作だったのだ。本書があぶり出すのは、安政の大地震から復興する江戸庶民の喜怒哀楽、そして安政の大獄や明治維新へとつながっていく江戸末期の社会の姿。豊富な資料を基に新説を打ち出した、著者一世一代の作。巻末には本邦初、制作月順の絵索引で全一二〇点を一挙掲載。