名士の系譜 日本養子伝 (集英社新書)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087205084

作品紹介・あらすじ

気づけば政治家から芸能人まで「二世」「世襲」が普通の世の中に。だが、森鴎外、幸田露伴、吉田茂、湯川秀樹などなど、日本の近代史を省みれば偉人の多くは養子縁組の流れから生み出されてきたという事実がある。かつて日本では才能のある他人を養子に迎え、家、店の維持発展をはかることは通例だったのだ。本書は幕末から昭和まで、養子縁組の中から輩出された傑物たちがいかに近代日本の礎を築いたかを紹介し、ひいては日本の伝統に秘められた「人を育てる」智恵を再考する。バカな実子より、賢い他人!そして、これは"悪しき世襲"が跋扈する、現代に向けた警世の書でもある。

感想・レビュー・書評

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  • [ 内容 ]
    気づけば政治家から芸能人まで「二世」「世襲」が普通の世の中に。
    だが、森鴎外、幸田露伴、吉田茂、湯川秀樹などなど、日本の近代史を省みれば偉人の多くは養子縁組の流れから生み出されてきたという事実がある。
    かつて日本では才能のある他人を養子に迎え、家、店の維持発展をはかることは通例だったのだ。
    本書は幕末から昭和まで、養子縁組の中から輩出された傑物たちがいかに近代日本の礎を築いたかを紹介し、ひいては日本の伝統に秘められた「人を育てる」智恵を再考する。
    バカな実子より、賢い他人!
    そして、これは“悪しき世襲”が跋扈する、現代に向けた警世の書でもある。

    [ 目次 ]
    世襲VS養子
    殿の功―湯川秀樹三兄弟を育てた祖父、紀州藩譜代小川駒橘の明治維新
    東京行き―白仙と静男、鴎外を生んだ津和野藩医森家の系譜
    瓦解―幕臣幸田家、「あとみよそわか」の源流
    築地ホテル館―二代清水喜助、三代満之助、棟梁から建築業へ
    順天堂医院開院―二代堂主佐藤尚中と「技術の養子」たち
    徴兵養子―西郷像を彫った高村光雲の人情養子噺
    男子相続罷りならぬ―日本橋馬喰町、紙屋中庄、信用と暖簾の掟
    木曾川水力発電―鬼才福沢桃介、「諭吉より私が偉い」と言った婿
    坪内逍遙が選んだ養子―黙阿弥の娘糸女と河竹繁俊
    恐慌突破―二代小菅丹治とアール・デコの新宿伊勢丹
    保健の殿堂入り―日本生命、創業者助三郎から『生保の至宝』弘世現へ
    守勢と攻勢―法学博士にして鹿島建設の婿、鹿島守之助が高層ビルを建てるまで
    調和―政治の血脈から生まれた養子宰相、吉田茂
    されど愛しきダメ養子―谷崎潤一郎が解き明かす、実直な婿だった父の失敗人生
    養子に行く気持ち、養子にやる気持ち

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 幕末から昭和初期にかけて活躍した財界、文芸界、学界の大物たち自身、もしくはその縁者で養子となった男子の半生をたどる。

    才を見込まれ身を立てるチャンスを与えられたもの、時流に飲まれて望むべくも無く養子になったもの、と人生それぞれ。養父母の厳しいしつけと愛情のおかげで立派な後継ぎなった者もいれば、身を持ち崩して家名を傾けたものもいる。

    血脈よりも技術の伝承を重んじ、あえて代々養子をとった順天堂医院の話が印象に残った。幸福な養子さんは、先代、その先代も養子で苦労している方が多いみたい。

  • かつて日本では、家、店の維持発展をはかるため、才能のある他人を養子に迎えることはごくごく普通のことであった。しかも中には男子の実子がいるにもかかわらず、養子をとって家督を継がせる。あるいは、養子を家業の継承者に定める家さえあったという。血よりも家業永続を優先し、血脈による世襲よりもより優れた才能に跡を譲るのである。公共のものさえ世襲が跋扈する現代にあって俄かには信じ難いが事実である。今の日本、一体どうなっているのか。

  • 感想未記入

  • 「人を育てる」とはどういうことか考えさせられます。

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