- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087205640
感想・レビュー・書評
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伝えたいことの意思をもたず、「とりあえず色々なひとと話してくれというので話した」という感じが否めない。
対談相手次第で、話の構図も変わるし。それでも、さらっと読める良さはあるが。
そんな中でも、美術館というものの「公共性」(まちへの影響、収益で語れぬ交易みたいなこと、まちに開く・繋がるべきこと)は印象に残った。
また、美術館建築はむしろ設計するより倉庫とかをそのまま使ったほうがよいのでは、という建築家の苦悩とかも。
あと、西沢がかつて青木淳に美術館とは、と相談したというのは面白かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
金沢21世紀美術館は、私の好きな場所の一つなので、西沢立衛さんという人なのかと気になりこの本を読んでみようと思った。特に平野啓一郎さんとの対談が興味深かった。
ルーヴル美術館は歴史の流れとヨーロッパの地理的関係、世界の地理的広がりを同時に感じることができる。フィレンツェは都市がもう美術館の一部のようなもの、町のすべてが美術品でできている。美術館も公共空間の一部である‥など。 -
[ 内容 ]
近年の美術館は従来の箱もの行政の産物から、新たな「開かれた」存在へと変化を遂げつつある。
その一例として記憶に新しい金沢21世紀美術館は、建築家ユニットSANAAの設計。
妹島和世と著者による同ユニットは国外でもルーヴル美術館ランス別館などを手掛け、二〇一〇年度プリツカー賞を受賞した。
本書では第12回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展の日本館出展作家を務めた著者が青木淳、平野啓一郎、南條史生、オラファー・エリアソン、妹島和世と対談。
美術館設計で建築家に求められるもの、都市の歴史から見た美術館、アートと建築の相互関係などを考える。
[ 目次 ]
序章 二一世紀の美術館とその建築的な展開
第1章 青木淳×西沢立衛―脱象徴化する美術館と展示空間の質的変化
第2章 平野啓一郎×西沢立衛―都市の歴史から見る美術館の現在
第3章 南條史生×西沢立衛―美術館を核にした都市計画とその可能性
第4章 オラファー・エリアソン×西沢立衛―現代美術の視点から美術館概念を再構築する
第5章 妹島和世×西沢立衛―つくることと見せること。美術館をめぐる建築的実践
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ] -
請求記号・706.9/Ni
資料ID・310005531
(平成23年10月)インタビュー/対談本 -
美術館はアート、美術館、来館者、社会によって作用しあう。アートが美術館(建築)に求めるものはなにか?を問う一冊。十和田、青森、21世紀にみる美術館の可能性。ホワイトキューブ、居抜き倉庫、ヨーロッパ昔ながらの美術館。自由性VS歴史的重み。
SAANAによる建築には透明感や、自由性を感じる。その意味で美術館の敷居を下げた功績は大きいと思う。 -
西沢立衛と青木淳、平野啓一郎、南條史生、オラファー・エリアソン、妹島和世の対談集。 現代美術館について、アートと建築の関係、都市と美術館の関係、公共性についてが語られてます。 南條氏との十和田美術館についての話や、妹島氏とのSANAAの活動についての話を興味深く読みました。 建築に興味のある人、美術が好きな人にオススメです。
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美術館に興味のある人、建築に興味のある人、街づくりに興味があるひとなどなど・・けっこう幅広い層に溶け込める本なんじゃないかな?西沢さんっていう人がいい味がある人。名前の「立衛」も気に入った(個人的にw)
美術館を町に建てるってこと、美術館、しかも現代美術館を建てることについて、いろんな視点や例示を持ち出して5人と対話する本の構成。もともと対話だからとても読みやすかったなぁ。
また時間がたったら読み返したい本 -
美術館はどうあるべきか、美術作品との関係、街づくり、現代美術等について、大変勉強になった。美術館は作品と同時に作られていくものであり、かつ、さまざまな作品を展示するスペースでなければならないという矛盾とも思える状況にあることを学び、興味深かった。一度、金沢21世紀美術館に行ってみたいと思った。
希望としては、対話形式ではない文章で、著者の美術(館)に対する考え方を明らかにしてほしいとも思う。