ナビゲーション 「位置情報」が世界を変える (集英社新書)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087206555

作品紹介・あらすじ

自らの現在位置を確認し、目的の場所がどこにあるのかを把握し、どうすれば効率的にそこに辿り着けるのかを知る-。古来、「位置情報」は、人類にとってきわめて重要な問題であった。そのために、今も多くの人々の献身的な努力が積み重ねられている。羅針盤に頼った大航海時代から、航空機やロケット出現の時代を経て、カーナビやスマートフォンへといたる歴史には、人類の驚くべき知恵と工夫が蓄積されている。我々に多大な恩恵を与え、今なお発展し続けているナビゲーションについて、具体例を挙げつつ分かりやすく論じる。

感想・レビュー・書評

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  • 技術の進歩という切り口で見た西欧史が面白いことを改めて感じた。ジョン・ハリソンという偉人を今回初めて知ったが、なかなかの苦労人で興味深い人物だった。ビジネスパーソンとしてのライト兄弟も面白い。

  • 位置情報の大切さ、技術の進歩でどのように変化したのか書かれた本。
    何気なく使っているが、とても大変なことだったとわかった。

  • ・また、東が上で、まわりをOの字の形の大洋(オケアノス)で囲まれた土地をTの字の水路、つまりタナイス河とナイル河と地中海で分けたT-O図という図もあった。東が上なのは、エデンの園が太陽が出る東のかなたにあると信じられていたから。この地図の中央は聖地エルサレム。

    ・プトレマイオスがアレキサンドリアで作った、「ゲオグラフィア」の地図

    ・地図帳一般をアトラスというようになった

    ・地図は、言語や文化の異なる人々の間のコミュニケーションのための道具として使われるようになった。結果、緯度と経度を使ったシンプルな地図が定着。それとともに、地図からは、特定の宗教の世界観を表した聖地や聖人、想像上の動物や奇異な人間の図は消えた。地理上の発見がもたらした、自分たちの居場所に対する人々の意識革命といえる。

    ・位置の精度、高層ビルの谷間や山間地での利用が出来るようになることが改善点。→GPS衛星が常に天頂に留まるような準天頂衛星システムを日本が開発している。

    ・航空、海上輸送、道路輸送、鉄道、自立移動物体、刻時パルス、精密農業、水産、緊急サービス、科学研究などの10分野で、80を超えるアプリケーションの例を列挙している。

  • [ 内容 ]
    自らの現在位置を確認し、目的の場所がどこにあるのかを把握し、どうすれば効率的にそこに辿り着けるのかを知る―。
    古来、「位置情報」は、人類にとってきわめて重要な問題であった。
    そのために、今も多くの人々の献身的な努力が積み重ねられている。
    羅針盤に頼った大航海時代から、航空機やロケット出現の時代を経て、カーナビやスマートフォンへといたる歴史には、人類の驚くべき知恵と工夫が蓄積されている。
    我々に多大な恩恵を与え、今なお発展し続けているナビゲーションについて、具体例を挙げつつ分かりやすく論じる。

    [ 目次 ]
    第1章 大航海時代の幕開きと地球球体説の実証
    第2章 精密海洋時計の開発とイギリスの七つの海の制覇
    第3章 ロランの開発とパックスアメリカーナ
    第4章 慣性航法システム及びGPSの開発
    第5章 ナビゲーションの現在と将来
    第6章 人類は技術開発の進歩についていけるのか

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • ナビゲーションの歴史。技術的な解説はほとんどなく、やや物足りない。

    緯度は比較的簡単に測量できるが経度を知るためには精密な時計が必要であった。クロノグラフィーが発明されるまでは航海にも大変な危険が伴った。大航海時代から500年、クロノグラフィーから280年という時代は、著者が言うように「時間の支配に成功したものが、空間も支配する」ようになった」ことの証であろう。

    GPSは現在、米国のGDPの10%程度がそれに依存するほどの巨大ビジネスになっている。

    カーナビなどはGPSによる位置信号に加え、INSという加速度や方向を感知するためのジャイロなどの装置による補正を常に加えている。
    GPSの衛星からは2000年までは精度を意図的に劣化させた信号が送られていたが、現在はその制約もなくなり、数メートルの誤差で位置が分かり、数センチを目指す技術革新が続いている。

  • よくあるスマートフォンとソーシャルメディアによる、位置情報ビジネスの本ではない。
    人間が自分のいる位置を、正確に求めるために、どのような事をしてきたか。
    その技術革新や動機といったことが、時代を追って書かれている。

    まだ正確な時計の無かった、大航海時代にはじまる船の時代。
    正確な時刻(精度の高い時計)を持ち運べるようになったことによる変化。
    長距離の移動が容易になった航空機時代。
    そしてGPSによる、より正確な位置情報が特定できるようになって以降。

    自分の位置を知るということが、世界にどういうことをもたらしてきたのかが、面白く書かれている。

  • GPS、無人偵察機等までの300年をズバーと解説。わかりやすい。しかし3年後に読んだら古く感じるかもしれない。

  • GPSの普及により、人やモノの位置情報を用いたビジネス・サービスが全盛となりつつある。本書では、ナビゲーションの観点から、位置情報を取得する技術の変遷について述べている。まず、コロンブス等が活躍した大航海時代の船のナビゲーション技術の説明から始まり、次に航空機やロケットのナビゲーション技術と軍事利用について述べ、最後の3割くらいを割いてGPS技術とカーナビ等への応用をまとめている。JAXAの準天頂衛星システムや、ロシアのGLONSS、欧州のGalileoが開発された歴史的および政治的背景が分かって良かった。位置情報を用いたサービスは、政府や国家機関が取り組むと、建前としては住民の利便性向上を謳いつつ、行き着くところは「国民監視」なワケなので、その辺の本音を読み違えないように研究・開発を進める必要がある。

  • 電波が出てくるところから、急に話の展開が速くなって、今までの部分と比べると違和感がある。

  •  読まなくても良かった。2・3日webを徘徊すれば、分かることの総括。
     私にとってはだけなのかもしれないのだけれども。しかも、2・3年前に
     調べて得た知識の範囲を大きく外れることはなかった。ただ、補強できた
     ことも事実。実地調査の裏付けも興味深かった。目次はメモった。 

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