わるいやつら (集英社新書)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087207064

作品紹介・あらすじ

拡大する新型詐欺の被害、債務者を食い物にする悪質弁護士、跋扈する貧困ビジネス…。現代の「わるいやつら」の手口と実態を、ヤミ金、貧困問題などの最前線で社会悪と戦ってきた著者がリアルに解説。

感想・レビュー・書評

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  • みなさまいろいろと悪知恵が働くなあ。なんとなく勧善懲悪の物語を読んでいる感じで、すかっとする。

  • サラ金・ヤミ金問題などはある程度知っていたことなので特に目新しい内容はなかったが、これらを含め問題の根源は憲法や法律の枠内を行使出来ない人たちが世の中にたくさんいるということ。欧米に比べて生活保護費の申請や労組の作り方など社会的権利を行使することへの意識が日本全体として非常に低いこと、これは原発の問題も含め日本が抱える問題に共通する部分だろう。

  • こういうの読むたびに日本の政治に失望。具体的な政策と行動力のある人に政治家になってほしい。

  • [ 内容 ]
    闘う弁護士・宇都宮健児。
    彼は一九七〇年代から、サラ金・ヤミ金・貧困問題の最前線で社会悪と対峙してきた。
    そして、脅しや嫌がらせに屈することなく、これまでに六万社を超える悪質業者を告発している。
    その闘いは今も継続中だ。
    本書では、振り込め詐欺等の新型詐欺、債務整理を名目に返済金を横領する悪質弁護士、いわゆる貧困ビジネスなど、弱者をターゲットにした現代の「わるいやつら」の手口や実態を、第一人者が具体的に解説。
    加えて、その背景にある政治の無策を鋭く告発する“騙されない”ための、必携の一冊!

    [ 目次 ]
    序章 私は、なぜ「わるいやつら」と闘うのか
    第1章 サラ金からヤミ金まで
    第2章 新型詐欺のバリエーション
    第3章 整理屋と提携弁護士
    第4章 跋扈する貧困ビジネス
    第5章 「わるいやつら」を生み出す「わるい政治」

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 繰り返しの下りが多いが、内容は非常に興味深かった。

    最後はやはり政治。。

  • 詐欺と戦い続ける著者の戦記。いわゆる黒い企業や人と、果敢に戦ってきた戦績は、素晴らしいものだと思う。実際に都知事選にまで出馬して、徹底的にわるいやつらを排除しようとした姿勢にも好感が持てる。都知事選で戦った相手がああだったとは、何とも皮肉な話だけど。

  • 宇都宮健児氏が弁護士を志した理由、サラ金問題に取り組んだ理由。決して強烈な使命感からだったものではない。なかなかに意外である。しかしその後は貧困に対する問題に取り組み、法制度の改善などに成果を上げてきたことが描かれる。が。いつしか「わるいやつら」は、ヤミ金・暴力団といった連中から、弁護士、政治家にシフトしていくではないか。あるいは複雑な(というか、わかりにくくした)関係による犯罪集団に。
    わるいやつらとは交渉するな、告訴・告発だ、とはいうものの、前日読んだ裁判所の本がまた憂鬱でもある。政治家になろうと思っても供託金が必要だったりと、憲法に反しているのではないか、と。一方世の中には、政治家に資格試験をもうけろ、というタカ派の作家もいたりする。供託金は売名制度への抵抗策だとはいうけれど、実は左翼の出馬抑制のためだった、とか。わるいやつらをなんとかしようと思ったら、ここにも手を付けないとね。すると告訴・告発か。ループする。著者は理念はあとでいいから具体的にという。むう。

  • 都民だったら宇都宮さんに投票するなあ~。供託金に関しては目から鱗。

  • 悪質事業者の歴史、問題点
    格差是正の提言など

  • サラ金からヤミ金まで
    新型詐欺のバリエーション
    整理屋と提携弁護士
    跋扈する貧困ビジネス
    。。。と、闘う弁護士が、実態・手口を暴く!

    ということで、著者のそもそもの生い立ちから始まって、豊田商事事件など実際に関わった実例に基づく非常にわかりやすいお話でした。

    ただ、(以下本文より)
    消費者金融問題や悪徳商法に関するシンポジウムや講演会に招かれてお話をすることがありますが、こうした講演会やシンポジウムを聞きにくる人は、もともと意識が高い人たちですから、あまり被害に遭いません。そういうところに来ない、または来られない人たちをケアしなければならないのです。

    ってことで、結論は、警察はもっとしっつかりせにゃならん、ということと政治を変えるしかないってことのようです。

    これまで、著者についてどこかで名前を聞いたことがあるという程度の認識しかありませんでしたが、読後改めて調べてみると、ずいぶんな経歴で尊敬したくなるほどの、まさに闘う弁護士さんでした。そういえば、東京都知事選にも出てたなぁ・・・って残念でした。

    (2013/12/15)

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著者プロフィール

1946年愛媛県生まれ。地下鉄サリン事件被害対策弁護団団長、年越し派遣村名誉村長、日本弁護士連合会会長などを歴任。2012年12月と2014年2月の都知事選に出馬。
現在、全国クレサラ・生活再建問題対策協議会副代表幹事、全国ヤミ金融・悪質金融対策会議代表幹事、反貧困ネットワーク代表世話人、人間らしい労働と生活を求める連絡会議(生活底上げ会議)代表世話人、週刊金曜日編集委員、希望のまち東京をつくる会代表、供託金違憲訴訟弁護団団長、公正な税制を求める市民連絡会共同代表、などを務める。
著書に『反貧困――半生の記』『希望社会の実現』(花伝社)、『弁護士、闘う――宇都宮健児の事件帖』(岩波書店)、『わるいやつら』(集英社新書)、『「悪」と闘う』 (朝日新書)、『自己責任論の嘘』(KKベストセラーズ)など多数。

「2017年 『東京をどうする』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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