ブームをつくる 人がみずから動く仕組み (集英社新書)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087208191

作品紹介・あらすじ

うどん県やひこにゃんなどのPRを多数手がけ成功に導いてきたPRプロデューサーが、予算も実績もないブランドや商品を、いかにして社会的な「ブーム」や「文化」に導いていくかというプロセスを解説。

感想・レビュー・書評

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  • 著者は少ない予算から「香川県はうどん県と改名されました」という記者会見で、ネット騒然を引き起こして、8億9千万円の広告効果を作った「PR」のプロです。

    こういうハウツー本は避けて来た私ですが、ある事情から、たいへん興味深く読むことが出来ました。感想を一言で言えば、

    市民運動をしている人には必読本です!

    なぜか。
    (1)市民運動は金と権力がないので、マスコミを動員出来ない。
    (2)広く世間にPRしたい切実な欲求がある。
    (3)市民運動家は十年昔日の宣伝方法しか持っていない。

    一方、著者はPRは政治的な意図を持って人々を煽動するプロパガンダとは異なると自負する。それは以下の四点の理念を守っているからである。

    ●事実に基づいた正しい情報を提供する。
    ●ツーウェイ・コミニュケーションを確保する。
    ●「人間的アプローチ」を基本とする。
    ●「公共の利益」と一致させる。

    これは正に「市民運動の理念」そのものである。

    それならば、堂々とPRのノウハウを借りればいい。私なりにまとめたのは、以下の点である。

    (1)社会層ではなく、個人にむけて情報を発信する。ターゲットを絞る(女性の母性本能をくすぐることも大事)。
    (2)2%の人々が動けば、当該地域が変わる。
    (3)始まりはメデイアか何かのインパクト→インターネットでの拡散→みんなに「ああ、みんな面白いと思っているんだ」安心・信頼感→「取り残されたくない」欲求→社会的な動き
    (3)「三面記事的なネタ」を怖れない。「物語」を発見する。

    ここに書いてある数々の成功事例は、そのまま使えないけど、数々のヒントがあるのは確か。課題は炭の様に硬くなった市民運動家の頭の中を豆腐の様に柔らかくすることだろう。

    最近、正にこの通りの「動き」があった。

    「保育園落ちた。日本死ね」のブログがインターネットで拡散されて、「あゝ、私もそうだ」という言葉が広がり社会が動きつつあるのである。国会の答弁を受けて「落ちたのは、私だ」と動いたのは、正に教科書通りだろう。公益もあるし、物語も、三面記事的な話もある。

    問題は最初のインパクトをどう作るか、である。

    2016年3月25日読了

  • 結局 著者自身の金儲けのための本

    ひこにゃん
    で ゆるキャラブームをつくり
    うどん県
    で香川県をPRし
    漢字検定協会のPRで、
    年末に 「今年の漢字」
    を京都 清水寺で 揮毫 するプレスリリースを企画し実行した 本人が
    ブームをつくる方法
    人を動かす方法を明かします

    広報PR業務を通して、リアルな人とのコミュニケーションの在り方を説く、良い指南書になっている

    著者が地方広報にこだわるのは阪神淡路大震災からだという
    失敗も繰り返してたどり着くのは、社会も地方も行政も企業もターゲットも 全て 人 であるということ
    ひとりの個人の集合体はあれど、その中の誰なのかを見つめ、5W1HとYTT :昨日・今日・明日
    のストーリーの魅力を吟味した配信をする事が肝だということにたどり着いたと言う
    その情報を受け止めた人が、みずから動き発信して、できれば永続的な文化になる事すら考えられるようになってもらえる そんな情報配信をしていきたいと言う
    ムーブメントがブームとなり、その持続と持続するための努力が文化となってもらいたくて企画を考えるのだ
    相当に綿密な情報収集と人間関係あ作りと時代感覚にあった新鮮味を考え抜く為の努力は泥臭いこともやり尽くすと言う
    これらの方法は著者も言うように、SNSも含めた、人と人のコミュニケーションの望ましいあり方を説明していことになる
    リアルな人との対話が、ビジネスを成り立たせているし、社内の仕事も成り立たせている
    当然 全ての人間関係の基本は、思い込みなどの無い誠実な言葉を、適切な時に適切な相手に適切な使い方を探して伝えることである
    5W1Hである
    そこにYTTのストーリーを加味して、より良いコミュニケーションを取って、より良い関係を作って行こうと、私も共感できる話しでまとまっている

  • PRに関して、著者の殿村さんを越す人はいないのではないかと思わせる内容でした。
    読んだだけで身につく考え方ではないですが、一読する価値はあります。

  • 「うどん県」「ひこにゃん」「今年の漢字」を手がけた著者の本。
    https://ameblo.jp/sunnyday-tomorrow/entry-12154208784.html

  • 行動にするものが特にありませんでした。
    しいて言うなら、以前にも読んだPR戦略に書いてある、「人を動かす為にはその土壌作りから始めること」が再認識できた(同じような事を言っていた)事。
    ああ、やっぱり大事なことなんだと改めて感じました。

  • 大崎Lib

  • この方は、キチンと仕事する方ですね。

    本を読むとイメージ出来るけど、いろんな方に相談されていますね。

  • 大都市より地方のほうが、日本の原風景が残っており、永続性のある、PRできる文化やネタが沢山ある。地方創生、観光立国を目指すのに、ヒントになる事例満載。ひこにゃんは、たまたま先にいたのか。そうだったかも。

  • 確かに、うまいねぇ。
    PRと広告は違う。
    PRの方が 仕掛ける たくらみがある。

    うどん県。
    ひこにゃん。
    今年の漢字。
    マスコミに うまく載せることができている。
    そのしたたかな たくらみに、やるぞ。コイツ。
    という感じがありました。

    PR活動を通じて 文化を創る。
    情報発信は 個人にとどける。
    『PRとは、これまで興味を持っていなかった人に訴えかけて、自発的に『欲しい』『使いたい』『行きたい』と思ってくれるように働きかけることです。』

    物語が 心に届くような PR.
    観光客を呼びたければ まず女性を呼べ。
    食品を売りたかったら、女性に食べさせる。

    『どこか新鮮!』

    サバにまかせろ。
    さバンザイ。
    カチがあるまち。
    →結構 ダジャレ風なのが面白い。

    心に刺さるタイトルとヴィジュアル。
    人が手に持ち 食べようとするヴィジュアル。

    いま 何があれば 私はこうしたいと思うのか。

    ブーム、仕掛人。
    もっと、たぶん ノウハウがあるのだろうけど
    ここでは、まだ 書いていることが 氷山の一角。
    ちょっと、注目したい 殿村美樹。

  • 勉強なった。

    ・「新鮮」「分かりやすい」がメディアが取り上げやすいネタ。
    なにかとなにかを組み合わせて面白いかを考える習慣を付ける。

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