- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087211023
作品紹介・あらすじ
あらゆる局面を「取り引き」になぞらえる今日のトランプ政権下にあっては、アメリカ先住民社会もまた、かつてない苦境に立たされている。
ネイティブ・アメリカンは何を守り、何を奪われてきたのか。
貧困、ドラッグ、アルコールに染め抜かれたコミュニティを通して見える悲哀、アメリカ社会の実相に迫る。
開拓者精神、古きよきアメリカ、正義の国……。
今日の米国が掲げる「理想」によって徹底的に踏みにじられてきたのが、先住民の存在だ。
無二の研究者が交流を通じて記録したノンフィクション。
◆目次◆
はじめに ──声なき民族の抵抗
第I章 砂漠を生きる知恵 ──モハベの哲学
第II章 フェイクな「アメリカ」 ──「移民の国」のつくられ方
第III章 壁とカジノとトランプ ──先住民からみたアメリカ社会
第IV章 言葉を守る民 ──ストーリーが紡ぐ世界
第V章 癒されない魂 ──イメージと現実のはざまで
第VI章 天国にちかい部族 ──プエブロ族との日々
あとがきにかえて ──店番失格
◆著者略歴◆
鎌田 遵 (かまた じゅん)
1972年東京都生まれ。亜細亜大学准教授。専門はアメリカ先住民研究。高校卒業後に渡米。アメリカ先住民や非合法移民と寝食を共にしてきた。
カリフォルニア大学バークレー校ネイティブ・アメリカン学科卒業。同大学ロサンゼルス校大学院アメリカン・インディアン学研究科修士課程修了。同大学院公共政策・社会調査研究所都市計画学研究科博士課程修了。(Ph.D. 都市計画学)。
著書に『「辺境」の誇り』(集英社新書)、『ネイティブ・アメリカン』(岩波新書)等。
感想・レビュー・書評
-
「ドキュメントアメリカ先住民」と内容被るかなと思っていたけれど、より個人に近い話が書かれていた。写真がどれも良い表情を捉えていて魅力的。新書の軽やかさがいい塩梅にしているのかも。
トランプ政権に変わる頃の戸惑いが感じられる。
最後の章はとくに心が揺さぶれた…。
部族に伝わる民話がいくつか載っていた。
神様の電話の話が印象的。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
316-K
閲覧新書 -
東2法経図・6F開架:316.8A/Ka31i//K
-
かつて、居留地へと追い込まれ白人化教育として名前、文化、言語を奪われてきた先祖達。そして深刻なドラッグ、アルコール中毒、貧困に悩まされる現状や、差別を受ける一方でロゴマークや大学入学時のマイノリティ枠取得など、利益のために利用されたり、文化や言語を次世代に伝える難しさなど、現在かかえる問題などがよく分かる。なかでも、トランプ政権により将来への不安が高まっている様子が書かれた第3章は印象的だった。