正義はどこへ行くのか 映画・アニメで読み解く「ヒーロー」 (集英社新書)
- 集英社 (2023年12月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087212938
作品紹介・あらすじ
「多様性」の時代のヒーローとは──【おもな内容】世界を救う、「正義」の象徴たるヒーローは、圧倒的な“マジョリティ”として表象されてきた。しかし21世紀を迎え、ジェンダー、加齢、障害、新自由主義といった様々な観点への理解・変化から、留保なしでその存在は認められなくなった。では、ヒーローたちはどのように「多様性」と向き合うのか?そして、「ポスト真実の時代」とどう対峙していくのか?本書は、ヒーローの誕生から発展までの歴史的視座を参照し、アメリカと日本のポップカルチャーに登場、活躍する《新しいヒーロー像》を縦横無尽に論じる。ヒーローを考えることは社会を考えることだ!【目次】序章 多様性の時代の正義第一章 法の外のヒーローたち第二章 二つのアメリカと現代のテーレマコス第三章 トランプ時代の「お隣のヒーロー」第四章 多様性の時代に「悪」はどこにいるのか?第五章 「オレはまだまだやれる!」──中年ヒーローの分かれ道第六章 障害、加齢とスーパーヒーロー第七章 日本のヒーローの昔と今第八章 正義のパロディとニヒリズムとの戦い第九章 デスゲームと「市場」という正義、そしてケアの倫理へ第十章 ポストフェミニズムと新たな「ヒーロー」終章 私たちの現在地おわりに 正義はどこへ行くのか?【著者略歴】河野真太郎(こうの・しんたろう)1974年、山口県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得満期退学。博士(学術)。専修大学国際コミュニケーション学部教授。専門はイギリス文学・文化およびカルチュラル・スタディーズ。著書に『はたらく物語 マンガ・アニメ・映画から「仕事」を考える8章』(笠間書院)、『新しい声を聞くぼくたち』(講談社)、『増補 戦う姫、働く少女』(ちくま文庫)、翻訳にウェンディ・ブラウン著『新自由主義の廃墟で』(人文書院)など多数がある。
感想・レビュー・書評
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エンタメの中のヒーローから社会情勢を紐づけ解釈する視点は非常に興味がわいた。ウルトラマン型、仮面ライダー型、またはその派生かといった基準は実生活で使うことはなさそうだが、物事をとらえる時の切り口としては参考に出来そう。こういう独特な切り口を持った本を選択していくと考え方やとらえ方の引き出しが増えそう。
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【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/570778 -
【請求記号:361 コ】
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多様性の時代の正義 法の外のヒーロー:ヒーロー物語の型と技 英雄の旅・円環構造 二つのアメリカ:新・新孤立主義 古い資本主義・南部的保守主義vs新しい資本主義・西海岸的リベラリズム お隣のヒーロー:排外主義・ポストトゥルース 精神的・神的暴力 虚構/真実の二項対立 多様性の時代の「悪」:環境的限界 リベラル多文化主義的な価値の平準化・党派主義的な価値の恣意的決断 障害、加齢:能力・個性としての障害 日本のヒーロー:多様性 ニヒリズム 資本主義 リトル・ピープルの時代 ハインツのジレンマ 企業ヒーロー
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「多様性」が叫ばれ、ありとあらゆる価値が相対化する時代において、「正義」はいかに描かれているのか。アニメ、特撮、映画など多才なエンタメ作品を題材に、正義の"現在地"をたどる。
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仮面ライダー論みたいなの読まざるをえない事情があって。「新自由主義」がキーワードみたいなんだけどよくわからない。新自由主義ってゼロサムかなあ?