緑と楯 ハイスクール・デイズ (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.74
  • (9)
  • (14)
  • (13)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 301
感想 : 13
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087441789

作品紹介・あらすじ

秀才だけど友達ゼロの男子高校生・緑は、人気者の同級生・楯に心奪われ……。愛する喜びと切なさが溢れる、宇宙一ピュアな恋の軌跡。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 会話微笑ましすぎる。母性溢れすぎてもはやこの子達産んだ記憶ある。

  • 緑という名前は恐らく味方が欲しかった親の願いで楯という名前は何時か人を守れるようにという親の祈りで。緑の求愛は時に滑稽なほど切実だけれど愛や関心を強請る彼は人を愛せるくらいには愛されていたのだと安堵する。恋は人を変えるけれど人を守ってもくれるのだと知って少し羨ましい。愛に飢えているのに愛に溢れている物語だった。

  • 愛を知らなかった主人公がたった一人好きになった男の子。
    男の子の気を引きたくて積極的にアプローチする姿はいじらしく可愛い。
    不完全家族で育ちながらも両親からもらったささやかな愛に気づきそれを受け止める純真さ。
    真っ直ぐな心を持った主人公の幸せを願いながら読みました!

  • ひらがなが多くて、かなり読みにくい。言葉の使い方が独特すぎる。
    しかも知らないで買ってしまった。こんなにシリーズがあって前世編とか未来編とかあって、設定が2055年だということを読んでから、ググってから知った。私は設定が現代と近い方が好きだから、こういう前世や2055年、未来とかいまいち受け入れることが出来なかったけど、ところどころ切ないなと感じた。両親が不仲で、母親が家を出て結局は離婚してしまう緑の方につい感情移入しそうになった。そして結ばれるあたりの緑の心境はかなり切ない。どんなに好きで愛していても、二人で一緒にいても結局は一人なんだよね…。二人が恒星と惑星みたいな関係に思えた。ところどころ心がチギレそうに悲しくなる。妙に泣きたくなるから夜は読まない方がいいなと思った。
    「ずっとずっとずっとずっと、あんなにあんなに待ってた、冷えきった家で震えながらどんだけの夜を耐えたことか。おれをすきならどうしてこんなに長く待たせた?」
    べべさんやお父さんに慈しまれながら育った楯と、DV父と家出する母の仲裁を毎日する緑の家庭内の温度差が胸に刺さった。

  • アンソロジー「短編宇宙」に収録の、二人が主人公の話が気に入ったので、読んでみた。
    いやこれは参りました。
    設定は近未来だけど、要は学園ラブコメというか青春グラフィティというか、家庭の事情とBL(そこに葛藤はないので、同棲であることが問題にならなくなった未来という時代設定と思われる)という要素は絡むものの、恋愛メインの割とシンプルな内容。
    そういう話はあまり興味ないのに、これはグッときまくって、参りました。
    文庫の帯には「宇宙一ピュアで切ない恋の軌跡」と陳腐なこと書いてるけど、いや、判る。そうかもしれない。

    嬉しい楽しいの感情はハイテンション(あくまで内心)な一方、辛いことは淡々と状況だけを語り、でもその状況が本人にとってキツイことは確実に伝わり、ふとしたキッカケで泣き出して止まらなくなる主人公にグッとくる人は多いだろう。
    ストレートに言葉にしない感情を、想像させるのがとてもうまい。

    仮名遣いというか、普通は漢字で書くところち平仮名多用されてるのは何か意味あるのか、ちょっと不思議だけど。

    あと、萩原の失神は結局何だったのか、明らかにされないのは気になるかな。

  • 近未来を舞台とした不思議な恋愛物語。
    全体的に宇宙空間のような、銀河でたゆたうような不思議な雰囲気に包まれています。
    このお話は男性同士の恋愛ものなのですが、近未来だからかそこはさしたる葛藤はなく描かれています。
    楯の方が飄々として掴みどころがなく、そこがまたいい意味で宇宙人のようで、物語に雰囲気にあっていました。
    緑の家庭環境など重い問題もあるのですが、物語のふわふわゆらゆらしたイメージの包まれてウェットな重さはありません。
    ただ、私にはどうしても合わなかった……。身を切るようなシリアスさが好きなので、この丸い雰囲気があいまいさのように見えて受け入れられませんでした。
    男性同士の恋愛でも文学性のある物語は好きなのですが、今作にいたってはこの世界で男性同士の恋愛はどういう立ち位置になってるのかが分からず、自分の中で消化できませんでした。
    (そういう説明がいらないくらい同性愛がフラットだとしたら、それはいい世の中だと思います)
    ただ唯一無二な雰囲気がこの小説にはあります!
    水面に写った満天の星を見てるようなそんな物語でした。

  • にやにやも読む手も止まらなくてとてもよかった、可愛い

  • 尊い…

  • 雪舟えま先生の作品を読むのはこれが初めて。
    不思議な文体に心地よさを感じました。

    みどたて。
    もっとふたりの世界に浸っていたいなぁ。
    (続き?は電子書籍で読めるようですが、できれば紙の本も出版してほしい・・・!!)

  • 二人の揺らぎがすごくリアル。幸せになって欲しい。

全13件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

雪舟えま(ゆきふね・えま)
1974年札幌市生まれ。作家、歌人。著書に歌集『たんぽるぽる』『はーはー姫が彼女の王子たちに出逢うまで』、小説『タラチネ・ドリーム・マイン』『プラトニック・プラネッツ』『恋シタイヨウ系』『パラダイスィー8』ほか。2017年より男性カップル「緑と楯」シリーズの執筆をメインの活動としている。

「2018年 『BL古典セレクション① 竹取物語 伊勢物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

雪舟えまの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
瀬尾 まいこ
加藤シゲアキ
伊坂 幸太郎
宇佐見りん
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×