- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087455625
作品紹介・あらすじ
日本初の国産エンジン開発に取り組む本庄チーム。実験の失敗で若手技術者を死なせ、本庄は左遷、開発は暗礁に……。超音速機開発を巡る国内エンジンメーカーの熱きものづくり小説。(解説/小森陽一)
感想・レビュー・書評
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国産の戦闘機用エンジンを開発するエンジンメーカーの話。『推定脅威』『リビジョンA』のスピンオフ的作品。勧善懲悪であり、読みやすかった。
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未須本さんの単行本は今のところ全部読んでいるけれど、技術者の立場から書かれていて、飛行機が好きな人、ものづくりが好きな人には特におすすめ。
ワクワクする。
会社組織の話でもあるのでこういう上司いるなぁ、とか、こういう細かい手順面倒くさいよね、みたいな部分がリアルでおかしくなってしまう。同時に、こういう人達と働いたらやりがいあるんだろうな、っていう夢もある。
誰か一人ヒーローが活躍するのではなくて、それぞれの登場人物が自分の出来る事を地道にやって、報われるところが好き。 -
エンジンメーカーで戦闘機用の新しいエンジンの開発が始まった。
アフターバーナーを20分動作させる試験で突然爆発事故が発生、プロジェクトは解散間際に追い込まれる。
責任者は閑職に追いやられ、プロマネは責任を取らず居座っている。
散り散りになったメンバーは亡くなった技術者のためにもプロジェクト再開に向け準備を進める。
技術者たちの熱い思いで新しいエンジンを積んだ機が離陸する? -
航空自衛隊の戦闘機用のジェットエンジン開発のお話なのだが、テスト中の事故で若手開発者が死亡し開発リーダーが左遷されるのだが、開発消極的だったプロジェクトマネージャーが事故の遠因であると追求していくところまではストーリーがかなっていたのだが、あとは淡々と開発の様子を綴るだけで、うーんいまひとつ。
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作者の4作目。
今回は飛行機ではなく飛行機のエンジンに描写を当てた作品。
国産初のアフターバーナーエンジンを開発。最終の燃焼試験中に大爆発を起こし若手技術者が死亡してしまいプロジェクトは中止。エンジニア達の熱き想いの物語。 -
日本発の戦闘機用エンジンの技術開発を舞台にした小説。アメリカからの技術供与でライセンス生産を進める上司と、日本独自の技術取得に向けて自主開発を目指す技術者達の対立や、その中で起こる事故をストーリーの軸に、ジェットエンジンの開発とはどんなものかという点も俯瞰的に描いています。著者はかつて航空機の設計に携わった技術者だけあって、開発の現場の描写が非常にリアルであり、またジェットエンジンとはどういうしくみで動いているのか等についても読んでいるうちに理解できるようになっています。
文庫で250ページほどのボリュームなので、スッと読み切れます。これを読んでフィーリングが合えば、未須本氏の他の長編も手に取ってみるのもいいのでは。 -
ジェットエンジンの開発に奮闘する技術者像を描く。技術者倫理のケーススタディ、航空機エンジンの簡単なイメージなど、情報源として読める。