オネスティ (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 58
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087456561

作品紹介・あらすじ

幼馴染のカイとミノリが交わした約束「どんな秘密もつくらない。お互い大好きだけど、恋愛も結婚もしない」。特別な関係を築く二人に、周囲の人間は困惑するが──。恋愛長編小説。(解説/花房観音)

感想・レビュー・書評

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  • 正直に生きることは他者を傷つけ、自身も生きにくい。
    だけど
    二人にとって正直に生きることは、二人が付き合って添い遂げることでもあったのではないかな?根底がズレてるから、ミノリは恋愛出来ないし、カイは絵画に没頭して敢えて周りを見ないようにしてる?

    結局、二人は二人だけの世界から出てくることはなかったのだから。

  • 『オネスティ』石田衣良さん

    石田さん。
    過去読んでる小説から共通点が見当たりません。
    作風の幅広さ。読了後に感じることです。
    このオネスティもその感覚でした。

    どのように世界を観察して、こうした一気通貫の、しかし切なすぎる愛情の物語を描けるものなのか?

    この読書をしていた当時、イタリアレストランで1人で昼食してました。
    読み終えて、涙止まらず。スタッフのひとに心配されたほどでした。

    誠実、正直、一途に相手を想う気持ち。
    それを伝えることができて、さらに伝わることは大変に貴重なことです。
    生きているうちに、それが叶わぬことがあるのも人生なのですから。

    #読書好きな人とつながりたい

  • お互い恋人がいても相談や報告し合う特別な関係に少し羨ましさも感じたが、周りを傷つけてまでこんな関係築く勇気は自分にはないんだろうなと思った。ただただ奥様に同情する。

  • 奥さんが、かわいそうだった。

  • なんとも言えない気持ちになった
    恋愛とか結婚以外の
    愛の形を見た気がするけど
    2人の世界は周りを傷つけていて
    カイの奥さんが気の毒すぎた

  • 片想いとか、両思いとか、好きとか嫌いとか恋愛のドキドキとかそういうのを全て上から冷静な視点でもって観察して、愛し合うっていう不思議な恋の話。

    このお二人。とっても冷静で、見ていてなんとも言えない気持ちになります。

    もう、一心不乱に恋愛して、好きだの嫌いだの、浮気しただのなんだのってのを。

    ふーん。

    と、鼻で笑っていいんじなないのーそれも。的な、なんというか愛とか恋とかなんだとか。もうさ、そういうんじゃないんだよ。ホント。

    みたいな達観が、読んでて清々しいわぁ。

    盲目的に愛して。苦しくて、嫉妬してとかじゃないの。淡々と愛し続け、そして、そんな自分を冷静に分析し続ける2人が見ていてなんとも気持ちがいいです。

    恋愛の本って。

    おいおい。っていうのと、
    若干のひーーーーっがあって軽くホラー的要素満載だけど、これは普通にこんな恋愛あってもいいよね。なんか気分がいいわぁ。って読める。笑笑

    恋愛の醍醐味ないじゃん!って言う人もいるかもしれないけど、ひーーーーっよりマシと思うわたしでした。

    冷静な恋愛小説。いいよ。

  • 好きです!!!!
    スラスラ読めちゃいました。
    石田衣良さんらしいなぁという作風。
    幼い頃に恋愛には発展しないという約束を結ぶっていう設定がオシャレすぎるな。このように登場人物が大人びてるところも石田衣良さんの本ならではですね。あと、カイの絵描きというオシャレな趣味、そして職業もそれ。
    男女の友情は成立するか?というひとつのテーマが浮き上がってくるけれど、やはりどちらかが自制しているから成り立つような見かけなだけで自生している時点でそれは友情じゃあないよなぁ。だからしないんだよなあと改めて思いました。

    実際本当に友情を成立させている男女ってどのくらいいるのでしょうか?とても少ないと思います。私は男女の友情は成立しないと思ってます。させてるように装っているだけでしょ、という見解。。
    この2人に関してもまさにそうだけれど、実際のそういう男女には苛つくのに、なぜか苛つかなかったです。
    男のカイが女のミノリを好きというのと、ミノリの自分にないものを持っているところに好感を持てたのかも。
    一応とはいえ男女の友情を何十年も成立させてるから、私はこの2人を上品と感じました。
    口だけの、成立させてる気になってる男女は下品です。


    一般に、男性は性に貪欲で恋愛を怠り、女性は愛があるから性がついてくる、みたいな考え方をしますが彼らはこれが逆。
    カイは女性的、一方ミノリは男性的な思考が垣間見えます。
    石田衣良さんの手にかかるとただのビッチ女のミノリがたくましく、女々しいはずのカイも美しい、と、魅力的に感じます。

    あと、2人の地元は横浜ですよね?横浜という設定が好き。センスある。本当に石田衣良さん分かってる。最高です。

    個人的に石田衣良さんはこういう恋愛小説?との相性が何より抜群だと思ってます。もっともっと、もっと、読みたいです。

  • 誠実さとはなんだろうと思いました。
    2人にとってオネスティ、世間にとってはオネスティではない。だったら、どちらが本当のオネスティなのか。
    少し自分が想像していたものとは違っていて、不思議なお話でした。

  • カイの奥さんとミノリの旦那さんミノリのことを大切に思っていた人がかわいそうだと思った
    でも2人の関係性も綺麗だなと思った
    自分がいいならそれが1番の選択であるという考えもあるけど人を深く傷つけたり人の人生に大きな影響を与えたりもする
    なにが正解かわからないなあ

  • 正直理解できない関係だったし、全く美しくも見えなかったのは自分が潔癖症なのだろうか と考えた。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。成蹊大学卒業。代理店勤務、フリーのコピーライターなどを経て97年「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2003年『4TEEN フォーティーン』で直木賞、06年『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞、13年 『北斗 ある殺人者の回心』で中央公論文芸賞を受賞。他著書多数。

「2022年 『心心 東京の星、上海の月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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