- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087458718
感想・レビュー・書評
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島田明宏『キリングファーム』集英社文庫。
謎解きという点で不満が残る競馬ミステリー。ディック・フランシスの一連の作品レベルを期待したのは間違いだったか。
明治時代の北海道開拓団の悲劇を描いたプロローグ……時代が現代に移り、起業に失敗した主人公の祐介が北海道の風死狩牧場で働き始めてから次々と起こる変死事件、失踪事件までは面白かったのだが……
本体価格580円
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ダービー馬を育成する牧場にて、立て続けに従業員が死んでいく。藤木祐介はジョッキーの平井啓一と共に、事の真相を追うのだが……。
予想外の展開が続いたが、結末には釈然としない。
牧場とその一族によってあれだけの被害者が出ているのに、告発も通報もしないのだから。 -
島田明宏の競馬ミステリー、2冊目。
今回は、北海道は羊蹄山の近くにある生産育成牧場が舞台。
東京で仕事に失敗した佑介がそこで働くことになり、サラブレッドとの触れ合いに心洗われていくのだが、一方、人里から隔離された敷地の中では変死や失踪事件が次々と起こり…というお話。
オーナーブリーダーのことやサラブレッドの生産・育成について丁寧に描写され、競馬を知らない人でも十分に入っていけるのは前作と同様。
そうしたことも含めて前半はまあまあの展開で、巻頭に置かれた開拓時代の惨劇とどう結びつくのかもあって興味をつなぐのだが、しかし、明かされた真相や設定がなんとも陳腐な感じを否めず。
競馬ファンとしては、こういうジャンルがなくならないように、とりあえず買って読むけれど、なかなかこれはというのが出ないよねぇ…。