- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087483451
作品紹介・あらすじ
夏休みを明日にひかえた終業式の夜、立ち入り禁止の旧校舎に、一人の先生と数人の生徒が閉じ込められた。何者が。どうして。-怖くて死にそうな時間は、いつまで続くのか。でも、どこからか懐かしい気持ちが湧いてくるのは、なぜだろう…。謎と、恐怖と、友情の青春小説。平山秀幸監督・話題の映画の小説版。
感想・レビュー・書評
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’旧校舎‘という響きから醸し出される危険な香り、惹きつける妖しさ。
そして『学校の怪談』というタイトルフレーズが放つ、時代を経ても尚色褪せない蠱惑的な引力。
どうして『学校』にはあの手この手の怖い話が付きものなんだろう。
「なぜ、子供たちは夜の学校を恐れるのだろうか。」(p10)
「想像力ゆたかな子供たちは、そこに大人では見えないものを見、聞き、感じ、さまざまなこわい話を作り出すのだ。」(p11)
本作は1995年公開の映画『学校の怪談』をもとに書き下ろした作品との事。
旧校舎を巡る恐怖体験を通じて、子供たちと大人一人が大きな成長を果たすジュブナイルノベル。
ほぼ会話文から成り、ジェットコースターのように次から次へと怪異が発生し、ひたすら逃げ惑う展開が続く。
吊橋効果なるものかはわからないけど、犬猿の仲だった亜樹と研輔がちょっと良い雰囲気になるのはまあ良いとして、エピローグで回収するなりプロローグでそれとなく匂わすなりが欲しかったかな。
伸一と由美子の関係も妙に生々しい。旧知とはいえ教師と教え子の母親とが焼け木杭に火がつくのっていやらしすぎやしないだろうか。
またこれは余談だが、実際、学校の宿直制度っていつ頃まであったのだろうか。気になる。
全国の『学校の怪談』をまとめた本とかあったら読んでみたいところ。
25刷
2022.9.24詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
面白かった!懐かしい気持ちにワクワク、ハラハラした。
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小学生の頃は信じてた七不思議。怖い話とかしたなぁとか懐かしい気持ちになりました。トイレとか鏡とか見れなかったり、階段を何回も数えたり。自分と重ねながら読み進めました。鬼島さん?がちょっと可愛かった(笑)
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大人になって書店で見つけた瞬間、小学生の少ないお小遣握りしめ、たまにやってくる図書の出張販売で購入したときのことを峻烈に思い出しました。
当時公開された同名映画をそのまま小説にしたので展開が早い早い!
学校という誰もが知っている空間なので余計な修飾表現もなく読みやすいのが特徴です。
ただ大人になって読み直すと、少し物足りない。 -
映画を元にして書いてあるので、映画の映像が鮮明にでてくる。
本が苦手なわたしでもとても読みやすく、何度も読んでいる作品。
読み終わったあとは大人でよかったと思った(笑)
学校こわいもの… -
映画をもとにして書かれた作品。作品自体はSF的要素もあり、なんとなく子ども向けな感じもするが、読んでいて思うことは「夕暮れから夜の学校、誰もいない学校はやはり不気味な印象がある」ということ。なぜかはよくわからないが、そう思う人も多いのではないだろうか。だからこそ「学校の七不思議」「学校の怪談」なるものが存在するのだと思う。
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1995年に公開された「学校の怪談」のノベライズだった。学校によくあるタイプの怪談がいくつか組み合わさり、取り壊し直前の旧校舎の中に子どもたち+教師1名が閉じ込められ、怪異事件がおきるというもの。恐怖と戦う中で、最初はバラバラだった子どもたちの結束が強くなり、いつしかかけがえのない仲間になっているという爽やか系(?)ホラー。
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何だか懐かしい感じがしてとても面白かったです。
心が少しあったまるような物語でした。 -
小学生の時に読んだ、数少ない本の中の一冊。懐かしいという気持ちを大切にしたい。本書では、子供たちの楽しい思い出が沢山詰まった旧校舎がないがしろにされることで、異変が始まった。思い出は、思い出さなければ失われる。懐かしいという気持ちを大切にしたい。
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映画『学校の怪談』のノベライズだが、読んでも楽しめる。というか、もう観たのが小学生の時で覚えてないという体たらくなんですが。
立ち入り禁止の旧校舎に閉じ込められた先生と生徒たち。彼らはここから出られるのか?
これがナメたらいけない代物である。伏線はバシバシ活きてくるし、恐怖描写もなかなか。そしてホラーエンターテインメントらしい締めくくりも見事で思わず涙してしまった。