モルガンお雪 (集英社文庫 195-A)

著者 : 小坂井澄

• 集英社 (1984年7月1日発売)

感想・レビュー・書評

[heresinceさんの感想 · 2012年12月19日]

お雪さんは少し前の時代の日本美人であり、この本の表紙には彼女の若き日の姿が描かれている。この本を紹介してくれた人は、アンティークの収集が好きで、昔の主婦の友に書かれていたモルガンとお雪のお話を教えてくれた。彼にはとても感謝している。

モルガンと芸者だったお雪が出会ったのは1900年のこと。アメリカの財閥の出のモルガンは多くの日本女性が持つ慎ましさと芯の強さを合わせ持ったお雪に心を奪われる。この時代にアメリカ人と結婚し、外国で暮らすことには多くの勇気が必要だったと思う。最後まで読むと彼女の性格の魅力が伝わってきて、モルガンが彼女に心を奪われたことが納得できる。

彼女のような日本女性を誇りに思う。とても興味深い本だった。