- Amazon.co.jp ・本 (592ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087602562
感想・レビュー・書評
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キャルムーニーが伝書鳩を追いかけて迷い込んだ家。そこで見つけた謎の絨毯は魔法の世界〈綺想郷〉の入り口だった。綺想郷を守る者たちと壊滅を狙う者たちとの闘いに巻き込まれたキャルとスザンナは〈究極の殺人者〉が長い眠りから目覚めようとしていることを知る。クライヴバーカーらしさを残しつつ、目眩く空想世界が展開するダークファンタジー。バーカーは映画も撮るが絵画も描く人で、小説の描写も絵画のように伝わる見事な表現力を持っている。個人的にはアバラットが好きなので、この話はまだ粗いと思うが独特の世界を描ける筆力はさすが。
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映画「ヘルレイザー」「ミディアン」 や「血の本」
シリーズでホラー作家として有名なクライヴ・バーカー
の手によるファンタジー。
前半、魔女イマコラータが活躍するあたりはホラー描写
にあふれ、バーカーらしいダークなファンタジーである
が、絨毯に織り込まれ封じ込まれた〈綺想郷(フーガ)〉が
展開されるあたりから、どんどんといわゆる幻想小説の
方に近づいていき、最後は宇宙や創生にまで話がおよび
コズミックファンタジーにまで行き着いてしまう。
まさに著者のイメージの奔流が形になった作品であり、
それはまるで話中における絨毯の展開のように目まぐる
しく、すさまじいものだった。最初から最後まで飽きず
に一気に読めてしまう、必読の幻想小説である。
ただ惜しいのはせっかくの「異界をすべて織り封じ込め
た絨毯」という設定を活かしきれてないのではないかと
思われる点と、物語の縦糸をなすドラマが弱い点か。
まるで叙事詩のような作品というのが正直な私の印象で
あった。
想像されたものは決して失われることがない、という
のは想像力がある限り世界は無限であると同価である、
と私は思う。 -
ついに読み終わってしまった。
次はどんな冒険に出かけようか。 -
いかにもアメリカン・ファンタジー絵画って景色が浮かびます。