- Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087603934
感想・レビュー・書評
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ジンバブエで愛娘を殺された米国の女大富豪の依頼で、かの地に飛んだクリーシィ一行は、殺害者の黒犀密漁業者を斃すが、クリーシィの養子マイケルも深傷を負った。かたや香港では、黒犀の角から造られる回春剤の、発癌性を告白しようとした医師が惨殺されていた。両事件の背後には、香港の凶悪な犯罪組織の影が…
クリーシィ達の緻密な討伐作戦が始まる…緊迫する、シリーズ第4弾。
わがジュリエットとクリーシィへ
尼僧を責めないでください。彼女を騙す必要があるのはわかっていました。クリーシィ、おれはわかっていたんです。あんたがおれにした約束は、あんたがきっと守れなくたった一度の約束だってことを。あんたはおれの頼みを実行できないだろうし、おれは自分の気持ちが絶対変わらないのを知っていたんです。不機嫌で根性の曲がった車椅子のあの女をこの数日見ているうちに、あの暗さがおれに乗り移ってしまったのかもしれません。
あんたとの歳月は短かったけれども、充実していました。おれが最初に考えたものよりはるかにましな日々でした。その歳月は、クリーシィ、あんたからの贈り物だったんですね。
ジュリエット、おれの分まで長生きしていくれ。 マイケル
マイケル死んじゃった…
ジンバブエでの作戦中、マイケルが背後から撃たなかったらクリーシィやマキシーもかなりの手傷を負うことになったであろうことは間違いないだろうし、情報を得たマイケルが現場に行くのはごくごく自然な流れだと思うのです。
でも…脊髄に損傷を受け、下半身麻痺となったマイケルが自ら死を選ぼうとは……
マイケルにもっと長生きして欲しかったよ。
身体は不自由になっても、もっと別の生き方、楽しみ方があるってことを知って欲しかったよ。
そんなマイケルの復讐戦ともいえる香港での作戦で、フルメンバーともいえる豪華メンバーが集結して、その作戦も成功をおさめますが、マイケルを失ったクリーシィ、ジュリエット、そして仲間たちの心を思うと涙が止まりません。
人間はとても大事な何かを失ったとき、心の傷を少しでも癒すために時間が必要なのです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
クイネルは、一気に読ませる力を持っている。
とりわけ、クリーシイの存在感は、
圧倒的なものがある。
黒犀の角が、精力の回復に力があるという。
しかし、それは、発ガン性物質を含んでいると
いうことが解明され、それがジンバブエー香港を結ぶ、
大きなシンジケートにつながっていく。
三合会(サムハツホイ)は、香港のヤクザである。
やはり、武力としての展開をきちんとしていくうえで、
きわめて重要な役割を果たしている。
マイケルが、脊髄を貫通される。
その事で、下半身が、不随となるが、
自分の将来を描くことができず、自ら命を絶つ。
そのことの伏線が、様々な形で描かれる。