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- Amazon.co.jp ・本 (624ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087603996
感想・レビュー・書評
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ローリー・キングが新たな挑戦を見せる一冊。
宗教学者のアンは、FBIの依頼を受けて、カルトに潜入捜査することに。
危険な仕事に緊張しながらも、のめりこんでいく…
じつは18年前、夫と幼い娘を集団自殺で失った過去があり、自分の離脱が引き金となったという罪悪感から、何かしないではいられないのでした。
一見おだやかに暮らしているコミュニティにさりげなく参加し、指導者に近づいていくアン。
思いがけなく亡き娘アビーにそっくりな少女に出会い、その兄で生命力に溢れながら殺人者になりかねないような目をした孤独な少年にも強く惹かれます。
難しい題材だと思いますが、この二人への愛情が物語を救っています。
閉鎖的な集団のはらむ危険性も、こういう時に暴走していく傾向があるなどと研究が進んでいる様子なのが、アメリカでは事例に事欠かないからでしょうか。
作者も宗教学者であり、痛みを知る大人の女性としての共感が感じられます。
果敢に行動するアンを冷静な文章で描き、魂の再生を描いた物語。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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