- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087605563
感想・レビュー・書評
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生まれて、生きて、死んでいくというただそれだけのことをここまで魅力的に描く。圧巻でした。
“おとぎの国へ”の道を選ばず、“科学と現実の国へ”を選んだシートンの、それでも溢れ出るロマンチックな自然愛が素晴らしかった。
時に狩りを通してオオカミと鎬を削り合い、時に熊の一生を傍らで見守り、時に巨人の博物学者になり、時に自然の真髄に近づいていく…人間と自然の距離感が話によって全く異なってくるのもとても面白かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
狼王ロボとワーブの話はきっと小学生の頃に読んだことがあるんだけど、感想が全然違うのにびっくりした。感想文のための読書と楽しむための読書って全然違うんだなと。
物語ではあるんだけどまったくファンタジーでは無いところが好き。ファンタジーの道を選ばずに科学と現実の道を選んだシートンならではだと思うし、訳者のリスペクトあっての面白さ。 -
表題『狼王ロボ』が切ない
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文字のポイント数が大きく非常に読みやすい本でしたね。シートンによるイラストも生き生きとした動物の姿を見事に描き出していて素晴らしい限り。
私の子供の頃のヒーローはファーブルとシートンで、小学校2年生の頃にシートン動物記は読んでいたのですが、久しぶりに読んでみると・・・内容をすっかり忘れていました。
本作には4つの物語が収録されていますが、この中で覚えていたのは表題作「狼王ロボ」のみ。やっぱりロボは印象深いですね。 -
人でも動物でも「死ぬ」っていうのはやっぱり悲しいことですね。ブランカが死んで、その時のロボの気持ちとか、妻を殺された雄ジカとか・・・もう切なかったです。
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表題作を知ったのは小学生の頃。記憶にはあったが興味はなかった。が、ある時、懐かしさから本書を購入。初めて読むシートン動物記は、想像していた生態学ではなく、博物学と言える筆致で当初は戸惑った。生業として狩猟をする訳ではないシートンが、野生生物の命を絶つことに罪悪感を抱いていることを感じさせる文章。訳者も解説で反動物園・水族館を標榜している。その気持ちは分からないではない。多くの人は、他の動植物の命を貰って生きている。しかし、多くの人は命のやり取りから遠く離れた場所で生きているのだという思いに駆られた。
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飼われているものとは違う、野生ならでは動物たちの生きざま。
気高さ、知恵、生命力。
非情さを含め、それらを通して、自然に対する畏敬に包まれた4編。
実際にこういう動物たちと出会えたならば、なんて貴重で幸せな瞬間だろうとうらやましく思いつつ読了。
シートン氏の描いた絵も多く掲載。 -
表題の狼王ロボの他、様々なアメリカの野性動物が出てきます。
シートン自らが関わった動物だけでなく、恐らく取材して?描かれたものもあるようです。実は柳広司さんのシートン探偵記つながりで、久々に、しかも初めて大人向け(笑)の本で読みました。素晴らしい作品です。図書館では、なんと地下書庫保管になってきました。勿体ない、いや、保管してあることに有り難かったというべきですね。感謝。