- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087606423
感想・レビュー・書評
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世界一の先進国アメリカでついこの間といってもよいぐらいの時代に人種差別が堂々と行われていたんだ。
しかも日本に憲法を与えた後で。
人間の業の深さが切なくなる。
しかも女社会なので、白人の気持ちも黒人の気持ちもよくわかっちゃうんだよね。
「白人のレディの方が男たちよりひどい」というような描写があったけれどなるほど。
映画版SATC2を見たときに、日本人はあまりベビーシッターを雇わないからあまりピンとこなかったけれど、アメリカはベビーシッターが当たり前なんだという納得がやっといった。
母に原作本を読んでいると言ったら「原書で?」と言われて悔しかったので原書でも読んでみたい。訳者のせいか原文のせいか文や語句に違和感がのこる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
エイビリーンが愛情かけて育てる、幼いながらも賢くかわいいメイ・モブリー。彼女の物語も読んでみたいような気がします。
それにしても、人種差別やDV、不器用な恋愛や親子関係などの問題の中で、スキーターとエイビリーン達による1冊の本によってそれぞれの人生が変わり、成長していくのを見るのはわくわくしました。ミニーとシーリアの章は、二人に相手を思いやる気持ちが芽生えてくる様子が微笑ましくてとても好きです。 -
苦手な海外小説を克服。文章は少し未熟ながら、黒人を尊ぶことは周りから蔑まれた目でみられることが当たり前の時代のアメリカにおいて、その事実をありのまま本として出版することは命がけのことであろう。その危険を顧みず奴隷制度に異議を唱えたスキーターとエイビーリーンヘルプたちの勇気にとても感動した。
アメリカらしいジョークも新鮮だった。 -
下巻も一気に読んでしまいました。
下巻の方がより筆がのっている感じがします。
スキーターはヒリーに喧嘩を売っておきながら、ヒリーが冷たい目で自分を見たり、村八分にすることを悲しみます。
心の中で、それは十分予想できることだろうとつっこみながら、そこが人間らしいと言えば人間らしいです。
ミス・シーリアとミニーのやり取りはこの物語にスパイスを添えてくれます。個人的には、ジョニーが何故ヒリーではなく、シーリアを結婚相手として選んだかをもっと書き込んでくれたら、より深みが出たのではないかと思いました。
シーリアは今風に言うと、いわゆる“天然”ですが、きっとヒリーより容貌が美しかっただけではなく、ヒリーにはない何かを持っていたであろうから。
エイビリーンとメイ・モブリーのエピソードは好きです。
幼いながらも、大人以上に智恵のあるメイ・モブリー。
自分の子どもには、きっとエイビリーンのように言い聞かせたいと思いました。
もともと映画が良さそうだったので興味を持った小説でしたが、当たりでした。
映画もいつか観てみようと思います。 -
スキーター以外の白人人格による一人称の表現進行が無かったので、
被差別民(黒人)寄りに偏った視点でストーリーを追ってしまう傾向がありました。
ヒリーが悪の象徴のように描かれているので、
彼女が凋落する様を見たい!という偏屈な欲望を抱えながら読んでしまったりと、
勧善懲悪の期待が芽生えてしまい、
一方で、読む前から最も期待していた
「当時の人種問題を多角的に知る・考えること」の程度は薄かったです。
とはいえ、とても面白い小説。
・自立できず何も成し遂げていないスキーター
・幼く無垢なメイ・モブリー
この2人の女性が、
エイビリーンの高潔と愛情に感化されながら成長していく物語、
として捉えると 、とても楽しく読了できました。 -
最後は感動( ̄^ ̄)本が売れたからといって、差別がなくなるわけではないけど、そのなかで、差別を越えて絆があるところもあり、ちょっとづづ今にむかわって代わってきているなと感じた。
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そういえばトムとジェリーに出てくるメイドさんも黒人だったなあとか、NHKのドラマで放映されていたドクタークイン(もっと設定時代は古いけど)、KKKの黒人に対する制裁なんかがたくさんでていたなあ...と思い出しながら読んだ。人種差別というアメリカの暗い側面、今でも残っていないとは言い切れないと思う。日本に生きているとその感覚はきっと理解できないと思うのでこういう本は貴重だと思う。