アウシュヴィッツの図書係

  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087734874

作品紹介・あらすじ

1944年、アウシュヴィッツ強制収容所に作られた秘密の図書館。本の所持が禁じられているなか、図書係をつとめる十四歳のユダヤ人少女ディタは、命がけで本を隠し持つ。実話に基づいた感涙必至の大作!

感想・レビュー・書評

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  • 世界はこんなにも良書に溢れているのに
    人はなぜ『本』から学ばないんでしょう

    ホロコーストなんてものが人間の発想なんてことがにわかには信じられないんですが史実なんですよね
    推計で600万人(諸説あり)ものユダヤ人が犠牲になったとも言われていて
    悪魔だってもう少しマシなんじゃないかと思わせるほどです

    よく「悲劇は二度と繰り返すな」などと言われますが今ではもう映画の宣伝に使われるだけの言葉になってしまったようです

    本作は悪名高きアウシュヴィッツ収容所に実在した8冊だけの秘密の図書館の物語でフィクションを元にしています
    このタイプの作品を読んでいつも思うのは歴史の持つ圧倒的な力ですよ
    「本当にあったこと」が持つ有無を言わさぬ説得力

    そしてやはり本作が他のホロコースト関連の物語と違うのが『本』を題材にしてるところです
    本好きなら誰でも一度は思ったようなことがより鋭角的に表現されています
    『本』の持つ力がよりハッキリと感じられます

    ですが現実の世界を見た時にやはり『本』の持つ力には限界があるのだなぁ…と悲しく思ったりするのです

    そしてそしてやっばり本を粗末に扱う奴はディタに怒られろ!と思うのでした

  • 図書館は今や薬箱。シロップをちょっぴり子供たちの口に入れてやろう。

    1944年、アウシュヴィッツ強制収容所内には、国際監視団の視察をごまかすためにつくられた学校が存在し、そこに秘密の“図書館"があった。命がけで本を愛し、本を守った、図書係少女ディタの実話に基づく物語。

    今まで映画や本で見てきたものの中で1番凄まじいアウシュビッツだった。
    繰り返される命の選別に何度目を閉じただろう。どれだけの命が簡単に残酷に奪われたのか。
    読むのが辛い毎日だった。

    彼女たちの罪はただ、ユダヤ人だということ。どうしてそれが罪になるのだろう。
    本を持っているだけで処刑。どうして本は危険なものとされるのだろう。
    戦争は戦場だけで行われていたのではない、もっとひどい戦争がアウシュビッツでは行われていたのだ。

    「ここには紙の本が八冊と『生きた本』が六冊あります」
    「生きた本」子供たちのグループを順番に回り、ほとんど暗記している物語を話して聞かせること。

    私も「生きた本」になって物語を話せたら。その為にもこれからもたくさんの本を読んでいこう。そして、拙いながらも感想を残していこう。

    ディタの母親の気持ちがよくわかり泣けてくる。娘の幸せだけを願う。こんな時こんな所だからこそ強く願う。

    平和、自由の大切さ、命の重み、そして、本の持つ力と素晴らしさ。「本を開けば世界のどんな所にだって行ける」事をディダに思い出させてもらった。

    著者のあとがきがまた凄い。物語の続きのようである。その後の人々やディタの知りたかった真実もあり。

    • あいさん
      うさちゃん♪

      こんにちは(^-^)/

      これはきつかったね。
      どんなに頑張っても頑張ってもって感じ。
      とてもリアルでね、私何...
      うさちゃん♪

      こんにちは(^-^)/

      これはきつかったね。
      どんなに頑張っても頑張ってもって感じ。
      とてもリアルでね、私何にもわかってなかった。
      こんな私が読んだからって何ができるのだろうって落ち込んだよ。

      そんな中「生きた本」って言葉に救われた気がする。
      本当にいい言葉だよね。
      いつかパワーがある時に読んでね〜

      映画は親に愛されない子供たちの話で。
      でも、ホームは園長をはじめとても暖かくて、愛してくれるのは親じゃなくてもいいんじゃないか、素敵な居場所があればいいんじゃないかって思ったよ。
      あのお人形が映画にとてもあっていたよ。

      うさちゃん、読むのが速いから感想がたまるよね。
      私も本と映画の感想で時々わちゃわちゃしてしまうよ(笑)
      wowowでも結構映画見てるのでね。
      「AX」の感想楽しみ〜♪

      それでは、またねー
      2018/04/08
    • ひとしさん
      けいたんさんこんにちは!
      けいたんさんのレビューを読んでこの本を読みたいと思い、昨日やっと読み終えました。長かった(^^ゞ
      楽しい内容で...
      けいたんさんこんにちは!
      けいたんさんのレビューを読んでこの本を読みたいと思い、昨日やっと読み終えました。長かった(^^ゞ
      楽しい内容ではないので、読むのが辛く、時間がかかってしまいました。
      普段あとがきは読まないのですが、けいたんさんのレビューを読んであとがきを読むとびっくり!絶対あとがきを読まないと損してしまいますね!
      2018/05/09
    • あいさん
      ひとしさん♪

      コメントありがとうございます(^-^)/
      私のレビューからというのが嬉しくてたまりません。ありがとうございます♪
      ...
      ひとしさん♪

      コメントありがとうございます(^-^)/
      私のレビューからというのが嬉しくてたまりません。ありがとうございます♪
      長く辛かったですよね。わかります。
      こんなことが本当に起こっていたのですね。
      あとがきびっくりですよね!色々考えてしまって苦しかったです。
      いつもはあとがき読まないのですね。それはお役に立ててよかったです!
      また良き本で出会えるのを楽しみにしています (^o^)
      2018/05/10
  • アウシュヴィッツ=ビルケナウ。
    移送された者はすぐに振り分けられ、弱者はそのままガス室に送られ、生き残った者は死ぬまで強制労働をさせられるという死の施設。
    その一角に、家族収容所があった。そしてそこには学校があって、禁止されている本の管理を託された図書係の少女がいた。
    飢えと死の恐怖がはびこる悲惨な現実の中、わずか8冊の本と生きた本(語り手)から語られる物語の世界は、人々の救いとなり、希望を与え続けた。

    読みながら胸が痛くなるような厳しい現実の中にあっても、物語の世界に浸る喜び、新しい世界を知る喜びは、何ものにも奪われるものではないことを教えてくれる。

    事実を基にしたフィクション。
    でも、ノンフィクションの部分がほとんどなのかも知れないという印象を受けます。

    基本的に戦争モノは好きではありませんが、「図書係」という言葉に魅かれて読み始めました。

    図書係になったディタが、本の中に自分の世界を広げる喜びが痛いほど伝わります。
    そして、大勢の仲間と最大の指導者ヒルシュを失い、自分たちの未来の希望さえ失いかけていた時にも、彼女は物語の力で周りに笑顔を取り戻させます。

    ただそこに来た人たちが持っていたものをこっそり集めただけの、寄せ集めの8冊の本が、多くの人たちの心の拠り所となり、結果として命の炎を保つ働きをしていたとは。
    本の持つ力の大きさを強く強く感じます。

    あんまり悲惨な状況に胸が痛むので、小学生にはお薦めしませんが、主人公は14歳の女の子。YAならイケるでしょう。

  • アウシュヴィッツ...もちろん名前は知っていた。

    そこはナチスによってユダヤ人が大量虐殺された強制収容所。

    有名なのは「アンネの日記」。

    その程度の知識です。

    本書は史実をもとに書かれたフィクション作品。

    8月は先の大戦に関する書籍を何冊か読むようにしています。

    本書で主人公として描かれる少女の名はエディタ・アドレロヴァだがそのモデルとなった実在の少女の名はディタ・クラウス(旧姓ディタ・ポラホヴァー)。

    あの戦争を生き抜いた人々は多くの方がその生涯を閉じていかれているのも事実。

    二度とあの悲惨な歴史を繰り返さない為に、思い出したくない辛い過去だと思いますが、少しでも後世に伝えていく為に形ある物として残して頂ければと思います。

    その史実を見聞きすることが多くの犠牲の上に今を生きる我々の務めであり、二度と悲劇を起こさない責務だど改めて思いました。



    説明
    内容紹介
    絶望にさす希望の光。それはわずか8冊の本――実話に基づく、感動の物語

    1944年、アウシュヴィッツ強制収容所内には、国際監視団の視察をごまかすためにつくられた学校が存在した。そこには8冊だけの秘密の“図書館"がある。
    図書係に任命されたのは、14歳のチェコ人の少女ディタ。その仕事は、本の所持を禁じられているなか、ナチスに見つからないよう日々隠し持つという危険なものだが、
    ディタは嬉しかった。
    彼女にとって、本は「バケーションに出かけるもの」だから。ナチスの脅威、飢え、絶望にさらされながらも、ディタは屈しない。
    本を愛する少女の生きる強さ、彼女をめぐるユダヤ人の人々の生き様を、モデルとなった実在の人物へのインタビューと取材から描いた、事実に基づく物語。

    著者略歴:アントニオ・G・イトゥルベ1967年スペインのサラゴサ生まれ。文化ジャーナリズムに携わって20年になる。日刊紙「エル・ペリオディコ」のテレビガイドのコーディネーター、映画雑誌の編集者などをつとめる。

    内容(「BOOK」データベースより)
    アウシュヴィッツ強制収容所に、囚人たちによってひっそりと作られた“学校”。ここには8冊だけの秘密の“図書館”がある。その図書係に指名されたのは14歳の少女ディタ。本の所持が禁じられているなか、少女は命の危険も顧みず、服の下に本を隠し持つ。収容所という地獄にあって、ディタは屈することなく、生きる意欲、読書する意欲を失わない。その懸命な姿を通じて、本が与えてくれる“生きる力”をもう一度信じたくなる、感涙必至の大作!
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    イトゥルベ,アントニオ・G.
    1967年スペインのサラゴサ生まれ。文化ジャーナリズムに携わって20年になる。日刊紙「エル・ペリオディコ」のテレビガイドのコーディネーター、映画雑誌「ファンタスティック・マガジン」の編集者などをつとめる

    小原/京子
    翻訳家・エッセイスト。山口県出身。上智大学外国語学部イスパニア語学科卒業。在京スペイン大使館で23年間、翻訳官、文化広報担当として、日本におけるスペイン文化の普及・啓蒙に携わる。イサベル女王勲章オフィシャル十字型章を受章。ベネズエラ、コスタリカを経て、現在スペイン・マドリード在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • 真っ暗闇のひどく辛い状況の中でも、本を開きその世界に入り込むと灯りが灯った。
    彼女の小さな図書館はマッチ箱だ。

    ユダヤ人が大勢収容されているアウシュヴィッツ強制収容所。
    過酷な監視下にあったにもかかわらず秘密の小さな図書館が存在した。
    そこにあったのは8冊の本。
    たった8冊?…いや、そんなひとくくりの数字では簡単に言い表せない。
    常に死と隣り合わせの状況の中、その一冊一冊が命懸けで守られてきたのだ!
    本の管理を任された図書係の少女ディタにとってこの貴重な本達は、恩師であり友であり宝物であり夢であった。
    最悪の状況下でも夢も気力も、ほんの少しのユーモアをも忘れない。
    本という小さな希望を胸に秘め、生き抜く!

    本は病気を治す薬でもなければ空腹を満たす食べ物でもなく喉の渇きを癒す水でもない。
    生きていくために必要とされるものではないかもしれないけれど、本は人を豊かな気持ちにさせてくれるものだということを改めて教えて貰った。
    思わず目を背けたくなる描写に何度も挫けそうになったけれど、この本を最後まで読めて良かった。
    そしてモデルになられた女性が今もご健在で88歳!それが何より嬉しい!

  •  独裁者は、本を取り上げる。
    考える力は、どんな武器よりも怖いから。
     本を守るということは、考える自由を守るということ。
     ディタは14才でそれをやり遂げる。
     私がいるのは、戦時なんかじゃない日本。でも考えたくないことから目を背けてる。今まで何度も本に力をもらってきたけど、この本は、ほんとに強く、背中を押してくれます。

    • あいさん
      はじめまして(*^^*)♪

      突然すみません。この本購入しているのですが、本の厚さ、字の小ささから本棚からなかなか出てこられません。この...
      はじめまして(*^^*)♪

      突然すみません。この本購入しているのですが、本の厚さ、字の小ささから本棚からなかなか出てこられません。この本は読むのにパワーがいるでしょうか?

      nohohonさん感想からは本へ対する愛情が感じられてとても素敵です。
      2018/03/17
    • nohohon08739さん
      はじめまして。本が本当に好きなので、とても嬉しいコメントです。ありがとうございます。

      背景が重いので、読み始めるのにはパワーが必要かと...
      はじめまして。本が本当に好きなので、とても嬉しいコメントです。ありがとうございます。

      背景が重いので、読み始めるのにはパワーが必要かと思います。ただ、読み始めてからは、自転車の変速機の一番重いギアでこぐのと同じように、加速しはじめたら巻き込まれるように最後まで行ってしまいます。読んで後悔しない本だと思います。
      2018/03/17
    • あいさん
      早速の返信ありがとうございます。

      背景重いですよね…アウシュビッツの話は映画「ライフイズビューティフル」を見てから少しずつ追っているテ...
      早速の返信ありがとうございます。

      背景重いですよね…アウシュビッツの話は映画「ライフイズビューティフル」を見てから少しずつ追っているテーマなので頑張ります。

      今日から読んでみようと思います。
      しばらくは重いギアですが、最後はすごいスピードで走り切れるように、楽しんで読みます♪

      本当にありがとうございました。フォローさせてください。
      2018/03/18
  • アウシュヴィッツ関連の話は避けて来たけど、怖いからと言う理由で真実から目を背ける事は果たして良いのかなと感じ始めて、この本はとっつきやすいかと思い、読んでみた。
    でもやっぱり辛かった。私はいつ終わるか分かっているけど、終わりが見えない中のこの生活は絶望感しかない。それでも本は人の心を癒してくれる。人の心を束縛する事は出来ない。
    被害者加害者全ての人から戦争は夢や希望を奪っていく。ドイツの女性看守も元々は美容師を目指していたのに、今は毎日人殺しをしていると言うくだりは切なかった。
    最後はハッピーエンドでホッと。しかもいまだご存命なのはすごい。強烈な体験をした後でも、人はそれを乗り越えて幸せになれる。主人公が芯が強くて明るいので、救われた。

  • いつも評価の星を付けるけれどこれはちょっと付けるのに躊躇してしまう。
    所々に年月日が書かれていてその都度「早く45年になってくれ」と思いながら読んでいた。
    読んでる私から見たら戦争は45年で終わる。という事を初めから知ってるからこういう読み方になってるのだけど、当時の人からしたら終わりなんてみえない、いつ終わるか判らない状況の中あの想像を絶する環境に身を置かされていた。「1秒でも長く生きる」その事がどれだけ難しい事か。
    その中で主人公の少女は8冊の本を守り抜いた。
    たかが本、されど本。
    生きる希望・精神的な支柱になっていた本。
    ディタのヒーローであるフレディ・ヒルシュ。
    あんな別れが待ってるなんて。
    ディタとマルギットの友情。
    解放された時2人が交わした「またね」の言葉が本当の意味で使えた事がとても嬉しかった。
    戦争は根こそぎ奪って行くものでしかないね。
    得るものなんて何もない。

  • 初めの数ページを読んだだけで、名作だと思える本に出会うことがある。
    その一冊が本書だ。

    本書は、「アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所に送られた少女(中略)の実話をもとに書かれた小説」(訳者あとがきより)だという。
    今は、「遠い過去」のあの時の物語.......。
    その事実に衝撃を受けた。
    アウシュヴィッツといえば『アンネの日記』がすぐに思い出されるが、本書は、それに匹敵する。

    たった8冊の図書館。
    それから生きている「本」である先生たち。
    それを守るため、主人公ディタは知恵を働かせ、勇気を持って駆け回る。
    しかしそのよき日は決して永遠に続くわけではない。
    心ある大人たちが守ってきた日々は、悪意を持って終わりを迎えさせられる。
    人々は、焼却炉で、焼かれた。

    ディタはその悲劇からは逃れた。
    不合格になり、焼却炉送りのはずの母とともに。
    助かった?いや、移送先はさらにひどい場所だった。
    恐ろしい看守は元は美容師だった。
    ディタは、もし戦争が起きなかったら、と想像する。
    恐ろしい看守に「人」を見ていた。

    恐怖の日々を終えたディタは、後世のために体験を伝えることにした。
    アウシュヴィッツの、図書係として。

    世界を見れば、残虐行為は今も続いている。
    日本人だって、かつては人を殺した。
    それを否定はできないし、目を背けるべきではない。
    戦争とは、人を変えてしまうもの。
    なぜ起きたのか、起こさないためにはなにをすべきか。
    それを考えることなく、誰かに責任を押し付け、蔑み、自分と切り離そうとするならば何度でも同じ間違いを犯すだろう。

    ドイツ人はきっとこれからも、過去の罪と向き合わざるを得ない。
    それは、現代に生きている人々にとっては辛いことだろう。
    時には、いつまで過去の亡霊に縛られなければならないのだ、と反感の気持ちも持つだろう。
    私たちは、断罪すべきではない。
    私たちがすべきことは、過去を学び、過去を知り、未来の礎を積むことなのだ。

  • 実話に基づいた創作ということで、アウシュヴィッツでの出来事とは思えないほど平和な展開が続く。特に驚いたのは、登場人物たちの気持ちに余裕があるという点だ。ビルケナウ収容所の家族棟にいる人たちは労働から逃れられ、大人から学べる時間があり、時には恋愛をしたり外見を着飾るという、信じられない内容である。最後のほうで主人公がベルゲンベルゼンへ移送されてから、ようやく物語が現実味を帯びてくる。だがこれも数十ページで終わる。途中でシュロモ・ヴェネツィア氏、アンネ・フランク姉妹の話が混ぜ込まれているので、著者は彼らの物語を知っているはずである。特にシュロモ氏は壮絶な体験をしているため、それと比較すると家族棟での出来事はすべて非現実的に思えてしまい、フィクションを楽しめなかった。

  • 実話をもとに小説化した作品。
    アウシュビッツやユダヤ人の迫害について、さまざまな作品があるが、図書係がいたとは初めて知った。
    日本の戦争体験もそうだが、何人、という数の裏には一人一人違った経験がある。みんなが生きている人間であり、それぞれの人生があったことをこうして思い出していかなくては、いつまで経っても戦争は無くならないのではないだろうか。そこには文学の力も必要だ。
    また、厳しい生活の中で、楽しい経験を頭の中でできるのは本があるから。本がなくても読んだ本のことを思い出して楽しむ。文学にはそういう力がある。このcovid19 によってそういう楽しみを奪われた時、その力がいかに生活に浸透していたかを知った。

  • アウシュヴィッツ=ビルケナウ(アウシュヴィッツ第二強制収容所)のBⅡb家族収容所。そこには、青年フレディ・ヒルシュが密かに運営する学校があり、蔵書たった8冊の秘密図書館も併設されていた。

    ヒルシュから図書係に任命された14歳の少女ディタ。一切の図書が禁止された収容所において、看守らに見つからないよう蔵書を隠し持ち、日々先生らに貸し出すのはとても危険な役目なのだが、勝ち気なディタは、その役割を命がけで果たそうと決心する。

    ボロボロになった本を慈しみ、丁寧に修繕するディタ、本の世界に入り込むことで悲しい出来事に耐えていくディタ、死の恐怖と飢え、過酷な労働と伝染病蔓延という極限状態の中希望を失わず生き抜いたディタの逞しい姿に、ただただ感動した。

    本書は、実話を基にしたフィクションということなので、多少の脚色はあるものの描かれていることは基本的に史実。救いのない収容所の悲惨な日常には読んでいてやるせなさが募るが、ナチスによるこうしたユダヤ人迫害の史実にはきちんと向き合う必要があると思った。ミュンヘン郊外のダッハウを訪れた時には、ここまでリアルにイメージすることはできなかったな。

    H・G・ウェルズの『世界史概観』、アレクサンドル・デュマの『モンテクリスト伯』、ヤロスラフ・ハシェクの『兵士シュヴェイクの冒険』、読んでみたくなった。

  • ブクログ通信で紹介されていて手に取りました
    実話を元にしたフィクション
    アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所に
    1943年9月と12月に到着した囚人たちが、家族収容所(31号棟)に特別収容されていた。そこには若き指導者アルフレート・ヒルシュが建てた学校があり、本を所持することも危険だった収容所で、たった8冊だけの秘密の図書館があり、その図書係をしていた14歳の少女ティダを中心に、地獄の収容所のお話しが展開される
    アウシュヴィッツはあまりにも有名な惨劇の場で
    有名な『アンネの日記』からテレビの特集などでも年を追うごとに新しく詳しい惨劇の話を見聞きすることもあったが
    “絶滅収容所”ということばをこちらの本ではじめて聞いて、改めて恐ろしさを感じてしまいました
    戦争を知らない世代で、日本という国で育ったので
    人種間で対立(至上主義で絶滅させようとするとか理解できない)や宗教観など想像できにくく、
    なぜここまでしないといけないのか、到底理解できるものではない
    日常(?)通常では絶対に悪だと思われることでも
    悪を正義だと思って、そうしなければならない状況になると
    人はどんなことでもするという恐ろしいこと。
    ここまで酷い環境を同じ人間に対してつくれる人間という生き物・・・本当に恐ろしい生き物

    模範囚でレジスタンスの囚人たちが集まって情報交換をする場面で、ガス室の担当をしている子が
    「神様、どうかお許しください・・・」と何回もいいながら、ガス室での様子や自分の行っていることを報告する場面
    9月到着組の6ヶ月後の特別処理
    ディタの「真実が戦争の第一の犠牲者かもしれない」ということば
    ディタが最後に送られたベルゲン・ベルゼン強制収容所では、『アンネの日記』のアンネと姉の最後の日の記載もあり
    1945年の終戦の知らせがされた時の、想像を絶する収容所の悲惨な状況
    最後に、著者あとがきで、著者が執筆した経緯の中で、モデルとなったディタ・クラウスと出会い、アルフレート・ヒルシュのモデルになったフレデイ・ヒルシュの最後の真実
    ヒルシュは汚名をきせられていたということ
    が特に印象深かった
    『アンネの日記』に続くアウシュヴィッツの出来事と本の存在意義を伝える良書だと思いました

  • 実話を基にした お話です。
    アウシュヴィッツから 生きて出られるという奇跡
    そして アウシュヴィッツで 正気を保てたのは
    本という 心の支えがあったから・・・・

    当時 本は 回収されてしまっていたけど
    必死になって 隠し持っていた
    よれよれになってしまった本が
    子供たちにとって 笑いや 感動を与えてくれた・・・・

    アウシュヴィッツについての本では
    以前読んだ 夜と霧でも そうでしたけど
    生き残るには 心が大事でした。
    食べるものがなく 病気が蔓延している中で
    生きていくのは どれだけ 大変なのか 想像もできませんが 本を読む事で 少しでも 悲惨な事を 理解できます。

    この本は 夜と霧よりも 読みやすいので
    多くの人にも読んでもらいたいと思いました。

  •  恥ずかしい話だが、私はこれまで『アウシュビッツ』や『ナチス』といった言葉はなんとなくは知っていたが、きちんと理解していなかった。
     この本を読むにあたって、背景を掴まないことにはしっかりと内容が入ってこないので、自分なりに調べてみた。すると、そこには目を背けたくなるような恐ろしい現実があった。常に死が目の前にある現実。

     そんな現実の中で、本書に登場する少女ディタ。彼女は小さな図書館の図書係をしている。蔵書は8冊。その8冊を監視に見つからないように管理している。見つかれば容赦ない仕打ちが待っている。もしかしたら殺されるかもしれない恐怖に向かい合いながら、心の栄養を提供していた。
     ここの図書館では、この8冊の本以外に『生きた本』がある。それは、先生たちが語ってくれる物語だ。
     明日死ぬかもしれない状況で、こうした本たちはどれほど心の救いになったことだろう。

     本書にはあまりにも悲惨な現実が綴られている。しかし、読者が暗くならずに向き合えるのは、ディタの真っ直ぐで前向きな姿勢が希望を感じさせてくれるからだろう。

    それにしても、今から約75年前の世界でこのような残虐なことが起こっていたとは信じられない。そこでは、およそ東京の人口くらいの人が殺されている。ただ殺されるだけではなく、重労働を強いられ、1日にパンのかけらと水っぽいスープを与えられるだけの生活。寝るのもシラミだらけの布団と、上から排尿やらが垂れてくるベッドに知らない者同士で重なり合うように寝る。殺されるまでもなく、病気や過労死、栄養失調などによる死も多い。人間が、同じ人間にそのような生活を強いる。ただ、ユダヤ人というだけで。

    これは、ノンフィクションに少しだけ肉付けされて出来上がった小説である。この小説を読んだ方は、必ずあとがきまで読んでいただきたい。もう一つの物語に愕然とし、涙することになるだろう。
    この小説を世に送り出し、英雄であるフレディ・ヒルシュの名誉を守った著者に精一杯の拍手を送りたい。

  • 昨年ブクログで、海外小説部門大賞で尚且つ
    昨年からなんとなく読み漁ってる
    アウシュビッツビルナケウ強制収容所が舞台の本。
    あー、この本を読んでから「否定と肯定」を読めばよかったなと思ったけどまぁいいか。
    実話半分、フィクション半分らしく
    主人公のディタはまだご存命だという。今年89歳なのかな、たぶん
    家族収容所(国際的な批判を避けるために作った外部に見せるための収容所)で生活してて
    見つかったら殺されるナチスの目を盗んで8冊の本を管理する図書係のディタ。
    教育することも許されないわけだけど
    そんな多感な時期の子ども時代を収容所で生活してて
    もう終始劣悪な環境すぎて、読んでいるのが辛くなってくる。
    食事も衛生状態も最悪だけどそんな時に本って読むだけのものだけど
    人を豊かにするものなんだなーとつくづく思う。
    心のゆとりというか、なんというか。

  • 感動ってなんだ…。
    ノンフィクションじゃなくて、フィクションで肉付けされているというところに、過去の惨劇を伝えたいだけではない何か(ちょっとした冒険譚とかカタルシスとか…)があるんだろうと思ったけど、あまりにも予想通りの重さと、展開の無さに、2度ほど途中でやめようかと思った。
    結局最後まで読んだけど、「読んでよかった」とは思わなかった。
    薄情と捉えられるのかもしれないが、戦争モノというのは、概してそういうものなのかな、とも思ってしまった。

  • 「記憶は弱者にあり」
    を改めて思い起こしました。

    筆者がジャーナリストであったことが
    大きく影響しているのでしょう
    実際にアウシュビッツに行って、偶然に(必然に!)出遭うことになった一冊の本
    ーこの小説のモデルになったホロコーストを生き延びることになっ一人の無名の作家がホロコーストの体験を基に書いた小説
    から、すべてが始まっている。

    もう、この出会いから すでに 物語が始まった。
    といってもいいでしょう。

    そのホロコースト博物館の売店では、事実を知らしめるための一冊の小説に過ぎなかったのでしょうが。こうして、素晴らしきジャーナリストの手に渡り、しかも一編の物語として編まれたときにまた新たな 歴史の証言者として生まれ変わった。

     実際の事実をもとに、優れた映画が生み出されることがままある。
    その時に感じる深い衝撃と深い感動を覚えました。

  • アウシュヴィッツには生半可な気持ちで行ってはいけない。昔、ポーランドに旅行する際に読んだガイドブックにそう書かれていたことを思い出した。

    実話に基づいたフィクション。だけど真実が垣間見える。読んでいた沸き起こった感情や情景。作中にもあるように、「本は別の世界へ連れてってくれる。」そう、知らなかった世界へ。

    戦争は人の心を蝕む。それでも本はどんな地獄でも希望の種になる。本当に勇気ある人は怖がる人。心強いユダヤ人リーダー、フレディ・ヒルシュはどれだけの人を救ったか。そして図書係エディタ。今も彼の意志を引き継いでいることは十分伝わる。

    この本読むと杉原千畝のやったことがいかに神がかりであるかを実感する。

    あんな狂気の世界を二度と作ってはいけない。

  • 確か「チャリング・クロス84番地」にこの本が登場して、気になって図書館で借りました。
    アウシュヴィッツ関連の本だと「夜と霧」は読みましたが、これも読めて良かったと思える本でした。

    8冊の本と、人々によって語られる「生きた本」だけの世界一小さな図書館。
    人間としての尊厳が失われた世界で、本は命を救うことはできないけれど、人々に知識や知恵を与え、想像力を育み、思考するという、人間性をもたらすもの。
    それを守るために希望や勇敢さを失わないディタに勇気をもらい感動しました。

    プレゼントされたオルゴールを見て「でも、それ食べられないわ」と答えた少女の言葉が、その環境の過酷さを物語っていて、胸が痛かった。

    実話を元にしたフィクションですが、人類が二度と繰り返してはいけない歴史を忘れず、後世に紡いでいくことは今を生きる人間の使命なんだと、改めて思いました。

  • 「地球上のすべての国が、どれだけ柵を作ろうと構わない。本を開けばどんな柵も飛び越えられるのだから。」

    好きな本を好きな時に読めることがどれだけ幸せなことなのか……
    絶望の日々でも決して投げ出さなかった彼女の生命力に勝てるものなんて何もないと思った。

  • 何気なく書名にひかれ手に取ったのだが、読みだしたらやめられなくなった。生まれた国、時代、少しの選択で運命はなんと過酷なんだろう。エピローグ以降に少しの救いがやっては来るのだが。著者あとがきによると、この物語は事実に基づいて組み立てられ、フィクションで肉付けとあり、あの人たちはそれからどうなったのだろう・・・で ああ彼らは実在する(した)人々なのだと、あの場所にいたのだと思い知らされる。この退屈な日常のありがたさを少しだけかみしめた。

  • 読み応えがある1冊だった。
    私の場合まず登場人物の名前がなかなか覚えきれないことが多いが、そんなことも(あまり)なく、最初から翻訳されていることを忘れるくらい自然な文章でサクサク読めた。

    読み進めるのが辛くなる描写も多いが、そんな中でも恋愛や友情が生まれることに少しホッとする。
    収容所に送られた人々がどのように生きようとしていたかがひしひしと伝わってくる。
    主人公が本を何度も何度も限られた材料で丁寧に修繕する場面には胸が痛んだ。

    最後にアンネ・フランクの名前が出てきてハッとした。
    完全なノンフィクションではないが、やはり悲惨な歴史的事実に基づいて書かれている。

  • 家畜以外の扱いを受けながら、死と隣り合わせな凄惨なアウシュビッツの収容所で続けられた子供たちへの教育。そこで取り扱う八冊の本を管理する図書係のディタ。図書係と言ってもナチス公認では無いから、それを隠し通さねばならない。次に死ぬのは自分かも知れないという状態にありながら、家族を庇い合いながら、本を守り抜く。実話に基づいた話であり、物語には『アンネの日記』で有名なアンネ・フランクも登場する。

    ディタは、目の前の現実から逃避するために人目を忍んで読書する。本の世界に没入する事で、想像の世界に友人を求め、悲惨な収容所から外の世界へ行けるのだ。読書には力がある。そう考えると、反対に私がディタのいる世界に没入するという事を考える。凄惨な世界に行けるのか。ディタと私の読書の質の違いを考えざるを得ない。恐らく、想像世界への没入感にはある種の現実世界の濃度による浸透圧の差や距離感が影響するのだろう。

    地獄からの解放。本記録では、戦争の終わりによる状況の好転以外に、脱獄、死、叛逆、買収などの手段が描かれる。リスクを伴い、自らの運命が分からぬ中での判断。多くは、状況も知らされぬ中で、耐え忍ぶしか無かったのだ。自分ならどうするのだろうか、威勢の良い事を妄想してみても、それこそ読書にリアリティがないのかも知れない。答えは出ない。しかし、自らを場面に投影する事に、追体験的意味があるような気がした。いや、その時代のアウシュビッツに行きたい訳ではないのだが。

  • 14歳から16歳まで、収容所で過ごした実在の人物のノンフィクションを交えたフィクション。
    一貫して冷静に少女目線で描かれている。生き延びてくれて心から本当にありがとう!

  • アウシュヴィッツで図書係だった少女の話を基にした小説。

    当時の過酷な生活は、想像しても仕切れないものだなと改めて思う。理不尽な死がこんなに近いことなんてない。

    『ごく当たり前の生活が、滑り台を滑るように地に落ちていった。』

    『英雄的行為の大きさを評価し、名誉や勲章を与えるのは簡単だ。けれど、あきらめるという勇気は誰がわかってくれるのだろうか。』

    戦争のもつ力の大きさと、それに抗えない無力感を感じることが出来る上の表現と、目に見えないものの繊細さと美しさを再考させてくれる下の文章に心奪われた。

  • 夜と霧から入ってアウシュビッツについての本は2冊目です。

    劣悪な環境の中、ユーモアと想像力を忘れない女の子が本守り本に守られながら生き抜く話。

    あとがきの文章がまたいいです。引用いたします。

    『人間が生き残るために必要なのは、文化ではなくパンと水だ。しかし、ただそれだけでは、人間性は失われる。もしも美しいものを見ても感動しないなら、もしも目を閉じて想像力を働かせないなら、もしも疑問や好奇心を持たず、自分がいかに無知であるかに思いが及ばないなら、男にしろ女にしろ、それは人間ではなく、単なる動物にすぎない。』

    ちゃんと人間として生きような。

  • アウシュヴィッツの家族収容所には「図書館」があった。本書は実話を基にした小説だ。小説を読み終えての感想としては奇妙なものだが、何よりもこう感じた「この本はあまりにも小説じみている」。アウシュヴィッツの記録や証言に関心があるならば、本書は物足りないと感じるだろう。

    事実を伝えるためにフィクションが最も適するという状況はある。けれども、ことホロコーストに関しては記録や証言が持つ力に小説は及ばないのではないか。ルーカ・クリッパ、マウリツィオ・オンニス『アウシュヴィッツの囚人写真家』やエリ・ヴィーゼル『夜』などを読んで、個人的にはそう思う。

    ともあれ本書は(事実に基づく)小説なのだが、登場人物たちの心情がうまく描き切れてない点に不満を感じる。まるで平時における日常生活のようなのだ。そしてとにかく会話が軽い。著者がジャーナリストだからか、取材で得たエピソードを盛り込みすぎている点もいまいちだ。(最後の100ページほどは急に記録的な記述が多くなって小説の色が薄くなる。これも小説として言えばもっと一貫性を持たせる方がよかっただろう。)ただし主人公ディタが読んだ本のストーリーや思い出を現在進行中の出来事と織り交ぜて描くという構成は面白い。

    いずれにせよ、小説に仕上げられているとはいえ、ホロコーストを後世に伝えるにあたって本書が貴重な役割を果たすことは間違いない。

  • 面白いとか面白くないとかじゃない。圧倒的な史実の前にただ言葉を失う。
    アウシュヴィッツの悲劇は知ってるつもりではいたが、収容所にもいろいろあり、次から次へと移送され、戦況が収束するにつれてユダヤの囚人たちの状況は過酷になる。
    大戦中の戦災は各国によって様々だと思うが、ナチス統制下のユダヤ人の被害ほど人間性を破壊されるものはないと思う。
    徐々に正常な判断力を失い、それは逆に幸せを感じる感度、いや「まだましだ」と感じるレベルを下げてゆく…。
    チェコ系ユダヤ人の少女ディタの使命は、家族収容所内の学校に設けられた「図書館」の蔵書8冊をナチス親衛隊の魔の手から守り抜くこと。どんな劣悪な状況下にあっても、本を通じて得る知識、想像力は奪われない。
    彼女のもう一つの希望は、収容所内のユダヤ人リーダー、ヒルシュ。彼女の心の中の英雄であり続けたヒルシュは移送を前に謎の死を遂げる。だが餓死寸前の最後まで、ディタは彼の無実を疑わない。
    こんな状況の中では、それでも信じる心を失わないこと、そしてただ生き抜くこと自体が唯一の勝利なのだ。
    だがこの狂気の時代では、ナチ側の人間でさえ戦争に翻弄される被害者なのだと思った。
    この史実を知るためだけでも多くの人に読んで頂きたい一冊。
    2018/01

  • 実話を基にしたフィクション。
    アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所に実際にあった「学校」の図書係が主人公。
    人はなぜ本を読むのか。現代人にも戦時中の人にも質問したい。現実から目を背けるためなのか、何かを学ぶためなのか。
    私はこの本を読むまで、「アウシュヴィッツ」という名前しか意識していなかった。他にも強制収容所があることとか、強制収容所=死ではないとか、ビルケナウという名前とか、それらがポーランドにあることとか、アウシュヴィッツ=ビルケナウで起きていた事が、現代人の誰もが知っているのに当時はほとんど誰も知らなかったということ。
    無知というのは恐ろしい。それは誰かを傷つけるし、恥だと思う。知ろうとすればどんな情報でも手に入る現代で、知らないということは知ろうとしないということ。
    ゲームをしている暇があるなら学ぶべきだ。
    無駄な労力を割いている時間や体力等あるのだろうか。
    遥に恵まれた環境にいるのに、それに満足できないのは強欲なのだろうか。
    資料室で借りた本で、単価も高いが、ぜひ手元においておきたい。
    この本を読んで色々調べてみたが、偽名を使うという初等手段で最重要人物であると認識されていない戦犯が多かったことに驚く。ディタなど生存者の情報を元に似顔絵をつくれば、少しは違ったのではないだろうか。

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