げつようびのこども

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 26
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087743210

感想・レビュー・書評

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  • 「クラインブルー」登場人物の心の切り替えが上手いというかあっさりしすぎているというか、軽いというかどうしてもついていけない。でも、これが理解できないから私には結婚は無理なのかな?と思うところも。軽いドラマを見ている感じで、個人的に好きじゃない。「げつようびのこども」自分の反抗期を思わず思い出しました。その時欲しくて欲しくて、結局手に入らなかったものを思わず思い出して。…この話はすごく好き。

  • クラインブルーとげつようびのこどもの2作品収録

    クラインブルーはただただ不快。
    ってか、バカなんじゃない?と思っちゃった。
    やっぱり奥さんの立場になって読んじゃうからね。
    主人公にも腹立つし男にも腹立つ。

    表題作げつようびのこどもはちょっと泣けるとこあったし
    母親として考えさせられる事もあったかな。
    でも読後の爽快感がなかった。なんか・・・疲れた(汗)

  • マザーグースの一節から取ったタイトルです。
    月曜日に始まった不登校から日常が壊れていく母子。
    でも本当は再生の物語。

  • 今回読んでいた「げつようびのこども」(特に表題作)・「りびんぐ」は家族、家庭の問題を深く扱っています。

    まず、「げつようびのこども」は再読です。…一年位前に読んだかな、と思います。
    共働きの夫婦と10歳の娘。ある日娘・美歩のいじめを聞かされ、そのまま娘は不登校、母親・いずみへ暴力をふるうようになります。
    突然できた家庭内の『傷』は瞬く間に大きくなっていきます。自立した家庭に満足していた夫婦には、このような事態になっても話し合うことをしないし、できない。娘から生まれた『傷』は娘を理解するところから変わっていくはずなのに、予定どおりの生活を傷つけられた父親は逆に娘を詰ることをしてしまうのです。
    やっとの思いでいずみが美歩をわかろうとする頃には、母と娘の温度差は開ききっていました。自分自身が妹の存在によって愛情をかけて来られなかったいずみが、母親として娘を愛するということに改めて挑戦しようとするどこか哀しい、再生の物語です。

    耕介は、いづみに気づかない。美歩が歩みを進め、走り出し、後ろから父親の背中に体当たりして、腕を絡ませる。
    <中略>
    いまになって、いづみは思う。美歩に体当たりされたとき、耕介は決して嬉しそうではなかった。耕介の反応には、不意を襲われたことへの腹立たしさと、子どもにまとわりつかれることへの、おそらく生まれつきの嫌悪感がにじみ出ていた。そして、歩調を合わそうとしていたのは、いつも美歩の方だった。

    マニュアルに従っていても人は成長しない。こうして暮らせば、こうして接すれば手に取るように相手のことがわかるわけではないのは、友達でも家族でも同じことなのだと思います。
    一度粉々に壊れてしまったものが再生するかどうかは必ず戻るものとは言えませんが、それでも寄り添うところまで傷つきあいながら戻ろうとする母と娘がいつか家庭を築きなおせるのではないかと願ってやみません。

    (2003年5月1日)

  • 「ママ、会社行って。わたしは一人で平気…」 働く母親を襲った日常の陥穽。いじめ、不登校、暴力、孤独。子供を見失ってしまう前に、母親にはいったい何ができるのか。表題作ほか「クラインブルー」を収録。

  • 「ママ、会社行って。わたしは一人で平気…」 働く母親を襲った
    日常の陥穽。いじめ、不登校、暴力、孤独。子供を見失ってしまう
    前に、母親にはいったい何ができるのか。表題作ほか「クライン
    ブルー」を収録

  • クラインブルーとげつようびのこどもの2作品。クラインブルーの結末は、正直言って、???であった。なんで、そうなってしまったのだろう?これで、いいの?と、疑問符だらけである。げつようびのこどもは、自然と、頭の中で、自分の子供と重ね合わせて読み進めていった。旦那さんの、自分中心的な暴言にも、心が痛む。子供には、きちんとした見本を見せる事だけがいいのではないんだなぁと改めて思った。しかし、よっぽど、切羽詰った状況に陥らない限り、親はどれだけ子供の気持ちをわかってあげられるのだろう。子供と共に、親も成長しなくては。

  • 表題作は芥川賞候補となった作品。もうひとつ「クラインブルー」とう作品を収録しているが、あれは一応ハッピーエンドなのかな?

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著者プロフィール

1960年香川県丸亀市生まれ。早稲田大学第一文学部文芸学科卒業。95年『不随の家』で第19回すばる文学賞受賞。97年『げつようびのこども』で第118回芥川賞候補となる。その他の著書に『恋する文楽』『花狂い』『湘南シェアハウス』『シャッター通りに陽が昇る』などがある。2011年から丸亀観光大使。

「2018年 『ヒット・エンド・ラン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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