主人公の汐、父親、腹違いの兄貴、3人の男のストーリー。汐はまだ高校生だから微笑ましい恋愛の物語、父親は最初の妻との死別、再婚、子供たちとの確執、戦争体験、腹違いの兄貴は同級生との駆け落ちと別れ、そして再婚、故郷への断ち切れない思い、それぞれのストーリーにそれぞれの相手となる女性側の視点も語られ、お腹いっぱいになるフルコースの小説。なんかちょっと普通の小説にしては?と思ったら、朝の連ドラの筋だった。なるほど、それならエピソードがてんこ盛りの理由も分かる。博多という場所、山笠という祭りが出身者にとって特別のものだというのは、話に聞いたことはあるが、よそ者としてはちょっと理解は難しい。その部分を除いて、頑固で不器用、一途な男たち、それを見守る女たちの世界はまあ嫌いじゃない。自分はそういうのはちょっと違うなとは思うけど。