- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087753714
作品紹介・あらすじ
大奥で「玉の輿」として上りつめた五代将軍・綱吉の母の激烈な一生。京での幼きお玉時代から、三代将軍・徳川家光の側室となり従一位まで上りつめた桂昌院。女の嫉妬渦巻く大奥での真剣あいうつ駆け引き。波瀾の女人の一生を描く書き下ろし長編。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
いつの時代も承認欲求や心の拠り所を求める気持ちは変わらないんだなと、お玉は決して良い人として描かれていないけれども人間臭くてついつい読み進めてしまいました。
-
桂昌院とは言わずと知れた、五代将軍綱吉の母でございます。
桂昌院は名を「玉」といい、京の青物売りの娘が徳川家光の側室となって、大奥に輿入れしたところから「玉の輿」という言葉が生まれたとも・・・
本書はその生涯をつづっています。
玉が京女ということで、玉の言葉など京言葉で書かれていて、読み慣れるまでは大変でした。
幕府の言葉の漢語も多用され、電子辞書は常にセットでした。
玉が仕掛ける女の駆け引きは、やはり引き込まれていきます。
駆け引きをする己に陶酔し、それを受ける取り巻きの者達の余裕に地団駄を踏むことの繰り返しは、玉のお里が知れるところでしょう。
なかなか読み応えのある一代記でした。 -
読んだ日 2007.10 (借:大村市民図書館)(40)
内容紹介:従一位にまで上りつめた桂昌院は、いかにして将軍・徳川綱吉の母となったのか? 女の嫉妬渦巻く大奥での駆け引きと親子の情をからめて、波瀾の女人の一生を描く書き下ろし長篇。
-
わがままでエゴイスト、いじわるで嫉妬深くて恩知らず、
そのすさまじいエネルギーで五代将軍綱吉の生母にまで成り上がった玉という女性の一代記。
「玉の輿に乗る」の語源となった女性です。
お友達にはなりたくないけれど、ここまでやれば立派の一言。
女の「負の部分」がこれでもかと書かれている割にはからっとした読後感でした。
-
表紙がきれい。
第五代将軍・綱吉の母の一生を書いた本。
一人の一生を書いたので広く浅くなってしまっている。
彼女が将軍の母にまでのぼりつめたのはやっぱり、それなりに頭のきれる人だったからだと思う。
私には読めない漢字があった…。 -
5代将軍の母「桂昌院」の一代記であるが、桂昌院というよりは、「玉」としてのギラギラとした一生をリアルに描いている。
帯には、元禄サクセスストーリーとあるが、結果としてはサクセスなんだろうけど、玉にとって本当にサクセスフルな人生だったのか、と思った。
結局は絶対かなわない大奥取締役・お万の方であり、幼少の頃から仕えた瓏子への、コンプレックスがあったからこそ、ここまで権力に憧れ、執着したのであれば、なかなか辛い人生だったのではないか。
玉の人生を読むにつれ、これほどまでに玉を駆り立てた瓏子の、与えられた選択肢のなかであるがままの人生の方が、とても気になった。
そういう意味では、玉の生き方に共感はないけど、玉の瓏子への想いには、自分の気持ちを重ねることができた。
物語として面白かったのですが、なんとなく小説としての深み(?)が、私には少し物足りなかったので、☆3つにしました。
でも、☆4つに近いかな?