荒木大輔のいた1980年の甲子園

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087808490

作品紹介・あらすじ

高校野球がいちばん熱かったあの時代。現場では何が起きていたのか。社会現象になった早実の1年生エース・荒木大輔を中心に、彼を取り巻く仲間、ライバルの証言で「甲子園の真実」を鮮やかに描く。

感想・レビュー・書評

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  • 1980年夏、彗星のように甲子園に現れた早実の1年生投手荒木大輔。社会現象を巻き起こす。1年夏の準優勝から5期連続の甲子園だが優勝はない。

    大ちゃんフィーバーをチームメイトやライバルの視点も含めて多角的に描いたノンフィクション。懐かしい名前が多い。石井丈裕が早実同級生は知っていたが、元中日宮下昌己は日大三高、池田の畠山準、岡山南の川相昌弘、1年先輩で金村義明、2年先輩で愛甲猛など。

    何より筆者自身が荒木より下の世代だが東京六大学野球出身の元球児であるところが、この作品に厚みを増している。荒木の甲子園出場の陰で甲子園に出場できない多くの球児たち。怪我に苦しむ荒木。挫折を知る人は強いものだとつくづく思う。

    荒木の同級生、同じ1年から早実のセカンドを守った小沢章一。早大を経て高校野球の指導者になるが、残念ながら2006年病気のため亡くなったという。享年41。

    早実の伝統というかチームカラー、斎藤佑樹や清宮幸太郎の野球人生に良くも悪くも大きな影響を与えている。三人とも現在日ハムに在籍しているところも興味深い。

    決してずば抜けた才能を持った訳ではなかったスーパースターが持っていたメンタルの強さと強運、周囲を味方につける空気。1つの時代を作った一投手に関する良著。

    甲子園で17試合に登板し、12勝5敗、防御率1.72.旧制中学時代を除けば、甲子園で5敗した投手は荒木しかいないという。

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著者プロフィール

1968年愛媛県生まれ。立教大学野球部4年時に23年ぶりの東京六大学リーグ優勝を経験。大学卒業後、出版社勤務を経てフリーランスに。近著に『補欠のミカタ』、『それぞれの甲子園』『野球と暴力』他多数。

「2022年 『トーキングブルースをつくった男』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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