- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087815689
作品紹介・あらすじ
不随意運動、全身疼痛、運動障害、失神、脱力、記憶障害……少女たちを襲ったものは、それらだけではなかった。子宮頸がんワクチン副反応の被害者とその家族の実態に初めて迫ったノンフィクション。
感想・レビュー・書評
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この本を読んでなお自分の娘に子宮頸がんワクチンを接種させようと考える親はおそらくいないだろう。
『子宮頸がんワクチン事件』を読んだ後は作者の冷静なトーンの影響もありまだ私自身安易に判断できないと考えていた。
しかし本書を読んだら公平な視点とかどうでもよくなって、もう誰一人このワクチンのせいで悲しい思いをして欲しくないという気持ちでいっぱいになった。
現段階では政府も製薬会社も多くの医師たちもHPVワクチンによる重篤な副作用を認めてはいないし、結論が出るにはまだまだ時間がかかるだろう。
仮に少女達の症状が痛みが原因であるとしても、もしくは精神的なものだとしても、今は打つべきではない。
理由は実際に苦しんでいる少女達になんと医師や看護師、はたまた教師や世間の目が冷たいことか。
ただでさえ不可解な症状と闘っているのに周りの不理解が追い打ちをかける。救済される公的システムが全くない。
私のごく近しい人が子宮頸がんに罹りまだ再発の恐怖と闘っている。彼女の姿を見るのは辛いし心配でならない。この病気がワクチンで撲滅できるならなんと素晴らしいことだろうと心から思う。
でもとうていこんな訳のわからないワクチンに賛同する気にはなれない。
一人でも多く現状を知ってもらいたい。
是非読んでほしい。
そしてもうこれ以上苦しむ少女が増えないことを心底願う。 -
心が粟立つような怒りを覚える内容。自分の無知さ、無関心さにも。「クレイジーライクアメリカ」にも書かれていた、外資系製薬会社の腹黒さ。情報操作。それに乗っかる人人。私たちは、もっと知ろうとしなければならない。被害者が、他者の先入観で何十にも傷つくのが、酷たらしかった。少女達の毅然さとそれを支える家族、医師が眩しい。応援しています。
作者の文章も好き。 -
週末から就寝前のオヤスミ読書で読み始めた。ひとり目のルポを読み始めてすぐ、その症状の凄まじさや、周囲からの理解のなさが恐ろしく、眠れなくなってしまった。我が家の娘と同い年の少女たちがわけの分からない症状に苦しめられていて、しかもそれを治す手立てが全くない、という状況に心が痛む。そこになぜ、救いの手が差し伸べられないのか。何かできることはないのか。胸が苦しくなる。
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「ー」
子宮頸がんワクチンの副反応と闘う少女たとその母たちについて書かれた本。タイトルが示している通り、まさに闘いだ。子宮頸がんワクチンが異例のスピードで取り入れられた話。その会社とつながりが感じられる各機関。誰も彼女らを認めようとしなかった話。読んでいて憤りを感じると同時に、悲しくなる。この本を読むまで、子宮頸がんワクチンの副反応について知らなかった。
何が原因なのか。どうすれば治るのか。
早く治療法が見つかってほしい。 -
2015.7.282015.8.9
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摂南大学図書館OPACへ⇒
https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB99812554 -
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村中璃子の「10万個の子宮」を読んで、子宮頸がんワクチン無関係説には説得力があるなと思った。一方、ワクチン原因説の根拠がわからないので、探して読んでみた。その意味では役に立たない本だった。
本書の目的は「子宮頸がんワクチンの副反応」と戦う少女とその母親が、いかに辛い思いをしているかを伝えることだ。一方、原因が子宮頸がんワクチンだ、とする理由は「知り合いからワクチンの副反応だと言われた」「ワクチンの副反応だと言われている症状と似ている」「そういえばワクチン打った!」というもの。ワクチン原因説の根拠は、本書には出てこない。検討されることもない。
当事者にとって原因や根拠は重要ではないのかもしれない。原因がなんであれ、大切なのは、治療し、健康を取り戻すことなのだから。著者も根拠にあまり興味がないらしい。
でも、被害者が辛いから原因はワクチンである、という理屈は変だ。正しい原因がわからなければ、治療も予防もできないのに。
症状をワクチンの副反応と認めない医師たちは本書では悪役扱いだが(頭から心身反応だと決めつけて攻撃的な医師は問題外だが)、医学は科学の一分野であり、医療従事者は科学者、技術者でもある。彼らがイライラする理由はわからないでもない。
医学はこれまでひどい間違いをいくつもしでかしてきたし、これからもミスを犯すだろう。ワクチンと症状の関係だって、現状では因果関係が証明できないというだけで、研究が進めば別の結論に至るのかもしれない。
だが、根拠のない治療や民間療法は、正統医学以上にあてにならない。ここまで来るとどっちを信じるか、どっちをとるかという話になってくる。それはもちろん患者の選択ではあるのだが・・・
「10万個の子宮」を書いた村中瑠璃子と本書の著者である黒川祥子が議論を交わしたら問題点が浮き彫りになるのではないかとも思ったが、話通じなそうだな。
vilureefさんのレビューはいつも心打たれ考えさせられます。ノンフィクション苦手な私ですが、もし何ら...
vilureefさんのレビューはいつも心打たれ考えさせられます。ノンフィクション苦手な私ですが、もし何らかの形でこの著書に出会う事があれば読んでみたいと思います。
いつも花丸ありがとうございます♪
私、流されやすいのでノンフィクションを読むときは客観的に読むように努め...
いつも花丸ありがとうございます♪
私、流されやすいのでノンフィクションを読むときは客観的に読むように努めているんです。
でもこの本はさすがに前のめりになっちゃいましたね。
今の行政があまりにもひどいので・・・。
フーミンさんも機会があれば手にとって頂けると嬉しいです(*^_^*)