- Amazon.co.jp ・マンガ (168ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087920024
作品紹介・あらすじ
ひたと肌に吸いつく音 うねる色彩の洪水──
言葉の色が見えるという芸術家の老女・キノは、兄の大蛇丸を「白い子」と呼び、弟の由良ノ介の声を「赤白つるばみ」だと言う。兄弟の家の隣には、彼ら曰く菫色の声のヒルコが住んでいて…。稀代の名作『KISSxxxx』の系譜に連なるシュールで穏やかな美しい日常。
感想・レビュー・書評
-
楠本まきさんのエッセイじゃない漫画は久々。
すごく楽しみにしていました!
でも、絵変わった…
繊細な線がだいぶあっさり、簡略化されていてちょっと残念。
でもやっぱり大好き。
話は、
最初に一読した時はよくわからなかったけど、
読めば読むほど深みにはまる。
声の色、色弱、
きっと、そうじゃなくても、
すべての人が同じ色で見ているわけじゃないと思った。
自分の目以外で見ることが出来ないのが、残念。
(購入)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
おおおお…まき先生の長編が…再び読めるとは…とは…生きていて良かった…ありがとう神様…いやまきさん…(感涙)。しかも上下巻…あああああ…ああ…(崩)。
失礼ながら単行本派であるため、本誌掲載はチェックしておらず、どんな内容かとかわからないままひたすら単行本化を待っていた訳ですが、こんなに長編漫画らしい長編漫画だとは思っておらず。いや、最近エッセイとかイメージ漫画とかが多かったので、もうこういう漫画を描く気はないのかと…。
帯に「『KISSxxxx』の世界観を継承する」と書かれていたけれど、確かにこのふわりさらりと淡々とした日常だけれどどこか非日常的な世界で、実は硝子の欠片の上に真っ白なシーツをかけた上を裸足で歩いている感じがしても「それがあってもなくてもどうでもいいでしょ」という気安さで、どこか風変わりだけれど有り様はとてもシンプルで、そのくせ毎回服も髪型も違うのが悔しいくらいお洒落で、でもそれが何も無かったとしてもカッコイイのがまた悔しくて、憧れずには居れないけど憧れちゃいけないような世界はまぁ確かにそうなんだけれど、それだけじゃない。
大抵大きなシリーズを書いてしまうと、どうしてもそれと比較されがちだし、どうしてもそれを意識してしまう気がするけれど、そんなことは全く関係なく、微塵も思い出させる事無く、同じようでいて違うこの物語にするっと入り込めた事に感動。もともと帯の文をあんまり読んでいなかったので(え)、読み終わってから見て「ああそういえばそうだった!確かに!」と合点したので。
むしろ帯で言えば「17年振り待望の長編単行本!」という方が感慨深かった…。
そう考えてから改めて感想をと思うと、どうしてもKISSを引き合いに出さざるを得なくなる気もしますが、とりあえず「コタロー」は一瞬「ミチロー」かと思って「え、何?パラレル?」と二度見しました(笑)。
今も昔もまきさんの描く全部が好きすぎてどこがいいとか何とも言えないのが正直な所でもあり。
【結論】まきさん好きなら読めば良いよ。
「上巻」というからには「下巻」で終わってしまうのが少し寂しい気もしますが。派手な内容ならまだしも、日常系はもうちょっと見ていたいなぁと。
やっぱりイラストもイメージ漫画も大好きだけど、とにかく「漫画という形式で紡がれる物語」は別格なので、また読む事ができて幸せです。 -
楠本まき超ひさびさの新作コミックス!心待ちにしていたのだけれど、いざ読んでみたら、あれ?・・・絵がちょっと変わった・・・?装丁の美しさは相変わらずですが、中身はちょっとラフになっていた。
まあ絵柄の件はさておきストーリーはこの作者らしいゴシック耽美要素もありつつ比較的わかりやすい現代日本もの。個人的にはゴスロリ老婆のキノさんが好きです。 -
『kiss』の頃から大好きで、若い頃はその作品世界にどっぷり肩まで浸かり、趣味嗜好に大きく影響を受けたので、久々に長編が出てたのはリアタイで知ってたもののなんとなく読む勢いになれずにいた。絵柄とかストーリーの雰囲気が年を経ることで変わってしまっているであろうことが「オレのキレイな思い出」(笑)を壊してしまいそうで、本屋で横目で眺めてるだけの日々を何年か過ごし、思いつきで今更読んだら、読んで良かった。本当に良かった。
他の方も感想に書かれてるように、絵柄、特にかつての線の繊細さは薄れているし、ストーリーも『kiss』や『kの葬列』みたいな先鋭さ、浮遊感は無く、地に足の着いた感じで、やはり『kiss』アゲインとはいかないんだなというのは確かに実感。でも、地に足のついた良さみたいなのが逆にあって、かつてないメッセージ性の強さが新しい作品世界という印象。
個人的にこの作品のテーマとして感じたのは、他人の感覚、考えに理解できないことであってもまずは先入観を持たずに受容すること、それは自分自身が受容されること、そして己自身の受容にも繋がるということ。分かってるし当たり前なんだけどなかなか難しい。共感覚によってそれを描いているんだけど、共感覚の描写はやはり楠本まきという感じで美しい。
ジェンダーや老化、アンチエイジングについても取り上げていて、全体のストーリーの力としては『kの葬列』とかと比して弱いものの、これはこれで作者とテーブル越しに話してるいるようで楽しかった。
『kiss』のような世界は再び現れないことをしみじみ感じ読み終えつつも、新たな世界は悩みが多くて理解されない悲しみもあるけど、でも時には祝福があり日々が続いて行くことに頼もしさを感じられて、久々に彼女の新作を読めて良かった。読み終えて何となくとりあえず明日も生きて行こうと思えた。
ちなみに、目が悪いので間違って下巻から読み始めて、えらい人間関係分からん話だなあと下巻半分くらいまで読んでしまっていた。 -
2014.12.31
Kiss×××の世界観だ〜
懐かしいよ〜
新しいよ〜
嬉しいよ〜
耽美なのにガテン系
そして皆 眉毛無い 笑
うわ〜ん 懐かしいよ〜 -
昔と少し絵柄が変わって、緻密に描き込んだ線から少しスッキリとした。
昔の一コマ一コマ美しかった絵も好きだけど、これはこれで素敵。
お話は著者らしくあって、何度も何度も読み返してしまう。
きっと下巻が出るのは当分先でしょうし、スルメのように噛み締めて味わいます。