- Amazon.co.jp ・マンガ (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784088820217
作品紹介・あらすじ
家族に進路変更を告げ、再び予備校通いを始めた成幸。受験本番が近いのに上の空なあすみの様子から、彼女の夢の“原点"が消えようとしていると知り…!?
感想・レビュー・書評
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個別ルート回を含む流れとしては3巻目。今回はあしゅみー先輩ですか。文乃→真冬と来てのあすみ。次巻は理珠ルート回をやるようだし、個別ルートラストはうるかになるのかな?
前巻ラストで成幸の家で入浴するなんて超常現象を巻き起こした真冬。きっかけとなったのもやはりちょっとやそっとじゃ起きないようなトラブルからでした。よくやった水希
ただ、その強引な展開によって幾つかの心残りが解決されたのも事実。真冬は恩師の位牌に手を合わせることが出来、成幸は教育大学受験を切り出すことが出来た。どちらも本人からしたら切り出しにくい案件。案外無理矢理な導入が切り出す後押しになったのかもしれないね
そして問104から始まるのはあしゅみー先輩ルートなんだけど……
個人的にはちょっとパンチが弱かったような気がしないでもない。これまで描かれた個別ルートでは「星のこと話してる古橋 俺は好きだけどな」「俺は先生を幸せにしたいです」なんて発言が飛び出して読んでいるコチラとしては「これもうルート確定じゃん……」と思わせるレベルであったのを思うと、今回のあしゅみー先輩ルートは診療所の継続とあすみが医療を志す気持ちを再燃させるという意味では大きな意味を持つエピソードであったのだけど、どうしても前の二人と比べてしまうとなぁ……
ただ、そういった比較を抜きにすれば家族の問題と自身の夢が密接に絡むあすみの葛藤をよく描いていたように思える。あすみってヒロインたちの中では一番メンタルが大人な人間だから簡単に本心を見せたりはしないし相談もしない。同様に父親から歯医者の道を志すことを反対されているから家族に頼ることもしない
そんな中で活きてくるのは成幸との関係性なのかもしれないね。あすみと成幸は偽恋人なんて曖昧な関係だけどそこには確かに繋がりがある。家族ではなくさりとてただの後輩でもなく。でも、あすみが成幸に事情を話す気になったのはそれこそ一番きつい時に自分を追って来てくれて、更には誰にも気づかせなかった悲しみに気付いてくれたからなんだろうなぁ
そこからの成幸は一直線だね。あすみの望む形を手に入れるために様々なことをする。
そういえば、あすみのエピソードはパンチが弱いなんて書いてしまったけど、幾つかは読んでいるこちらの度肝を抜くような発言が飛び出ていたりする。「一緒に…お医者さんごっこをしましょう!」とか「俺…先輩に思い出作らせる気なんて ないです」とか。見事に成幸の台詞ばっかりだけど、メンタルが年上のあすみに誤魔化す暇を与えず気持ちを伝えるにはこういった相手の思いも寄らない台詞を使うしか無いわけで。そういった意味ではこのエピソードで成幸は何回もあすみの心の扉をノックするような発言をしているんだよね。だからあすみも次々と心の内を成幸に明かしていく
このエピソードを通して成幸とあすみの距離が何処まで縮み、今後の偽恋人という関係性を揺り動かすに足るものだったのかはまだ見えてこないけど、最後のあすみが泣いてしまった辺り。こっち見んなと言いつつ「もっとちゃんとなでろ!」と催促するあすみは非常に可愛らしいものでしたね
その他は割といつもどおりのエピソードで大変賑やか。真冬は冒頭でバスタオル姿を披露するに留まらず、物件探しの最中に自分と成幸が混浴する姿まで想像していました?ちょっと風紀が乱れてるんじゃない?
そして問114から理珠の個別ルートが始まる感じかな?という所で次巻へ続く、と
成幸が自分のやりたいことを見つけ、各ヒロインの個別ルートに入りだした辺りから面白いエピソード満載で堪らないね