- Amazon.co.jp ・マンガ (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784088823997
作品紹介・あらすじ
時は昭和、ところは神戸――。パーラーと民宿の開店準備を続ける常世を襲った謎の病。それは当時、国民病とも言われた“結核"だった――。仁太郎と共に結核と闘うことを決めた常世だったが、終わりの見えない闘病生活は次第に常世の心身を苦しめていき…!? 一方、常世を支え続けていた仁太郎は現役兵として戦地へ赴くことになり…!? 再び離れ離れとなった二人の行く末は…!? 痛くて甘い、儚き御伽話ついに閉幕!
感想・レビュー・書評
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激動の辛い時間が続く、常世の肺に巣食う病魔に負けないように強く生きる二人。
その時間が絆を深める二人に「死」を強く意識させてゆく。
そして戦争の影が二人を苛みます。
仁太の徴兵の命令、仁太郎の香りに包まれ帰りを待ちわびる常世が切ない。
そこへ仁太郎の戦死の報、世を儚む常世、昇汞水を口にするが、中味のすり代わりは仁太郎の愛。
珠子の慟哭が切ない、一途で、頑張り屋、仁太郎のお嫁さんになるのが願いの普通の女の子がどうしてこんな目に、常世になんの罪があるのだと。
仁太のいない世界をただただ前に進むしかない常世、からたちの側で泣くしかない。
そこに現れたのは!って王道ですよね♪
二人が命の限り生きてゆく痛くて甘い御伽噺は、新たな命が繋ぎ終劇です。
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仁太郎のシャツに血を吐いた常世は、結核に侵されていた。策と珠子の診察のもと療養生活を送る常世だったが、先の見えない闘病をつづけるうち、心と身体が限界に近づいていく。
追い打ちをかけるように、仁太郎は徴兵検査で甲種合格となり、戦地へと立つのだった……。
最初から最後まで苦難続きな展開で、珠子が訴える「常世さんが何をしたと云うのよ……どうしてこんな目に遭わなきゃいけないの」には心底賛同する。それだけにあの結末には、感慨もひとしおであった。