- Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784088824307
作品紹介・あらすじ
センター試験の日に成幸を庇い、ケガをした文乃。それをきっかけにふたりは急接近するが…!? 友情と恋の間でせつない想いが揺れ動く、「Route:if」文乃編!
感想・レビュー・書評
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うるかの時はうるかを、理珠の時は理珠を、文乃の時は文乃を応援してしまう。
ここにきて成幸が恰好よく見えてきた。
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本編において好意の自覚があまりに遅すぎた為に成幸との独特の距離の近さというアドバンテージを活かすことが出来ずにフェードアウトしてしまった印象の強い文乃
このIFルートでは文化祭のジンクスに拠って、個別ルート終了の時点で好意を自覚した形に変えてきましたか
ただ、それでもすぐに行動を変えようとしないのが文乃という少女なのだけど
そもそも文乃が自分の想いから目を背けた最大の理由は既に成幸への好意を全開にしていた理珠やうるかへの遠慮が有ってのもの。だからこのIFルートにおいても好意を自覚したからと行って成幸との距離を変えるようなタイプじゃないんだよね
だから二人の距離を縮めるためには別の起爆剤が必要となったのだけど…
まさか、センター試験時に捻挫する役回りを文乃に変えるとは。こういう展開はIFっぽくて好きです
怪我させた責任、教師役としての責務。近くに居続けるには充分言い訳の効く理由を基にいつもよりも触れ合いの時間を増やす二人
でも、これが本編終盤と同じ時の流れが進んでいるということは必ず訪れるイベントが有る訳で
個人的には本編がうるかエンドで終わった点は充分に納得の行く展開であっただけに、終盤の流れを別のものにしないのであれば成幸がうるかを選ばない説得力をどう描くのかという点がIFルートにおいては共通の課題となってくる
だからこそ、この文乃ルートでもそこに言及するか!と驚きだったかも
と言うか、本編や理珠ルートも見る限り、成幸の心を優しく癒やし、彼の本心に近付く方法って父親へのコンプレックスや喪失の悲しみに寄り添ってやることなんだろうなぁ。そういった意味ではこの作品において本当の意味でルートを確定させるのは文化祭のジンクスなどではなく、成幸が父親に対して抱いている感情にけじめを付けさせることになるのか
言い訳の効く理由で傍に居た罪悪感、うるかを振り傷付けてしまった罪悪感
自分の想いより他人への遠慮ばかり気にしてしまう展開は文乃が長い間自分の感情に目を向けてこなかった問題点に改めて言及しているかのようで良いね。
戦わないでいた自分を戦う自分へ、変わらない筈のものを変えてしまう程の感情を
そうして一歩を踏み出した二人の様子は本当に輝いて見えたね
そうして問168.はエピローグに当たるのだけど、まさかここで水着回をブチ込んでくるとは思わなかったよ……
それって何がとは言わないけど、他のヒロインでやった方が良かったのでは……?ほんと、何がとは言わないけど
付き合い始めて4ヶ月経つのに成幸が女心を理解するのはまだ難しいし、文乃は彼女らしい振る舞いが完全にできているわけではない
それでも幾つもの選択肢の果てにこの関係生を二人が選び取ったものであるならば、と感じられるラストは文乃エンドとしてとても尊く感じられるものになっているね