作品紹介・あらすじ
ついに王者帝徳との戦いの火蓋が切られる。完全アウェーの中、千早と藤堂のコンビプレーにより先制点を獲得した小手指は球場の空気を一気に沸かせる! そして、清峰・要バッテリーと国都の直接対決が早くも勃発。練習試合で味わった雪辱を果たせるか…!?
感想・レビュー・書評
絞り込み
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実際のところ、記憶喪失前に意識していた言葉がトリガーになることはあるのだろうか
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帝徳戦。無名初参加からじわじわと気になる都立・小手指に。結構リアル。子ども時代から智将の記憶。忘却の理由。はるちゃんのために野球の勉強。ぜったいノート。
すごく真面目な野球マンガなイメージだけど、ここまでかなりギャグ多め。緩急差。
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ぜったいノートの秘密が明かされる9巻である。
予選準決勝の帝徳戦が幕を開け、ゲームの動きはスリリングながら大変面白いものになっている。
にもかかわらず、最もスリルがあるのが巻末の過去の物語というのだからたまげる他ない。
リアル極まりない「ご近所さんの家で同年代同士の子供を遊ばせる母親同士」の描写はさておき、そこから始まった清峰と要の二人の関係を描く過去話。
63話の演出からしてホラーだが、64話の恐怖は筆舌に尽くしがたい。
改めて述べるまでもなく、無責任な周りによって「殺されてしまった」だろう才能は枚挙にいとまがないだろう。
だが、ここまで如実に、それも小学生だっただろう彼に突き付けられた現実は、ただただ恐ろしい。
天才に見える人も、ただ必死に「もっと上の天才」に並ぼうと努力しているだけに過ぎない。
おそらく現実には、もっと上の天才の上に「もっともっと上の天才」がいる。
かくも辛きは勝負の世界なるかな、と。
それが、言ってもまだ幼い14歳頃の彼が引き受けている現実なのだと思うとまた胸に響くものがある。
野球模様も面白かったのに、それ以上に巻末が圧倒的だった。
本当にみかわ絵子さんの描く物語には圧倒されるほかない。
素晴らしかった。文句なしに星五つ、可能なら星六つくらいで評価したい巻である。
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千早の出番が多くて嬉しい。
パイ毛のルーツがわかる巻。
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国都vsハルちゃんのシーンは、リアルタイムで読んだ時もゾクッとした。普通ならモブになりそうなキャラクターにもドラマがあるのがリアルでいいよね。
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王者・帝徳を相手に善戦を見せる小手指。試合が大いに盛り上がる中、圭は甦ってきたかつての「知将」時代の記憶に動揺する…。本物の「天才」も努力の末の「天才」も、凄さとは裏腹に何と危ういものなのか。テンションが上がる表の世界と、徐々に闇に蝕まれていく内面世界のギャップに、不安を覚えずにはいられない。そんな状況でも試合は続く。どうなるこの先!?
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著者プロフィール
『red hospice』で「四季賞2014年夏のコンテスト」準入選を受賞。「good!アフタヌーン」2015年2号読み切り『のらりーまんとにーと姉ちゃん』でデビュー。
「2017年 『ブタイゼミ(2)』 で使われていた紹介文から引用しています。」
みかわ絵子の作品