- Amazon.co.jp ・マンガ (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784088927039
作品紹介・あらすじ
「弱井先生、私 幽霊が見えるんです。私のこと、信じてくれますか?」 解離性障害、それはもっとも理解されづらい病。精神疾患の既往歴を持つセラピスト・重森一葉は、“心の違和感”ゆえに、幸せになることを諦めていた。幻聴や悪夢に苦しむ彼女の悩みに、寄り添い続ける弱井。次第に心がほぐれ、治療にも前向きになってきた矢先、一葉の「交代人格」が姿を現して…!? 弱井は留学時代の学友で公認心理師のアレックスと共に、彼女が一人で抱えてきた病の真の正体を解き明かす。患者と治療者の信頼関係が試される「解離性障害」編、開幕!! また、本編からさかのぼること十数年、弱井と松野が出会い、学び、成長した医学部時代編も収録!!
感想・レビュー・書評
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弱井と松野の出会いと成長を描く医学部時代編。さらに新エピソードの解離性障害編も収録。弱井は留学時代の同級生で心理師・アレックスとともに、一葉の人格に向き合っていくが──。
医大に入ったものの目標を見失っていた松野。弱井は彼に医学の面白さを伝える。そんな弱井もまた、知識を見て人を見ずという自分に気づいていく。基礎医学から臨床実習へ移り変わる中で、お互いに影響し合いながら成長するドラマが素敵だった。教授陣も授業と臨床で表情がガラッと変わるのもいい。
「松野はやる気がないんじゃない まだ目標が定まっていないだけだよ」
この一言はサラッと書いてあるけどなかなか言えないよね。何かと根性論になりがちな社会だから。そうじゃなく、今の自分の在り方を考える彼を的確に観察して言語化する弱井はさすがだなと。松野も人に伝えるために理解することが必要だと気づいて進めるのもカッコいい。医師ってまさに人へ知識を伝える仕事でもあるよね。
さらに、臨床現場で学ぶ「人」との対話の重要性。医師の仕事は治療するだけじゃない。その治療の中や、さらにその先で患者さんがどう生きるかを思うこと。すべては人と人との繋がりというシンプルな関係性の上に立っている。その関係が医師の教科書となって、学び続ける礎になる。この循環が医療を一歩ずつ前進させていくんだなと。また、過去編では弱井父と早乙女も登場。早乙女の「医療はサービス業」という言葉がまさに弱井が選んだ道との違いそのものなんだろうな。ぼくが長年お世話になっている先生が「患者さんはお客さんじゃないからね」と言っていたのもここに通じるというか。
「悩みが深い人ほど自分の症状をうまく伝えられない傾向がありますからね」
心の違和感、幻聴、悪夢に悩まされる一葉が登場する解離性障害編。治療者と患者の信頼関係が試される疾患であり、さらにはその不安につけ入る甘い罠も多い。他人事じゃないと思って読んでた。わらをもすがる思いとは言うけれど、わらどころか沈む石を売りつける上に、友人の善意を利用するのがもうね…。ぼくは天然石ブレスレットは好きでも、パワーストーンとは言いたくない理由はここにある。許した心に寄り添い大切にしてくれる人か、それとも支配し依存させる人なのか。つらい時にこんな難しい判断を求められる現実が世知辛いね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ここで話が…早く続きが読みたいです
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医学部分館マンガコー : WM075/NAN/10 : https://opac.lib.kagawa-u.ac.jp/opac/search?barcode=3410170289
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病はいつだって突然で理不尽で不公平だ。
その中で日々決断を下す。
心に湧いた疑問を無視せずにちゃんと立ち止まって考えているじゃないか。やる気がないんじゃない。まだ目標が定まっていないだけだよ。
皆んなが当たり前と思うことを当たり前とせず、自分だけの答えを見つけようとする。
断片的なあいまいな知識じゃダメだ。理解するんだ。人に伝えるために。
1教えるためには10知らなきゃいけないんだな。アウトプットすることで知識がより頭に入る。
誰からだって何からだって、学べるかどうかは自分次第だ。
挑戦するからこそ失敗する。失敗はその理由を分析し、学ぶためのチャンスだ。挫折こそ糧になる。恐れずに失敗しなさい。
自信は経験の積み重ねにより育つものですが、記憶がなければそれは難しい。
自己肯定感が低い時、人は最もマインドコントロールにかかりやすい。
あなたを大切に思っている人は決してあなたから何かを奪ったりしません。何の得がなくてもそばにいて、あなたの心と体を心配してくれる人。あなたが笑えば嬉しくて、あなたが涙すれば悲しんで寄り添おうとする人。それがあなたの幸せを心から願う人です。
未来は誰にとっても先が分からない不確かなものです。それを甘い言葉で保証し、お金や時間を求める人がいるならそれはあなたを支配しようとする人です。 -
493.7/ナ/10
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前半の弱井先生と松野の大学時代のこと。こういう関係性ってずっと続いていくんだよね。
解離性障害の中の解離性同一性障害(DID) 過去に起きたことか…。これはお母さんが関係していそうだな。