拳児 (12) (少年サンデーコミックス)

著者 : 松田隆智 藤原芳秀

• 小学館 (1990年10月18日発売)

感想・レビュー・書評

[安藤孝さんの感想 · 2005年8月13日]

初めは劇画調の絵柄に、
拒否反応が起きた。

でも、読み進めていくうちに、
自然に絵柄に目が慣れていき、
ごく自然に感じられるようになった。

内容が、絵柄にリンクしているっていうのもあるだろうな。

これは、格闘技好きな人には、
絶対お勧めです。
実践的な、中国拳法の、
型や技などが載っていて、
僕も本当に技を真似してみたりしてます。

漫画としての楽しさも、十分。
子どもの拳児が強すぎる気もするけど、そこはご愛嬌。

彼、色んな敵との最初の対戦では、
結構、負けてるし。

負けるたびに、
何かに気づいて、昨日勝てなかった
敵を今日倒す！

という、「努力する人」を
肯定する漫画でもあり、
素晴らしい人生訓もそこかしこに、
見受けられます。

これは、
漫画としても楽しめ、
人生訓としてもためになり、
拳法の練習書にもなるという、
ほんとお勧めな漫画です。

これは、一生大切にしていきます。

この漫画と出合えたことは、
僕の人生にとっての、
確かな幸せの一つです。

大げさに聞こえるだろうけど、
本気です。

じゃなかったら、
こんな長文書かないしね。

ブックオフで、
2冊くらいずつでいいから、
少しずつ購入して、
読んで観て欲しい。

これは、立ち読みじゃ、
あんまり楽しさにのめりこめないかも。

じっくり、スルメのように、
噛んで噛んで、味わって欲しい本です。

著者プロフィール

松田　隆智（まつだ　りゅうち）
1938年愛知県岡崎市に生まれる。真言宗に僧籍を置き、空手・ボクシング・古武道から、中国武術を深く研究し、その見識は海外からも注目されている。現在も修行と研鑽の日々を送っている。
主な著書に『中国武術』（新人物往来社）、『太極拳入門』（産報）、『少林拳入門』（産報）、『タフな体をつくる中国の秘密』（佼成出版）、『魂の芸術』（福昌堂）、『謎の拳法を求めて』（東京新聞出版局）など多数。
※2013年7月に逝去されました。

「2011年 『拳法極意　発勁と基本拳』 で使われていた紹介文から引用しています。」