- Amazon.co.jp ・マンガ (194ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091257390
作品紹介・あらすじ
清河八郎、一世一代の大芝居!
総司たち浪士組が京に到着した早々、
「あの」清河の野望が炸裂する!
新選組結成へとつながる一大事!
様々な思惑蠢く第11巻!!
感想・レビュー・書評
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『士道』とは何か。
戦国が終わり大平の世が続くなか、存在意義を失った武士たちが縋った"信仰"だ。
武士に憧れた幕末の浪士たちが神格化した"狂気"だ。
幕末は"狂気"が活きた時代。
現代の薄っぺらい人道主義を持ち込まず、狂気を真っ当に描くこと。それが新撰組の正しい語り方なのではないかと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
表紙は山岡鉄舟。幕府の人間でありながら尊攘思想のため清河に協力しているが、根は剛直で生真面目な人物。しかしそれゆえに清河におどらされてしまうのがどうもこうも。
さて上京した浪士組、しかし清河が本性を表して寝返ったため、大半の浪士たちは清河の言いなりに、そして江戸に戻ることに。
試衛館一派と芹沢鴨の水戸一派、その他少数の浪士だけが京都にとどまり、会津藩預かりとなる。まず彼らにくだされた任務は、清河を斬ること。リーダー不在の残留浪士たちは、なりゆきで清河を斬った者がリーダーになるというルールで競い合うことに。
ここで登場するのが、試衛館派でも芹沢派でもない初期メンバー、殿内義雄と家里次郎。初期の派閥争いでそうそうに粛清にあい姿を消すメンバーで、事情など謎も多いが、今作では清河の残したスパイとして暗躍するも…という展開。なかなかありえそうな説。
一方清河は、自分が狙われていることは承知なので、影武者を立てる。どこまでも悪知恵ばかり働く男だなあ。 -
この先何度となく言及されるであろう「士道不覚悟」がお目見えの11巻。
一度決めた道を貫き通すことができなければ「士道不覚悟」。そうでないならば、その道へ進むべきでないということか。
変節を認めない、でなく。ふらふらとするべきでない、ということか。
浪士組解散、新選組結成前夜の京都での一幕。 -
「貴方こそが真の武士であり…真の間者。」
「間者を全うできなかった…それこそが士道に背くことだ!」
士道って、個人の生き様ではなく、武士の社会での規範なんだなと。
士道から外れれればもちろんのこと、士道を貫いたとしてもミスをすれば生きてはいけない。
厳しい世の中だからこそ、離れてみる分には一種の潔さに美学を感じるのかも。