炎の闘球女 ドッジ弾子 (1) (てんとう虫コミックス)

  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (164ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091436139

作品紹介・あらすじ

伝説のドッジボール漫画再始動! 週刊コロコロコミックで連載中の「炎の闘球女ドッジ弾子」は90年代圧倒的な人気を獲得した「炎の闘球児ドッジ弾平」の正統続編!主人公は弾平の娘弾子!廃部となってしまった闘球部を復活させるため幼馴染の珍子と一緒に仲間を集めに奮闘する! 次から次に現れる美少女メンバー、立ちはだかる宿命のライバル!懐かしいようで新しい現代によみがえる熱血スポーツマンガ、絶対必見! 【編集担当からのおすすめ情報】 掲載即ネットで大バズり!!更新日は毎週トレンド入りし1話のPV数は70万を超え、今最も勢いのあるWEB漫画です!

感想・レビュー・書評

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  • 性癖の博覧会。
    とにかくいろんなロリが登場する。そしてボコボコに(ドッジで)殴りあう。

    こした先生の女児の引き出しの多さにはまじビビる。
    ぽちゃから筋肉質、尊大なのに内気なチビ、巨乳中学生まで揃ってる。もちろん、ぼくっ子も。
    お風呂シーンなどサービスも充実してて、実にすばらしい。
    絵がみずみすしくて、デフォルメも上手い。それでいてアクションシーンの迫力もバッチリ。
    さすがのベテランに拍手。

    わたしは、メガネっ娘なのに顔面でボールを受けるのも辞さないちんこちゃん(メガネ割れてないのはなんで?ハズキルーペなんか?)と、仕えるドッジ狂お嬢様のために華奢な体をバッキバキに鍛えた結果、ロリ顔マッチョに進化したメイドじゅりちゃんが好き。

    キャラクターの魅力に気をとられがちだけど、ストーリーも、少年誌らしくまっすぐで読んでいて楽しい。テンポもいい。
    続きが楽しみです。

  • このかわいさ、美しさは、真摯さ、猛々しさとの合わせ技だ。

    『キン肉マン二世』や『BORUTO』のように、地続きの世界観で明確に親から子へと主人公へとバトンタッチする方式の漫画です。
    ですが、おそらくは親世代の『炎の闘球児 ドッジ弾平』をほぼ知らなくても話に入っていけるかと。
    なお、書いていくうちにネタバレ前提のレビューとなってしまいました。未読の方はご注意ください。

    かつての勇名こそ聞き及んでましたがほぼ馴染みのない自分でも、本作にはすんなり入れましたね。加えてベテランゆえの巧みさを随所に感じます。我々は新たな名作の萌芽を目にしているのかもしれません。
    時に、継承とは伝統の固守でなく時代に合わせた変化があってこそといいます。
    本作は、まさしくそのあらわれのような漫画でした。

    そんなわけで主人公「一撃弾子」は父譲りの、ドッジボール(闘球)に賭ける熱い魂を宿した子です。
    ですが、女の子ということもあってボーイッシュで活発な「ぼくっ子」って形で明確に父と区別化されているのが強いですね。嫌でも後追いにはならないし、父にはない華を彼女自身が抱いています。

    父を越えるというストイックなテーマの中で、さじ加減を間違えて湿っぽい方向に転がっていくこともまずありえないと思います。この種の二世モノに対するベストアンサーのひとつなのではないでしょうか。
    前作主人公が出てこない理由も現時点では死んでる(ことになっている)からというのも上手い。
    彼の出番は主人公たちが足場を固めて「弾子の物語」を確立させたあとでなければというのも納得です。

    一方で前作からの意図的なリフレインやオマージュを行うことで、きちんと受け継がれているものがあると示すのも上手いやり口です。
    たとえば開幕で、死んだ(=死んでない)父の墓石に向けて全力投球という朝の儀式を継承するなど。

    ギャグとシリアスが紙一重なんですが、通しで読むと熱い展開だ! という印象が先に来るのです。
    なお、作中に用意された無数のツッコミ待ちのツッコミどころは、だいたいスルーされます。
    けれどそこは読者にお任せしようという熱い信頼をこした先生はかけてくれているのかもしれませんね。

    それもこれも、なんだかんだで本作はドッジボールをテーマにしたスポーツ漫画なわけですし。
    大体のことはドッジに帰結するよう話を組んでいるのだから仕方ないと言えば仕方ない。
    ギャグを忘れずに、それ以上の勢いで押し流せるパワーを秘めています。
    それこそがこの手のコロコロ漫画の王道にして覇道を行くものの貫禄というべきか。

    というわけで第一巻の流れを説明していきましょう。
    具体的には仲間集め、そして親の代から綿々と繋がる宿命のライバルの登場まで。百二十点満点の導入です。一話につきひとり加入していくペースです。テンポの良さはなにものにも代えがたいですね。

    それでいて個々の仲間がイマドキを意識したビジュアルを備えたヒロインだということもすごい。
    ドッジをする上での得意分野をキャラ立てと並列して描写してくる密度も素晴らしいの一言ですね。
    その上で主人公を筆頭に喜怒哀楽をはっきりさせた表情のうねりが、確かな人間味を演出します。

    弾子とは気心知れ渡った真面目な女房役であり、最初からレベルが高い「小仏珍子」。
    ボールを受け止める緩衝役を担う、ぽやんとした癒し系な「江袋もち子」先輩。
    即戦力のスポーツ女子だけど、スピード特化な節がある「スーザン(以下略)」、通称スージー先輩。
    か弱い実態と虚勢のギャップが(読者から)涙と応援を誘う、テクノロジー女子「音花羽仁衣」ちゃん。

    主人公たちが通う学校が初等部と中等部の一貫校というのも上手いですね。
    コロコロ的なギャグと三頭身くらいのデフォルメ体型と、スタイリッシュな投球と女性らしさを強調する六等身以上のリアル体型を、ごく自然に同じ画面に共存させています。それに主人公チームの年齢層が分かれて、先輩後輩の関係も持ち込めてやり取りの幅が広がると考えれば大成功だと思います。

    けれども、まだフルメンバーは揃っていませんが、このタイミングで現れるのが――。
    男装の麗人とドレスの令嬢を取り合わせた姿が麗しい、前述の親の代から綿々と繋がる宿命のライバルこと「二階堂平子」、親子そろってなんか一撃父子に対する感情が重いヤバい人でした。

    ということで平子お嬢様率いる「聖アローズ」闘球部との第一戦に続く、といったところで引きです。死んでるけれどたぶん死んでない親世代のゆくえが気になりますが、それはそれとして力を認めさせないと後がないというところから第二巻が開始するようです。さっそく気の抜けない本番の幕開けですね。

    以上。
    あとは色々と思ったことを書き連ねたのちにレビューを〆に持って行こうと思います。
    一応触れときたいのが珍子を筆頭に、コロコロ的な下ネタギャグをちょっと擦り過ぎかなーって私個人も思わないでもないということでしょうか。コロコロ掲載作品の宿命なので仕方ないのかもしれませんが。

    ただ、それより目を向けたいのはアニメーション顔負けの、流麗でスムーズな体の運びですね。躍動感に女性のしなやかさが載る上に、漫画的なハッタリも要所で利かせてくれます。
    かと思えば主人公たちが繰り出す超人ワザが現実に存在したら、周りがヤバいよねってあたりめー過ぎる正論がぶつけられて、それを軸に当面の話が動いていくところがなんかシュールで好きです。

    これも時代の流れって奴なのでしょうが、要所要所に危険性について配慮をうかがわせる描写を挟み込んでいるのが芸コマでなんかいいなって思ったりも。
    それから、今後は個人技のみならず連携技やチームプレイにも力を入れる気配も察しています。

    結論、上々を越えた最上の滑り出しだと思います。
    男子と女子はやっぱり違う。親と子は似ていてもやはり違う。平成と令和は字数が同じ。
    よって似ている点、違った点の両面から彼女たちは魅力的なのだと読者に自然と悟らせてくれました。

    さすれば、可愛らしさ、美しさは猛々しいボールのやり取りの中で花開くというわけでした。ゆえに個性豊か過ぎる「闘球女」たちの戦いのゆくえにさっそく目を向けたくなりましたのが、私だったのですね。

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