- Amazon.co.jp ・マンガ (194ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091670786
作品紹介・あらすじ
お待たせしました!海街最新第8巻発売!
鎌倉を舞台に繰り広げられる四姉妹の物語、最新刊。
家のゴミ箱で見つけてしまった妊娠検査薬のことを誰にも相談できず、気持ちが落ち着かないすず。そんなとき、地蔵堂の軒下で眠っている千佳を見つけて、彼女の秘密も知ってしまい・・・。
姉達には隠したまま、千佳とある願掛けに出掛けるすずだが、そこで事件が・・・。
そして姉妹それぞれの恋が、大きく動き始めて!?
感想・レビュー・書評
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前回は、6巻まで読んでいた。ということをすっかり忘れて、4巻から読み始めたのだけど、夢中になってじっくりと四姉妹のお話に目を傾けた。
思えば、4巻目ぐらいから四姉妹とも見事に「恋」を始め、8巻目で、とってもとっても「現実味」ある、「現実ではなかなか無い」恋を成就させた。
すずが「ゼロからのスタートには慣れている」と言ったり、チカちゃんは赤ン坊が出来たり、恋の狩人佳乃は、流石、坂下課長をほぼ掌中のものにしたし、幸姉はまともな恋を始めた。もうまるで終わりの巻なのかと思ったが、どうもまだ終わらないらしい。
彼女たちは恋も生活も、海街で、河よりも長くゆるやかに、それぞれ
の仕方で味わっている。もしかしたら、作者は死ぬまで四姉妹に付き合うつもりなのかもしれない。
吉田秋生の描く女性は、30年以上も前から生活感のある、肉体を持った大人な女性だった。谷崎潤一郎『細雪』が、戦前昭和の大人女性群像を描いたのだとしたら、吉田秋生は、小説では描けない漫画という地平から、新たな現代四姉妹像を描こうとしているのかもしれない。
2018年11月読了詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ゆっくりだけど、確実に時間は流れているのだなぁ…ということを実感させられたこの8巻。
4姉妹のみならず、周囲の人々も少しずつ変わっていく。その描写が、相変わらず繊細。苦いけど甘い、痛いけど優しい。妊娠したチカに対して、ズレた反応の実母に対し…がっかりだけど、血のつながりに対して過度なことは期待できないよなとシビアに思う。「こうであってほしいという思いが裏切られたとき失望は大きくなる 幻想とはそういうものだ」とのセリフが深く響いた。でも、血縁が全てじゃないということを教えてくれたのもまたこの作品なのだ。
今回は割と皆が前向きに新しいスタートに向かって歩んでいく…感じがしたけど、すんなりエンディングとなるのか、それともまた何かがあるのか、想像が出来ないなぁ…。お別れするのは寂しいけれど、色々あって収まるべきところに収まりそうな4姉妹のこれまでを思うと、よかったよなぁとまるで親戚のように思ってしまう。そういう読者は多いはず。
そして今回は、チカの安産祈願・浜田のエベレスト登頂安全祈願の鎌倉パワスポ巡りがよかった。まだまだ知らない名所がたくさんあるよ、鎌倉。草鞋のお守り、かわいかった!
「ラヴァーズ・キス」とのリンクがファンとしては嬉しいのだが、最近少ないなと思っていたところにちょっぴり緒方兄が出てきてくれた。ああいう場面でのああいうセリフ、ちょっと意味深と思ったり。
皆が幸せになれますように…と、祈りながら次巻を待ちます。 -
また蝉時雨が鳴りはじめて、月のあかりの下で終わりに向けていく。第1巻のタイトルを意識しているのかな。
でもたとえシリーズが終わりを迎えようとも、香田家の人とその周りの人はそれぞれの人生をまとっていくのだろう。
それぞれが次の着地点に辿り着いた一巻だ。
そして風太の成長が毎回微笑ましい。絶対いいオトコになる。マサもおもしろいだけどね。
次巻が待ち遠しい。 -
進路を決めたすずにはその他にも気になることがあって・・抱えるには大きすぎる秘密。
よっちゃんの機転、すごい!「登山家としての誇りを傷つけるところだった」といった幸ちゃんもすごい。
鎌倉のパワースポット巡り、いいなぁ。私も行ってみたい。 -
主人公すずの卒業後の進路決定に加え、4姉妹それぞれに物語が動き始めて完結に向かいつつあるのかな、という展開。
今巻も鎌倉の風景が丁寧に描かれていて鎌倉が好きな自分としては満足