おとなになるのび太たちへ: 人生を変える『ドラえもん』セレクション
- 小学館 (2020年9月3日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784092272279
作品紹介・あらすじ
夢をかなえるドラえもんコミックス
子どもたちが憧れる職業についた10人のおとなが、
てんとう虫コミックス『ドラえもん』から、
選りすぐりの1話をレコメンド!
夢をかなえるために、
人生で必要なことを教えてくれます。
猪子寿之(チーム・ラボ)/アーティスト
「アスレチック・ハウス」
梅原大吾/eスポーツプレイヤー
「あやとり世界」
梶 裕貴/声優
「さよなら、ドラえもん」
亀山達治(tuperatupera)/イラストレーター・絵本作家
「オモイコミン」
菅田将暉/俳優・歌手
「サンタメール」
田村優/プロラグビー選手
「なかまいりせんこう」
辻村深月/小説家
「ぼくよりダメなやつがきた」
なかしましほ/お菓子研究家
「だいこんダンスパーティー」
はなお(はなおでんがん)/YouTuber
「思い出せ!あの日の感動」
向井千秋/宇宙飛行士
「野比家が無重力」
【編集担当からのおすすめ情報】
誕生から50年がすぎた現在でも、
読み継がれているドラえもんのコミックス。
本書は、思春期の子どもたちにむけて、
人生の指針となる10話を、
それぞれの職業で日本を代表する10名に
選んでいただきました。
自分はなにになりたいのか、
どう生きたいのか、
迷っている子どもたちの
道標となる1冊です。
感想・レビュー・書評
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ドラえもんの漫画、懐かしく読ませてもらいました。中でも辻村深月さんおすすめの「ぼくよりダメなやつがきた」が良かったです。辻村さんが語るエピソードの中の「将来の夢って、いつか自然と決まるものだと思っていたんだけど、なりたい人はもう始めてるんだ…」という一文が心に響きました。
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ドラえもんの道具で私が一番好きな物、というか欲しい物は「どこでもドア」。通勤時に使いたい^_^
それはさておき、ドラえもんは小さい時から読んで観て、とても好きでした。
当時は特に何も考えずに、ただマンガを読んで、アニメ観て笑っていただけなんですが、大人になった今思うと沢山の学びがあることに気付かされます。
現在、各方面で活躍されている方からのコメントが紹介されているんですが、特に、辻村深月さんのコメントが心に残りました。 -
高校生の時、部活をしながらアルバイトをしていました。アルバイトをしなければ、部費も払えない。コンタクトレンズも買えない。毎月の携帯代も払えない。だからアルバイトをしていました。
ある日たまたまアルバイトの時間と部活の時間が重なって、1時間早く抜けないといけなくなった日がありました。
同い年の部長に相談すると、「アルバイトの為に途中で抜けるなんて有り得ない」と強く批判されました。
初めての失恋よりも傷付いた、当時のわたしにとって大きな出来事でした。
この本は、夢を叶えた10人の大人の『ドラえもん』を通じて伝えたい事が連ねられています。
その中で、声優・梶裕貴さんの「例えネガティブなことであっても、その時に経験した感情は、かけがえのない財産となる。そしてそこで得た経験をもとに生まれた想像力は、後の人生において、必ず武器になってくれる」というフレーズが、傷付いた高校生のじぶんと重なって、心に強く響きました。
無知は他人を傷付ける。
部長にはわたしが部費も携帯代もじぶんで払っている事を伝えてはいたけれど、実際に想像出来なかったのだと思います。
少額だとしても毎月お小遣いをもらい、携帯代を払ってもらい、ノートが無くなれば買ってもらえる。
それが一般的です。だから、それが普通ではない家庭のわたしの状況を想像出来なかったらのだと思います。
いまではそう思えるけれど、当時のわたしはもの凄く傷付きました。好きでアルバイトしてる訳じゃない。遊びにだって行きたい。お小遣いもほしい。
けれど、当時のわたしは「アルバイトをしないと部活もできないわたし」が全てだったから。わたしが世界だったから。だから部長がどうしてあんな風に言ったのかを想像出来なかった。
わたしも、部長も、お互い知識や経験が足りなかったから、お互いを傷付け合ってしまった。どちらが悪い訳でもないはずなのに。
この経験から、本を沢山読むようになり、人と沢山会話をするようになり、映画を沢山観るようになりました。
じぶんの経験だけじゃ足りなくて、感性を身につける事に必死でした。いまも変わらず。
それは決して自己満足だけではなく、じぶんの無知から他人を傷付けるのを少しでも減らしたいから。
凄く私的な感想になってしまいましたが、『ドラえもん』は、これだけ沢山の回があるにも関わらず、どれもこれも考えさせられるものばかり。
アッサリしていて読み易いので、中高生に是非読んで頂きたい1冊です。
そしてわたしと同じ社会人の皆さんにも。
きっと昔とは視点がまるで違います。気付かされる事もあれば、過去のじぶん(インナーチャイルド)と向き合える機会にも成り得る1冊。
是非手に取って頂きたいです。
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各界で活躍する10人のおとなたちからドラえもんの作品を通して伝えたいメッセージ。
梶裕貴さん・・・「自分の経験をもとに、他人の気持ちを想像するということ」
辻村深月さん・・・「世の中には、もっと広い範囲にたくさんの価値観があって、そこでの‟できる“もまたたくさんある」
向井千秋さん・・・「自分の『当たり前』が相手の『当たり前』ではないと思って接することで、対等な関係でお互いを尊重し合える」
ドラえもんってやっぱり深い。-
私は辻村深月さんの解説に涙ぐんでしまいました。学校での価値観に、染まりきれず、染まりがちなんですよね、、自戒を込めて。私は辻村深月さんの解説に涙ぐんでしまいました。学校での価値観に、染まりきれず、染まりがちなんですよね、、自戒を込めて。2021/01/31
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eスポーツプレーヤー、声優、YouTuber、俳優、小説家、宇宙飛行士...などなど、子供たちが興味を持つような職業の方々が、それぞれドラえもんの中から1話を選び、そのマンガの後に子供たちへのメッセージが綴られています。
ブログにて詳しいレビューしています*
https://happybooks.fun/entry/2021/11/10/173000 -
子どもの頃にたくさん読んだドラえもん。
大人になって読むと、子どもの頃には気づかなかった新しい視点があり深い。
辻村深月さんの話は、さすがでした。
いい子とダメな子。
学校の中だけではなく、もっと広い範囲にたくさんの価値観がある。
たくさんの子どもに読んで欲しい。 -
寄稿しているメンツもすごいし、それぞれの方々の生き方にバッチリ合うドラえもんのお話があるのもすごい。数多くの人々の人生に多大な影響を与えている、日本の誇り、ドラえもん。
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夢を叶えた大人たちが、子供たちに向けて夢を持つことの大切さをドラえもんのエピソードとともに語る『大人から子供へ』の手紙集。
ドラえもん、コミックはちゃんと読んだことなかったから知らない話ばかりだった。良い話が多い。ちゃんと読みたくなった。 -
タイトルとパッケージに惹かれて手に取った。
様々な著名人が、好きなドラえもんの話を紹介する流れの本
ドラえもんは漫画で読むのは初めてだったが、非常に面白かった。
同じ話でもその時々で受け取り方が違うのが名作なのだなと実感した。 -
夢を叶えた10人の大人が『ドラえもん』の好きなエピソードを選び、これから大人になっていく子どもたちへ思いを伝えるという一冊。選んだエピソードがそのまま収録されていて、その後に大人たちの言葉が4~6ページほどで綴られている。プロゲーマーの梅原さん、俳優の菅田さんの文章が気になって手に取ったけど、どの人の思いもエピソードとともに伝わってきてよかった。
ドラえもんを大人になって改めて読んでみても、これほどユーモアたっぷりにSFと人間を描いた作品は類を見ないなと実感した。『ぼくよりダメなやつがきた』で描かれたのび太の優越感の残酷さと最後の友情は、大人の視点で見た方が鮮やかに映ってグサりときた。
辻村深月先生の実体験でのお話も素敵だった。優越感や劣等感を超えて、お互いを尊敬・尊重し合うところにはじめて友情が生まれるんだなと。向井千秋さんの「自分の『当たり前』が相手の当たり前ではないと接することで、対等な関係で、お互いを尊重し合えるいい仲間になります。」という言葉にも繋がるよね。
梅原さんの「他の人が諦めたところからが自分の時間だぞ」という言葉も印象深い。梅原さんが言うと説得力もすごいし、ストイックな中にも前向きな響きがあっていいなと。
菅田さんが「新しいものって減ってきませんか?」という問いかけに答えた福山雅治さんの「それはね、自分で作っていくしかないんだよね」という一言も好き。受け身じゃなく、自分から新しいものを作って、自分も誰かも楽しませるってそれ自体が面白いことなんだよね。
『思いだせ!あの日の感動』や『りっぱなパパになるぞ!』のエピソードも大人になったからこそ別の角度で読めてよかった。この本は子どもに向けてだけじゃなく、大人へ子どもの頃の素直な気持ちを思い出すきっかけを与えてくれる本でもあるんだと感じた。ここに文章を書いている人たちはすごい人たちばかりだけど、「りっぱすぎる決心は、きっと三日ぼうずになるから。」というドラえもんの言葉を傍に置いて、自分の目標に向けて少しずつ頑張っていきたいね。