- Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
- / ISBN・EAN: 9784092897632
作品紹介・あらすじ
とんでもない弱点を持つユウタの成長物語
主人公の少年ユウタは、人には言えない弱点を持っていた。そのせいで、ちょっと人が苦手で、あまり友だちがいない。
そんなある夏休み、おじさんの別荘に行くことになった。
でも、そこは想像していたのとはぜんぜん違った。
5時間ものつら~い山登りの末にたどりついたのは、電気も通ってない山小屋だったのだ。
おじさんは、大学の先生で、山の保全について研究している。この山で、おじさんたちは、生徒たちとフィールドワークしているのだった。山で出会った若者たちの、どろどろになりながら作業をしている姿が、あまりに楽しそうで、ユウタもつい引き込まれてしまう。最初は、こんなはずじゃなかったと、さめていたのだが、一緒に作業するうちに、自分の居場所を見つけてしまったようだ。
「山にのぼると、人が変わるってことがよくあるけど」って、おじさんが言うとおり、ユウタもそうなのかもしれない。
学校では、あまり人とは関わらないように、一人でいることが多かったユウタも、山での生活で、少しずつ変化していく。
何がユウタを変えたのか? ユウタは弱点を乗りこえられるのか?
とんでもない山小屋での予想を超えた体験物語。
【編集担当からのおすすめ情報】
前作品『川床にえくぼが三つ』で小学館児童出版文化賞を受賞したにしがきようこさんの新作。
本作品は、山のさわやかな、すがすがしい情景が目に浮かぶような作品。山の自然と生き物が生き生きと描かれています。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
タイトルも表紙も地味だが面白かった。
研究者のおじに連れられて、(勘違いから)山に登って数日間を過ごす話。
山の上での活動や人間関係が(地味だが)面白い。
後半は意外と大きな事件が起きる。 -
私も山に行くので、登山ネタが色々あって楽しい。
環境が変わると、視点も変わる。
主人公ぐらいの年齢の子にはこういった、世界は広いんだよって気づくキッカケがあると、いいんだろうな。
ユイさんとヒメさんの一悶着は、結局なんだったのか?そこがちょっと気になる。 -
めっちゃくちゃよかったわ。
なんどもぐっとこみ上げるものがあった。
確かに自分の心に残った。
語彙力があれば、もっとこの本のよさが伝えられるかもしれないのに。
そう思うくらい良かったってこと。 -
山に行ったおとなしめの少年。山はすばらしい、だけではない猛威を振るうクライマックスは圧巻。
-
中学生の雄太は転校が多く、今の学校でも親しい友人はいない。夏休みの予定はなかったが、遊びに来たおじさんに誘われえて山の別荘へ行くことになる。静かな山の別荘でゲーム三昧と思っていたが、なんとそこは山の避難小屋。大学の研究室の仲間たちがボランティアで山道の修繕をしているのだった。想像したことのない山での生活に戸惑いながらも、少しづつ山の生活に溶け込んでいき、何もできないと思っていた雄太も少しづつ変わっていく。
おじさんの山の仲間たちのペースに自分のこれまでの生活を少しづつ考えるようになっていく雄太。面白いけれど、中学生が読んで面白いと感動するのかと疑問が…。 -
夏休み、おじさんの「別荘」で過ごすことになったぼく。涼しい高原でゲーム三昧と思っていたのに、いきなり登山!別荘って、山小屋のことなの? それでも毎日体を動かすうちに、ぼくの中で何かが変わり始めた。
クラスに溶け込むことができなかった、ある「原因」が、山の上で仲間を救う。