川床にえくぼが三つ

  • 小学館
3.13
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本棚登録 : 69
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784092905825

作品紹介・あらすじ

ラッキーガールズのひと夏の冒険

作者にしがきようこさんは、デビュー作で、椋鳩十児童文学賞、児童文学者協会長編児童文学新人賞を受賞。本作品は、4作品目となります。

主人公の文音は、中学2年の夏休み、親戚のお姉さんの研究についてインドネシアに行くことになる。初めての海外に、期待に胸はふくらむとともに、不安もいっぱいだった。これから行くところはどんなところなのか、事前に少しは調べてはいたものの、ついた途端に、飛行場の喧噪や、その空気、臭いに圧倒されてしまう。お姉さんの研究は、化石の発掘調査だ。たった8日間の滞在だけれども、文音は、どんな体験をするのだろうか?

文音の出会ったカルチャーショックと冒険と友情の物語。


【編集担当からのおすすめ情報】
本作品は、デビューのきっかけとなった毎日児童小説コンクール優秀賞受賞作品を大幅に改稿した作品です。
作者が、かつてジャワ島の地方都市で暮らしたときに見聞きした体験をもとに、長年温めてできあがった物語です。実体験をもとにしている分、作品は、生き生きとその世界を絵描き出しています。
みずみずしくもさわやかな、少女たちの発見と友情物語です。

感想・レビュー・書評

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  • 異国「インドネシア」での体験が、「文音」自身の成長だけでなく、友達の「華」と改めて向き合い、お互いを見つめ直すきっかけにもなった物語の構成には、児童書としての説得力を感じました。

    また、文音の成長の鍵となるのが、周りの大人たちというのも、頷けるものがありました。未来へつなぐことの大切さを、大人たちが伝えられる関係性の重要さが。

    ただ、未来があることの素晴らしさを教えてくれても、それをどう捉えるかは、受け手側次第ということもあるので、この辺は読む人それぞれで、考え方が異なるかなとは思いますが、ポジティブな思考は、読んでいて気分が明るくなるのも確か。インドネシアならではの、お礼にはお礼で返すというのも、微笑ましいものを感じさせます。

    そして、そう感じさせるのは、やはり、作者自身の体験が大きいと思っていて、その国ならではの、良い点も悪い点もひっくるめて、面白さを交えながらの描写には、興味をそそられるものがありました。アザーンの種類が色々あるというのも面白い。

    また、その中でも、その国にはその国の理があることの重要さもしっかり取り上げられていて、外国に行った時、日本人は外国人であるという、一見、当たり前のようなことに、目から鱗の思いをしたのが印象的でした。時に、そういった見えない部分を汲み取れる個性を持つ、文音の「おじゃましてます」の言葉には、さらさらと心地好い爽やかなものを感じました。

  • 親戚の研究者について、夏休みにインドネシアに行った女子中学生二人の成長と友情を描いた爽やかな物語。
    情景描写が見事!
    私はインドネシアを訪れたことはないのだけど、激しい日差しやスコールを肌に受けている気さえした。
    主人公の心理、二人の関係についても丁寧に書かれていて、するする入って来る。
    一風変わったタイトルの理由には驚いた。
    とても小さな個人的な話と、とても壮大な過去から未来の話の関わり方も好き。
    大人たちが二人が来たことを喜ぶ理由も良かったなぁ。

  • 「主人公の文音は、中学2年の夏休み、親戚のお姉さんの研究についてインドネシアに行くことになる。初めての海外に、期待に胸はふくらむとともに、不安もいっぱいだった。これから行くところはどんなところなのか、事前に少しは調べてはいたものの、ついた途端に、飛行場の喧噪や、その空気、臭いに圧倒されてしまう。お姉さんの研究は、化石の発掘調査だ。たった8日間の滞在だけれども、文音は、どんな体験をするのだろうか?
    文音の出会ったカルチャーショックと冒険と友情の物語。」

    ・初めての場所ではひどく緊張してしまう。主人公の少女は不器用でつまづきやすく、物語の序盤はそこがもどかしい。
    「しかし不思議にも、先へ、先へと話が進むほどに、そうした文音の負の要素が、逆に彼女の魅力として輝きだすのである。作中で変化を遂げる主人公は少なくないけれど、読み手の「見る目」を変化させてくれる主人公とはそうそう出会えない。本書を読み終えたときには(文音が)たまらなく愛おしくなっていること、間違いなし!」(『10代のためのYAブックガイド150!2』ポプラ社 より抜粋)

  • 森絵都さんおすすめ本
    女子の友情ものだったら、ちょっとつまんないけど
    このお話は、大人がやさしいんだなぁ
    お説教するんじゃなくて、希望を教えてくれるっていうか
    現地の人たちもやさしくっていいなあ!
    50万年前のジャワ原人を調査している背景や、インドネシアでの生活を知ることが出来てよかったです!

  • インドネシアという異国て育まれる主人公二人の友情が愛おしいです。

  • 中学二年生の二人の少女(文音と華)が夏休みにインドネシアジャワ島のソロで発掘する調査をしている文音の叔母の楓子の発掘現場へ行く。

    現地で熱病にかかったり、五十万年前の化石を発見したりと大忙し。

    異国の地で、向き合いながら、二人の友情についても考える機会になる

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著者プロフィール

児童文学作家

「2021年 『イカル荘へようこそ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

にしがきようこの作品

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