- Amazon.co.jp ・本 (383ページ)
- / ISBN・EAN: 9784092906365
作品紹介・あらすじ
鳥の足がはえた家にすむ少女の成長物語
「わたしの家には鳥の足がはえている。家は、年に二、三度、夜中にすっくと立ち上がり、猛スピードで走り出す。」(冒頭文抜粋)
少女マリンカが祖母のバーバと住む不思議な家には、あの世とこの世の境界を守る秘密の「門」がある。バーバはこの門の番人で、マリンカも将来番人になることを運命づけられてきた。
しかし、マリンカは、毎晩「門」を目指して訪ねてくる死者達を美味しい料理と楽しい音楽でもてなし、星へ還すバーバの仕事を手伝っている。
でも本当は、その仕事に明け暮れる人生ではなく、生きている人たちの世界で友だちを作って遊ぶことを夢みる少女で、自分の運命は自分で決めたいと、もがき、あらがい、行動していく。
ロシア民話「バーバ・ヤーガ」をモチーフに、家族の愛情と絆、少女の葛藤と成長、そして人生を自分の足で歩むことへのエールを描いた長編ファンタジーです。
【編集担当からのおすすめ情報】
毎晩死者が訪ねてくる「家」とは、何とも不気味で恐ろしい・・・・・・。しかし、そこで夜な夜な行われているのは、美味しい料理と楽しい音楽、どんな人生も祝福し、死者をなぐさめ、無事に星へ還す、という、とても心安らぐ宴です。
主人公マリンカの成長を見守る「家」は、さながら、思春期の娘をもつお母さんのよう。
2019年のカーネギー賞のショートリストにノミネートした作品です。
感想・レビュー・書評
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Sophie Anderson – 'Heart-stirring storytelling' – The Sunday Times
https://sophieandersonauthor.com
Saara Katariina Söderlund
http://www.saarakatariina.com
ヤーガの走る家 | 小学館
https://www.shogakukan.co.jp/books/09290636
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王谷晶さんの『ババヤガの夜』を読み終えた直後に見かけ、おおババヤガだ…とそれだけで手に取ったのだけど、面白かった!
死者を向こう側へ送り出すバーバと共に、「走る家」で暮らすマリンカ。
12歳の彼女の感情や行動がわかるわかるわかると痛いくらいだった。
浅はかで自分勝手なんだ、でも子どもは必死なんだ…。
むしろ子どもは自分優先であっていいよと、マリンカを抱きしめたい気持ちで読んだ。
やることなすこと悪い方へ向かってしまうのが苦しい。
でも、バーバや家やジャックといったマリンカを取り巻くキャラクターがとても良く、マリンカと共に支えられているようだった。
ずっととても丁寧に書かれていただけに、終盤ちょっと駆け足かな…と感じたのだけど、それもマリンカや皆ともう少し一緒にいたかったからかもしれない。
装丁、挿画もぴったり! -
死者をもてなして星に帰す役割をもつ"ヤーガ"(見習い)でありながら、普通の女の子として遊びたい気持ちが抑えきれずに周りに当たってしまうマリンカ。受け止められない現実に目を背けて空回りしてしまう彼女をひたむきに支える「家」が印象的でした。足が生え、意思を持ち生きている家は面白くて可愛いなぁ♡長編作品なので読み応えもあって面白かったです‼︎
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主人公の頑固なところに呆れたが
運命を切り開こうって気持ちは
わからなくもない -
設定や心理描写は魅力的。ハウルの影響もありそう。ただ、どうしてもしつこさを感じてしまった。あまりにも繰り返されるマリンカの心理を整理した方が、読み進めやすいかもしれない。訳者あとがきからも。
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ロシア民話をベースに、将来をヤーガとして生きることを運命付けられた少女の成長物語。
マリンカを通じて、自分が今ここにいる意味を考えさせられました。 -
ロシア民話をモチーフにした物語。死者を導くヤーガの家に住む少女マリンカはヤーガになりたくなかった。
これは家に縛られた女性の葛藤の話かも。決められた運命に抗うことはワガママなのか。自分の未来を自分で決めた先にある希望。 -
死者と生者を結び、死者の魂を成仏させることを生業とするヤーガ。ヤーガのバーバと、次の門番を任されるマリンカ。マリンカの成長物語。