自民党の統一教会汚染 追跡3000日

著者 :
  • 小学館
4.22
  • (39)
  • (35)
  • (10)
  • (2)
  • (2)
本棚登録 : 407
感想 : 47
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093801232

作品紹介・あらすじ

安倍元首相と教団、本当の関係。 メディアが統一教会と政治家の関係をタブーとするなか、教団と政治家の圧力に屈せずただひとり、問題を追及しつづけてきたジャーナリストがすべてを記録した衝撃レポート、緊急刊行!〈事件の10カ月前、この宗教団体のフロント機関が主催するオンライン集会に予め撮影したビデオメッセージでリモート登壇した安倍は基調演説の中で、教団の最高権力者への賛辞を述べていた。全世界へ配信された安倍の基調演説を見た山上は犯行を決意。この”動機”は山上の単なる勘違いなのか、それとも一定以上の確度をもって裏付けられるものなのか。その検証は第2次安倍政権発足後、9年間、3000日以上にわたって自民党とこの宗教団体の関係性を追ってきた私だけがなし得るものだった。日本の憲政史上最も長い期間、内閣総理大臣を務めた安倍が殺害されるに至った道程を記す。〉(プロローグより) 【編集担当からのおすすめ情報】 事件以降、次々と明るみになる自民党と旧統一教会の関係を、その何年も前から追い続けていたのが鈴木エイト氏です。鈴木氏は、刊行の当てもないままこの本の元となった原稿を以前から書きためていました。テレビ出演など大忙しのなかその原稿に大幅加筆し、この緊急刊行にこぎ着けることができました。圧力に屈せず真実をひたすらに追い続けたジャーナリストの、覚悟と努力の集大成です。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 【感想】
    安倍晋三がUPFジャパン(統一教会の友好団体)のビデオに出演し、韓鶴子総裁に賛辞を贈る映像を見た時は衝撃だった。私は、山上徹也が暗殺事件後に洩らした「(安倍と教団に)つながりがあると思った」という発言を、陰謀論に毒された人間の根も葉もない妄想だと考えていた。しかし、メッセージを寄せるほど安倍と教会とが近い関係にあり、かつ自民党が党ぐるみでカルト教団の支援を受けていると報道されたとき、供述の全てが真実だと分かり愕然としたのである。

    本書は、安倍晋三を始めとする自民党議員と統一教会の関連性を追ったルポルタージュである。筆者の鈴木エイト氏は「9年間、3000日以上にわたって自民党とこの宗教団体の関係性を追ってきた私だけがなし得るものだった」と豪語しており、事実、本書以上に両者の関係に詳しく切り込んでいるメディアは皆無である。

    では、第2次安倍政権発足以降、自民党と統一教会はどのように関係を築いてきたのか。
    その最たるものが、統一教会による政治家への働きかけである。

    自民党が統一教会を頼る上での一番のうま味は、選挙活動の支援だ。統一教会は創価学会とは違い単独で複数の国会議員を擁立できるほどの票数は持っておらず、「組織票」としては8万票ほどだ。しかし、有権者数の少ない地方や比例選においては、教会の組織票のおかげで当選できた候補者は少なくない。かつ、統一教会は2世信者を派遣し、選挙運動を効率的に支援してきた。これは地盤・看板・鞄の「3バン」を持たない無名候補にとっては非常に強力な後ろ盾で、後援会を結成し事務所スタッフから選挙運動員まで必要な人員を派遣してくれる統一教会は有用な存在であった。

    一方、統一教会側のメリットとしては2つある。
    1つ目は政権に近づくことでの体制庇護だ。かつて統一教会系の霊感商法店舗が、特定商取引法違反で全国的な摘発を受けたことがあった。その追及が東京の本部教会にまで至ること、宗教法人の解散命令へ発展することを危惧した教団本部は、複数の有力な警察官僚出身の国会議員へ庇護を求めた。国際勝共連合(統一教会を母体とする反共主義の政治団体)の梶栗玄太郎会長がこれらの国会議員(亀井静香と小野次郎と考えられている)に懇願したとされ、結果として教団本部への家宅捜索は実現しなかった。以降、警察が教団本部を捜索した事例はない。
    2つ目は、教団が目論む「国家復帰」計画の成就である。「国家復帰」とは、統一教会を日本の国教にしようとする教団の運動である。政権の庇護の下で組織の体制保護と勢力拡大を図りつつ、個別の国会議員に原理教育を施して取り込み、最終的には国の指導者を統一教会の教祖の主管の下に置くという計画だ。その実現のため、統一教会は、総会や定例会に多くの国会議員を出席させることを自民党に要求している。

    自民党にすり寄っておきながら反日活動を展開するというダブスタが「統一教会」の真の姿である。そしてそんなカルト教団と、韓国への強気の対応で知られる安倍が、実は裏で繋がっていたのだ。国政選挙に勝つため、そして改憲のための議席を集めるため、国のトップがなりふり構わず「反社会的団体」と取引してきた。これでは山上が「安倍晋三こそ教団のトップである」と誤認してもおかしくはない。
    暗殺の原因は、政治的野心を満たすためだけに被害者を見捨てた、自らの不義にあったのだ。

    ――山上徹也の起こした事件は決して正当化されることではない。安倍が暗殺されるに至った事件の背景には、政治家がカルト被害者のさらに背後にいる被害者、カルト被害者の家族——特に子供の被害実態を見ておらず、軽視および放置していたことも要因の一つだ。本来、政治家はそのような社会的弱者に目を向けるべきである。にもかかわらず、選挙に勝つことや、保身に走り「使わなくては損」とばかりに安易に教団やそのフロント組織と関係を持ち、そのような反社会的なカルト団体を積極的に受け入れ、バーター取引をしてきた政治家たちの道義的な責任は限りなく重い。
    ――――――――――――――――――――――

    【まとめ】
    1 安倍政権との癒着
    2013年夏の参院選で自民党から比例全国区に立候補し当選を果たした元産経新聞政治部長・北村経夫参院議員。日本統一教会は、北村への「後援」、つまり組織票支援と選挙運動を当時の首相――安倍晋三・第96代内閣総理大臣からじきじきに依頼されていた。そしてその見返りとして、「教団への警察の捜査を先送りにしてもらう」との話が教団信者に伝わっていた。
    北村陣営の福岡選挙事務所の手伝いをしていた若手保守運動家によると、北村は選挙運動期間中、秘密裏に福岡県内の統一教会の地区教会2か所に赴き礼拝に参加、講演を行ったという。北村の事務所の選対部長はこの行動について「菅官房長官の仕切り」と発言したとされている。
    北村を当選させるべく、教団本部は全国の信者へ期日前投票をするよう地区教会経由で指示、各地区教会の責任者には7月5日から7日の3日間の毎日の投票実績を松濤本部へ報告するよう課した。
    メールによる投票依頼は公職選挙法違反であるが、統一教会本部広報局は、「教会本部では、国民の義務として教会員に対して選挙に行くよう指導はしていますが、特定の政党や特定の候補者への投票を指示するようなことはしておりません」と否定している。

    では、いつから安倍晋三自身は教団サイドと緊密な関係になったのか。
    ターニングポイントは自身が2度目の政権を奪取した2012年12月だ。安倍は悲願である憲法改正の実現に向け、長期安定政権を目論んだ。そこで、組織票にとどまらず無尽蔵の人員を派遣してくれる使い勝手の良い教団を利用しない手はなかったのだろう。安倍は目先の国政選挙や改憲運動を進めるために、最も関係を持ってはいけない相手からのアプローチを受け入れた。
    翌13年3月15日、都内で開催された国際勝共連合の新会長就任パーティー「新会長就任の集い」に多くの自民党国会議員が出席した。そして7月の参院選に繋がっていった。


    2 国家復帰計画
    「国家復帰」とは、統一教会を日本の国教にしようとする教団の運動である。
    2016年、統一教会はフロント組織・UPF(天宙平和連合)を前面に立て、『世界平和国会議員連合(IAPP)』なる国会議員連合組織を世界各地の大陸別、国家別に順次立ち上げた。16年2月に韓国の大韓民国国会会館で開催した発起人大会を皮切りに、7月にネパールで、8月にブルキナファソで、9月にイギリスでと、世界各地においてIAPPの創設を進める大会が開かれた。
    日本でも11月17日、参議院議員会館特別会議室でIAPPの創設大会『ILC(国際指導者会議)―JAPAN2016』が開かれた。情報筋によると、この大会に閣僚5人を含む国会議員63人が参加。ほとんどが自民党議員で、代理出席の議員秘書を含めると総勢100人以上が出席したという。

    表向きには「平和運動」とされているこの世界平和国会議員連合を、統一教会が世界各地で設立する目的は何か。入手した教団内部資料には、「国家復帰戦略」として、2020年までに世界の7か国で統一教会をその国の宗教、つまり国教とするための途方もない計画が詳らかにされていた。

    資料には、“国家復帰”とは「真の父母様の主権によって国家を動かすことのできるすべての基盤の造成」と書かれている。そして「人類の使命は真の父母様の民となることです。ですから国家復帰が重要です」とあり、人類は統一教会の教祖夫妻に侍る存在との設定だ。さらに「10の大陸から21の特別戦略国家候補選定」として、韓鶴子の言葉が引用されている。
    「私がこの地上にいる間にしなければなりません。2020年までに戦略国家と摂理国家のすべてが国家復帰できれば良いのですが、少なくとも7か国以上は必ず国家復帰をしなければなりません」
    資料には「国家復帰の対象国として7か国を選定、戦略国家 摂理国家」とある。対象7か国の中には日本も入っており、政権と緊密な関係にある日本は格好の国家復帰の場だ。
    ただ、日本では憲法を改正しない限り、特定の宗教・宗派を国教として制定できない。そこで考えられる手段は、政権の庇護の下で組織の体制保護と勢力拡大を図りつつ、個別の国会議員に原理教育を施して取り込み、最終的には国の指導者を真の父母の主管の下に置くという方法だ。

    2016年12月、韓鶴子総裁は「1万人の食口(信者)基盤」つまり「信者数1万人の達成」を果たした都道府県に赴き大規模なフェスティバルを開催するとして、伝道強化を発令。第1弾として17年5月14日・母の日、東京・有明コロシアムで1万人集会『孝情文化フェスティバルin TOKYO」が開かれた。その半年後に千葉、名古屋、大阪で同規模の1万人集会が連続して開かれている。
    これらの集会には開催地区から選出された複数の自民党国会議員が来賓として出席している。大阪の1万人集会では、同党の国会議員と代理出席の秘書が12人参加し、幕張大会では菅官房長官に近しい島村大参院議員(神奈川選挙区)の他、豊田俊郎参院議員(千葉選挙区/内閣府大臣政務官)が来賓挨拶を行い、山際大志郎衆院議員も出席していたとの情報があった。


    3 日本人は許すことのできない民族
    韓鶴子総裁はある講演で「みことば」を語っている。
    「人間的に考えれば、(日本人は)許すことができない民族です。しかし、天の摂理において、真の父母は日本を、世界のために生きるエバ国、母の国として祝福しました」「母の特徴は、自分を顧みず、子供のためならばすべてのものを惜しまずに与えます」
    前日に開かれた祝勝会でも「日本、特に指導者層の人たちは、近代史における過ちをはっきりと認めなければならない」と発言、日本の教団幹部に「ちゃんと日本の指導者たちに、正しい歴史観を教育しなさい」と指示した。そんな韓鶴子の願いは、「日本が母の国の使命を全うすること」だという。
    「人間的に考えれば許すことができない民族」と贖罪意識を植え付けられた母の国、日本の信者は「自分を顧みず全てを惜しみなく与え」続け、2018年まで毎年300億円を韓鶴子へ「TP(真の父母)感謝献金」として納めてきた(2019年は100億円に減額)。その原資はもちろん霊感商法やエンドレス高額献金など様々な手段で日本人から集められたお金である。日本に課せられている役割とは、つまり献金のための財布なのだ。

    また、韓鶴子は特別集会の場で「国の最高指導者を(私たちの教えで)打ち負かさなければなりません。屈伏させなければなりません」と発言している。つまり安倍晋三総理大臣を「自分たちに侍る存在」として見ていることに他ならない。

    これまで統一教会・勝共連合は長年にわたって自民党議員を中心に秘書・運動員などを提供し、近年の国政選挙では安倍首相の依頼で特定候補者に組織票を投入、教団関連媒体の『世界思想』や『世界日報」、そして2世信者組織・勝共ユナイトなどを駆使しその政策を後押ししてきた。その一方、教団内部では安倍晋三内閣総理大臣を屈服と教育の対象として見下していたことになる。こうして罪悪感や贖罪意識を刷り込まれ、国家復帰の責務を負った日本の幹部が末端信者を駆り立てきた。その末端信者が一連の正体隠し勧誘や霊感商法などを行い、韓国の教祖一族へ毎年数百億円を貢いできたという構図だ。

    ここで、統一教会系の政治団体や純潔思想推進団体による工作について触れておきたい。統一教会はこの手のフロント組織を通して、全国各地で教団の価値観と相反する条例の制定を阻止したり、逆に価値観に沿った条例制定への工作を行ってきた。
    パートナーシップ条例を制定し、同性パートナーに対して異性間の婚姻に準じた対応を認める自治体が増加する2015年、東京都渋谷区はLGBT条例とも呼ばれる「男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例(パートナーシップ条例)』を制定した。この動きに統一教会は関連団体であるPLA (Pure Love Alliance) を使い「家庭を守る渋谷の会」名義でオンライン署名反対運動を展開した他、信者を動員して同条例制定に反対するビラ配りやポスティング、デモ行進などを行った。公式サイトによると、PLAが行っているのは「性風俗への反対運動や純潔と家庭再建の価値啓蒙運動」だという。
    LGBT条例等の導入を検討する自治体は複数ある。そのような自治体における反対運動が、この手の組織による純潔推進運動とリンクして行われている。合同結婚式を経て家庭出発(同居生活)を始めるまで男女が互いに純潔を守るという統一教会の純潔思想は、多様な性の形を是とするLGBTとは相容れないためだ。
    そしてLGBT条例反対運動と並行して散見されるのが、家庭の役割を重視する「家庭教育支援法」「青少年健全育成基本法」制定への働きかけだ。17年後半から18年前半にかけ、全国の複数の地方議会に同じ文面の陳情が出された。さらに、その陳情とほぼ同じ文面の意見書が各地の県議会や市議会で可決、衆参両院議長や総理大臣、関係省庁の大臣宛てに提出された。一連の動きの背後には「家庭教育支援法」「青少年健全育成基本法」制定をめぐる、教団と国際勝共連合の不穏な動きが垣間見える。


    4 安倍晋三リモート出演、そして暗殺
    2021年9月、統一教会のフロント団体UPFが主催する国際集会に、VIPとして安倍晋三前内閣総理大臣とドナルド・トランプ前アメリカ大統領がリモート出演(ビデオメッセージ)し、教団最高権力者への賛辞を述べた。
    まず、登壇したのはトランプ前アメリカ大統領。トランプは「ワシントン・タイムズの創設者であられる文鮮明総裁に感謝の意を表します」と述べた後、UPFと韓鶴子に感謝の言葉を贈った。

    次に登場した安倍晋三は、同じく韓鶴子総裁を礼賛した。
    「UPFの主催の下、より良い世界実現のための対話と諸問題の平和的解決のためにおよそ150か国の国家首脳、国会議員、宗教指導者が集う希望前進大会で、世界平和を共に牽引してきた盟友のトランプ大統領とともに演説の機会をいただいたことを光栄に思います。ここにこのたび出帆した『THINK TANK 2022』の果たす役割は大きなものがあると期待しております。今日に至るまでUPFとともに世界各地の紛争の解決、とりわけ朝鮮半島の平和的統一に向けて努力されてきた韓鶴子総裁をはじめ皆様に敬意を表します」
    さらに安倍は「UPFの平和ビジョンにおいて家庭の価値を強調する点」を高く評価。教団サイドに阿る発言を連発する。
    「家庭は社会の自然かつ基礎的集団単位としての普遍的価値を持っているのです。偏った価値観を社会革命運動として展開する動きに警戒しましょう」

    このメッセージについては、安倍側から「やりましょう!」と前向きな返答があったことが明らかになっている。ビデオメッセージ登壇を依頼した梶栗は、「安倍との信頼関係は一朝一夕の話ではない」「3代(岸信介、安倍晋太郎、安倍晋三)にわたる深い付き合いがある」「8年弱の政権下にあって6度の国政選挙において、私たちが示した誠意というものもちゃんと本人(安倍晋三)が記憶していた」と饒舌に語った。

    そして2022年の参院選、投開票日2日前の7月8日、奈良県内で安倍晋三が背後から銃撃を受け死亡した。
    犯人の山上徹也は、ツイッターで筆者が書いた統一教会の記事やツイートをリツイートしている。山上は例のビデオメッセージだけではなく、ある程度の連続性を持って統一教会と安倍の関係性を見ていた形跡がある。
    山上の起こした事件は決して正当化されるものではない。しかし、自分の家庭を壊した教団に何らかの規制をかけ取り締まるどころか、逆に韓鶴子へ最大限の賛辞を寄せたその態度に山上容疑者が強烈な憤りを覚えたことは想像に難くない。

    この10年、単に「祝電を贈った」「教団系メディアにインタビュー記事が掲載された」などといった軽い接触ではなく、積極的に問題教団との関係を自身の駒として使ってきたのが安倍晋三という人物である。そして、安倍と教団との関係性を取り上げるメディアは今まで皆無だった。メディア側の自主規制も働いていた。そうした監視の不全が、この16年間、政治家と統一教会の共存共栄関係を続けさせてきたのである。

  • 鈴木エイト『自民党の統一教会汚染』──相当な胆力で書かれた圧倒的な事実 - 堀 由紀子|論座 - 朝日新聞社の言論サイト
    https://webronza.asahi.com/culture/articles/2022122200002.html?page=1

    著者の窓 第20回 ◈ 鈴木エイト『自民党の統一教会汚染 追跡3000日』 | 小説丸
    https://shosetsu-maru.com/interviews/their-window/20

    自民党の統一教会汚染 追跡3000日 | 書籍 | 小学館
    https://www.shogakukan.co.jp/books/09380123

  • これが全て事実なら非常に深刻な問題です。議員1人1人の考えを丁寧に説明させるべきだと思います。

  • 読後の感想は「不愉快」の一語に尽きます。もちろん著者が悪いのではなく、問題のある宗教団体と寄生関係にある自民党の議員達に対してです。
    政治家に近づいてくる団体は何らかの目的があるわけですが、特に得体の知れない輩に対しては、脇を閉めて対応する必要があります。「ズブズブ」という関係がずっと続いていて、地方においては、教会の意図する条例が制定されていたりすると、わが国の政治に対して、反日の態度を取る団体に対してこれで良いのかという憤りを感じます。
    今まで報道では安倍氏の関与が大きいとされていましたが、菅義偉氏の関与も大きそうです。彼のキャラクターから言って本当のことは絶対に話さないでしょうが、きちんとした法執行機関が調査する必要があるように感じました。
    最後に、山上容疑者が犯した犯行については、決して肯定できるものではありませんが、結果として明るみになってきた事実を鑑みると、非常に複雑な気持ちになります。
    安倍氏は統一教会を利用したのだと思いますが、結果として統一教会が理由で命を落とすハメになったわけであり、そのあたりもやるせなさを感じます。
    著者の鈴木エイト氏の長年に亘る調査に、大きな敬意を表したいと思います。

  • この問題で最大の関心事は、日本を辱しめる反日的な教義を持つ団体と自民党がなぜ手を組めたのかということ。反共という部分で共闘できたのだろうが、保守を自認する自民党が反日的団体と仲良くするのは気持ちが悪すぎる。
    選挙協力と引き換えに問題行為を見逃すような人間には政治家になってほしくない。

  • 現在絶え間なく旧統一教会にまつわる報道が取り沙汰されている。献金問題、宗教2世の苦悩、そして政治家との癒着である。ここで鈴木エイトが長い年月をかけた渾身の取材で旧統一教会と自民党議員との接点を炙り出していく。それは選挙における票集めの手段としてあまりに軽率な自民党議員の行動を筆者が許さないからであり、弱者を救うべき政治がこれほどまで腐敗していいのかと読者に問いかけてくる。言葉で逃げる、ごまかす、世間を甘くみる為政者は即刻退場を願う。教団信者や元信者の救済、これが優先事項であり、同時にこの反社会的団体との解体を信教の自由の侵害だと論点をずらす小細工に時間を浪費してはならない。私たちはこの問題に正面から向き合うこと、次の選挙では彼らの組織票に寄与しないこと、野党がだらしないという無関心は教団及び与党の術中にはまり込んでしまっていることに気付かねばならない。サタンはどっちだ。

  • 著者が統一教会や政治家たちを粘り強く取材し続けた長年の奮闘ぶりが伝わってきます。安倍元総理暗殺で一躍注目をあびた統一教会ですが、今その背景についてここまで包括的に知ることができたのはその苦労のおかげです。

    取材内容を誇張することなく、できるだけフラットに語ろうとする文章にも、非常に信頼感と好感が持てます。でもその反面、正確に記載された日付や人名や組織名の羅列で感情抜きの事実が淡々と書かれています。正直ストーリーとしての面白さには欠けるところ残念ですが、そこは仕方ないですね。

  • 鈴木エイトさんの取材力は素晴らしい。個人でここまで取材し、これが元になり多くのジャーナリストが教団の悪事を暴き、教団が法の裁きを受けて欲しい。

  • つくづく思うのは我が国の政治をめちゃくちゃにした安倍晋三の罪深さ。彼がもうほんの少しでもまともな人間であったなら統一教会汚染もここまでひどくはなかったのではないか。それにしてもクズ総理の周りに集まった政治家たちのクズぶりもすごい。
    気になるのは我が町の職業政治屋である市会議員の汚染度だ。みんな黙ってるけどな。エイトさんもそこまでは教えてくれない。

  • いつ、誰が、どこで、何をしたか、この本は基本的にそれだけが大量に書いてある。
    だから特に面白いわけでないかもしれない。
    しかし、すごい!凄すぎる!!
    まだまだ追求の途中。そのたたき台のような本である。
    まずは岸田文雄、そして菅義偉と統一教会の関係が明るみに出るまで世間は感心を持っていて欲しい。
    鈴木エイトさんがいつも言っていることがエピローグに書いてある。
    「…信者を私利私欲のために使い捨てにする政治家は更に問題視されるべきだ。
    …政治家の問題を追求するモチベーションは此処にある。」
    この視点にとても賛同するし、この視点を忘れずに今後もこの問題、いや、政治自体を見ていきたいと思います。

全47件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

鈴木エイト(すずきえいと):1968年生。ジャーナリスト。ニュースサイト『やや日刊カルト新聞』主筆。単著に『自民党の統一教会汚染 追跡3000日』『自民党の統一教会汚染2 山上徹也からの伝言』(ともに小学館)、共著に『徹底検証 日本の右傾化』(筑摩選書)、『統一教会 何が問題なのか文藝春秋編』(文春新書)、『自民党という絶望』(宝島社新書)、『日本を壊した安倍政権』(扶桑社)、『カルト・オカルト 忍びよるトンデモの正体』(あけび書房)など。

「2023年 『だから知ってほしい「宗教2世」問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

鈴木エイトの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
川上未映子
西 加奈子
アンデシュ・ハン...
小川 哲
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×