神様のカルテ (2)

著者 :
  • 小学館
4.30
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093862868

感想・レビュー・書評

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  • ふつう

  • 涙した一冊

    妻が夫を想う気持ち。
    友が友を想う気持ち
    親が子を想う気持ち。

    それぞれが相手を想いながら行動に移す。
    何が自分、相手にとって正しい選択枝なのか分からない。
    ただ、
    『良心に恥じぬということだけが、我々の確かな報酬である』
    セオドラ・ソレンソン

    何度も読みたい一冊です。
    忘れかけてたやさしさや人との繋がりを思い出させてくれる名作です。

  • 一作目よりもこちらのほうが好きでした。
    信州の美しい景色の描写がすばらしく、同じ景色を見てみたくなります。

  • 2のほうがよかった!ブクログのレビューでも、2のほうが点数いいですね。

    前作から舞台と登場人物を引き継いでいるので、話に入っていきやすいのか、その分、登場人物の過去や家族など、1よりも深く登場人物にかかわっていけたように感じた。

    1は地域医療が抱えている問題や、患者の最期に焦点が行く感じだけれど、「1人の人間としての医師」ということがテーマだったのかな。医師という特殊な肩書の前に、1人の夫であり。父親であり。恋もすれば、友との絆を確かめあうこともある。『患者のためなら命を削って働くのが医者のつとめ』つい当然のように押し付けてしまう患者側の視点には、医者も1人の人間だということがあることを完全に忘れている。医者も1つの職業にすぎない。

    一方で私生活を犠牲にしてでも、自分の信じる道を生きようする医師もいる。
    『良心に恥じぬということだけが、我々の確かな報酬である』
    いい言葉ですね。セオドア・ソレンソンという人の言葉らしいです。
    しがない事務職員として社会人生活を送る私だけれど、ちょっと自分が考える仕事への信念とも似ていたので、心に響きました。営業のように数字に残る仕事ではないけれど、自分は事務として完璧な仕事を目指している。その自分の自分への仕事の自負だけが、単調で評価されることもない仕事を続ける支えだと思っているから。仕事するうえで信念って大事だと思う。

    また、夫婦のあり方も考えさせられました。主人公夫婦はもちろん、何組かの夫婦の形が描かれているけれど、どれも寄り添い生きていくことの素晴らしさを感じた。

  • 医者の話ではなく、人間の話。色々な描写で、登場人物が生きている。経験が人を作り、過去の人との交わりを難しくしたり、一緒に成長したりしている。前作は癒された印象だったが、本作は人間味が出て、死ぬまでに大切にしたいことを考える機会をくれた。読んで良かった。

  • 温かくて、人間味に溢れていました。
    マゴさんとトヨさんの絆には、涙が止まりませんでした。
    夫婦とは、医療とは、ひととは。。。深く考えさせてくれる本でした。
    なにより、登場人物がみんな温かくて。どんな状況でも、自分に誠実であろうとする登場人物に感動しました。
    信念を持っている人、人を信じられる人は強いなぁ。

  • 医師も看護師もみんな人間なんだ、という当たり前のことが蔑ろにされているのではないかなんて、進藤の抱えている問題を読んだときに思った。なんというか、医療従事者の人権というものをきちんと考えていくべきなんだろうなあと思った。
    前作と変わりなく「24時間 365日」患者を受け入れている本庄病院、そこで働くひとたちは満足に休息を得ることができていない。いつ倒れてもおかしくない状況で、働き続けるひとたち。現実の医療従事者のひとたちもこんなのかと思うとほんとに、頭が下がる思いだ。
    大狸先生と古狐先生の関係がたまらなく泣けた。ともに医療というものの質を上げていこうと努力し、そしてともに闘い続ける。最後の大狸先生の慟哭には涙が止まらなかった。行き場がないやりきれない思いが読んでいるこっちまで伝わってきた。
    「人が死ぬということはそれで何かが片付くということではない。新たな何かが始まるということですらない。大切な絆がひとつ、失われるということである。」ああ、当たり前のことなんだけど、わかりきっているはずなんだけど、なんでこんなに沁みるのだろうか。

    (317P)

  • 前作もよかったが、続編はそれを更に上回る。文句なし5つ星。
    単に、実際にはいなさそうな理想的な人々が登場しココロあたたまる物語を展開するというだけの小説では決してない。暖かいストーリーでくるみながら、医療現場の実態を通して、地域医療とはという重い課題を提示したり、ワークライフバランスと家族のありかたなどというテーマを投げかけたりする。特に本作では、生と死、止めようのない時の流れが、御嶽山、北アルプスや天の川といった永遠を象徴するものとの対比で描かれる。
    久々の一気読み。こういう本は電車では読めないね。第3作にも期待してます。

  • 老い、病、死とどのように向き合うのかをとっても素敵な物語で綴っている。『医師の話ではない。人間の話をしているのだ!』には胸が震えました。そんな中、『世の中には常識というものがある。その常識を突き崩して理想にばかり走ろうとする青臭い人間が、私は嫌いだ』、『しかし、理想すら持たない若者はもっと嫌いだよ』という言葉が、すごくよい話で涙するんだけどちょっと出来すぎでライトな感じの雰囲気の中、ビシッっと一本筋が通って引き締まった様で好かった。

  • 2011/12/8 読了(2011-026)

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著者プロフィール

1978年大阪府生まれ。信州大学医学部卒業。長野県にて地域医療に従事。2009年『神様のカルテ』で第10回小学館文庫小説賞を受賞しデビュー。同作は10年に本屋大賞第2位となり、11年には映画化もされた。著書に『神様のカルテ2』『神様のカルテ3』『神様のカルテ0』『新章 神様のカルテ』『本を守ろうとする猫の話』『始まりの木』『臨床の砦』『レッドゾーン』など。

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