- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093866538
作品紹介・あらすじ
69歳大型新人の滋味溢れる家族「食」小説 「義母さん、うちの子に食べ物を与えないでください」「孫にごはんを食べさせて何が悪いんだい」3人の子どもを育てながら、外交官の妻として世界各地を渡り歩いてきた高畠凛子。夫に先立たれ、独身の長男と暮らしていたものの、その長男も突然の事故死――。しかし気丈で好奇心旺盛な凛子は得意の料理を楽しみながら忙しい日々を独り楽しんでいた。一方、凛子の次男・健の妻であるユキは、フードスタイリストとしてのキャリアアップを目指してめまぐるしく働いている。不登校気味の息子は気になりつつも、家事は分担・効率化すべき、家の食事は簡素でよしという信念で、あくまでも仕事優先の毎日。ある日、健が凛子とユキそれぞれに提案する。「みんなで一緒に住まない?」。気ままな生活が脅かされるのを危惧する凛子。義母との相性は最悪だと自認しているユキ。苦し紛れにまとめ上げた折衷案は「一緒に住むけれど、食卓は別々」。一つ屋根の下に暮らし始めた4人に早速、「やっかいな」事件が勃発。二つの食卓は衝突しながら、徐々にその境界線を危うくしていくのだった……。多彩で魅力的な食のシーンも充実した、珠玉の一皿のような傑作家族小説。 【編集担当からのおすすめ情報】 元外交官の妻として世界各国で暮らし、様々な文化や料理を学んできた著者の経験と知識が詰め込まれた傑作「食」小説。69歳と年齢を重ねてきたからこその深い洞察も、独自のスパイスとなって物語を引き立てている。
感想・レビュー・書評
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御木本あかりさんのデビュー作。70歳近くにして小説家デビューはすごい。
物語は72歳の凛子とその息子の嫁ユキからの視点で交互に語られ、進んでいく。凛子さんは今は亡き外交官の夫と共に世界各地に駐在経験を持つ。著者の夫も外交官だったとのこと、モデルはご自身なのだろう。東京世田谷の成城に持ち家があり、そこへ息子一家3人が越してくるところから物語は始まる。外交官の妻として磨いた料理の腕は衰え知らずでとにかく出てくる料理がどれも美味しそうだった。ホームドラマを見ているようで、楽しく読み進めた。色々な家族の問題があったり、時に口論しながらも、結局は家族として何気なく足下は幸せにやっている様子が描かれていた。そこで一役買うのはやはり美味しい料理。どんなに大変で辛い時でも、美味しい料理は人を癒してエネルギーを与えてくれるのだなと思った。幸せは理屈では決められない、というフレーズが印象的だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「家族」というのは面倒で、うんざりするくらいややこしい。
終盤のこの一文に、すべてが集約されている。
嫁・姑を中心に、大小さまざまな「家族」の問題が出てくるが、著者が「69歳の大型新人」(帯より)のため、どちらかといえば、ちょっと姑よりの目線。
文章もうまいし、お料理の描写も丁寧で美味しそう。
ほんとに「新人」かしらと思ったら、すでにエッセイストとして本を出していらっしゃったようです。
「家族」というのは面倒で、うんざりするくらいややこしい。
でも、「家族」って、そんなにわるいものでもないのかな。
そんな気分で読み終えました。-
姑よりの目線!私もそう思いました。凛子さんがかっこいいのがずるいというか。もうちょっとユキ目線も充実すると嫁世代読者に響きそうですよね〜。な...姑よりの目線!私もそう思いました。凛子さんがかっこいいのがずるいというか。もうちょっとユキ目線も充実すると嫁世代読者に響きそうですよね〜。なんて思いました。2022/12/02
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zukkynyaさん
コメントありがとうございます。
姑目線が、やや強めに出ていたおかげで、ちょっと身近で余計な人がちらついてしまうという...zukkynyaさん
コメントありがとうございます。
姑目線が、やや強めに出ていたおかげで、ちょっと身近で余計な人がちらついてしまうというか…(汗)
たしかに、ユキ目線がもうちょっとフェアに書かれると(笑)、嫁世代にも刺さりそうですね!2022/12/02
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家族の絆や、食の大切さをテーマとした家族小説。
嫁姑のバトルや、新たな問題が次々と起こります。家族の煩わしさや温かさ、愛しさなどの感情が絡み合っていく様子は、胸に迫るものがあります。魅力的な食のシーンも充実し料理のヒントにも!
読み終わった後でも何度も手に取りたくなる一冊です! -
初めは嫁姑の争いという苦手な話しかと思っていたけれど、さりげなく助けになる姑、頑なだった嫁もその思いをくみ少しずつ家族になっていく。
素敵なお話しでした。
そして、美味しそうな料理もふんだんに出てきてお腹すいてしまいます。笑 -
やっかいな食卓、
題名と絵に惹かれて読みました。
読み終わって…
あ〜この作品に出会えて良かった。と
久しぶりに?心から思って、
心が温かくなりました。
私は料理が苦手だから
凛子さんみたいなお姑さん、欲しかったなぁ〜。
私も高畠家の食卓にお邪魔したいです。笑 -
コロッケのかすを見つけたユキさんが、あくる朝 凛子さんに噛みつく。所まで読んで年を越しました。
自分が病気やケガをしたら、凛子さんに頼るしかないのになぁ~。と思いながらお正月を迎え、初めて長女のダンナ君が参加して人数が増えて男の子ってどのくらい食べるの?
とワイワイ楽しく過ごしてからの
次女のコロナ。
を経て読了。
いろんな事があるのね。
本当に。
お粥さんやうどんを作りながら、本に出てくる美味しそうな食べ物を作ろう!
食べさせてあげよう!
元気になったら、好きなものを全部作ってあげるからね!
と自分を奮い立たせていました。
この本に出てくる料理に、日々の活力をもらいました。
コロナが無かった時代の、経済的に余裕のある家族のお話しです。
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図書館の新刊紹介で気になり手に取った本。食をテーマに家族の確執と和解が描かれる。現代的で効率を優先する嫁・ユキと、世話焼きで料理好きな姑・凛子の2人を軸とし、ちょっとした事件が次々と起きる。登場人物で心に残るのは女ばかりで、男は総じて頼りない印象笑。料理はどれも魅力的!
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よくある嫁姑問題だけど、これは嫁ないわー。初めから全く歩み寄る態度なし。
フードスタイリストなのに、家では手抜き放題。
姑が息子におやつ食べさせただけで、喧嘩腰になるし…あり得ない。
姑の凛子さんが我慢したから最後は嫁のユキさんとも理解しあえたから良かったけど。
ユキさんより、凛子さんの作る料理が美味しそうだった。やっぱり料理は愛情なんだな…