百年の藍

著者 :
  • 小学館
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (450ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093866873

感想・レビュー・書評

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  • ただのジーンズ作りの話じゃなかった。
    日本という国が、何をどう乗り越えてきたのか、
    それを描くんだという意気込みを感じた。

    そして、やっぱり戦争はダメだと強く感じる。
    戦争は何一つ幸せを与えん。

  • 私たちが何気なく履いてるジーンズ
    身近にあるジーンズ。
    でもその藍色のジーンズには、強い想いがあったと知る。

    関東大震災、戦争、決して遠い過去ではない
    日本人にとってジーンズは昔からあったわけではない
    アメリカと戦争中だったあの頃の日本人が
    こうやって普通にジーンズを履いてる日がくるなんて思ってもなかったと思う。
    それは決して私たちが忘れてはいけない過去。

    平和ボケしてはいけないと、改めて思わせる本だった。日本で家族のために戦ってくれた人たちがいて、その後ボロボロになった日本を復興してくれた人たちがいて、そうやって日本は今を生きている。

    最後に最初の章に出てくる描写が出てきて泣けた
    政次と京蔵が手を振ってくれてるようだった

  • ジーンズの製作がいつ始まるのかと期待を高めつつなかなか始まらない展開はまるで某芸人の「あるある早く言いたい」バリにやきもきさせられるも、ラストで壮大に全ての伏線を回収する筆者の構成力にただただ脱帽です。
    2024.01.13読了

  • 止まらずに一気読み。
    関東大震災での恭蔵とりょうの出会い。俥夫から貰ったジーンズ。恭蔵の想いが100年の時を経て国産ジーンズ、そして静の「恭蔵のジーンズの再現」に繋がるストーリーは壮大。
    そんな中で光太郎を変えてしまった戦争、何が自由な生き方なのか…期待と違う流れに感じる寂しさもあった。

  • 今住んでいる家のそばに、とても素晴らしい本屋さんがある。個人経営の、レトロな名前のお店だが、令和の時代でも生き残るために、色々な努力をしておられる。最近そこで本を眺めることが多いのだが、ある日、この本が入口を入ってすぐの平台に、山と積まれていた。この店の店長さんがこれだけ推すなら読むしかない、と思い、買って読み始めた。
    ひとつのものが世の中に誕生するまでには、こんなにも多くの人の涙ぐましい努力と、縁があるのだという、しみじみとした感動がある作品。大正の時代から令和に至るまで、歴史の激動に振り回され、運命を変えられながらも、ある場所で出逢った縁、紡いだ言葉、続けた努力が、世代を超えて交錯し、受け継がれ、形となる。
    国語の教員という仕事柄、特に最近は、小説内のひとつひとつの事柄に、意味を求め、解決を期待してしまいがちになっている。しかし、もっと大きなものとして人間の生活を捉えたこの作品は、非常に読後感の心地良いものだった。
    読み終わったあと、購入した店の店長と話したとき、作者の地元が、今住んでいる場所の近く、ということを教えてもらった。色々な本屋に行くが、大きく取り扱っていなかった店のほうが多い気がする。これはぜひ、色々な人に勧めたい。

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著者プロフィール

1958年大阪府生まれ。同志社大学法学部卒業。2012年に「いつの日か来た道」で第19回松本清張賞最終候補となり、改題した『勇者たちへの伝言』で2013年にデビュー。同作は2016年に「第4回大阪ほんま本大賞」を受賞した。他の著書に『空の走者たち』(2014年)、『風よ僕らに海の歌を』(2017年)がある。

「2022年 『甘夏とオリオン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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