会社再建: 史上最大の巨大倒産管財人の記録

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  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093873239

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  • 1998年当時の法令に基づく日本リース並びに日本リースオートの再生事案であり、2008年のリーマンショックを挟んで随分環境は変わったものの、ABS証券など現在に繋がる素地となったエポックメイキング的な出来事であった。

    服部暢達著『ゴールドマン・サックスM&A戦記』を読んで奥野善彦氏を知り本書を読む。負債総額2兆3千億円、国内2位のリース会社の超大型会社更生の管財人となった奥野氏の事案捌きの迫力は文章を通して伝わってくる。代位者による債権譲渡通知送達での攻防は、概念的であり日々価値毀損する金融商品の特性をよく表しており読み応えがある。

    特に印象的なのは奥野氏の命題が「債権者利益極大化と雇用確保」にあり、日本リースならびに日本リースオート社員が沈みゆく船にも関わらず徹夜を厭わずステークホルダーと調整に邁進する姿だ。バブル崩壊当時の無責任な経営陣(日本リースオートの取締役はやや可哀想ではあるが)と、責任感と使命感を持って最後までやり切ろうとする現場社員とそれをサポートする管財人の姿に胸を打たれる。

  • 会社更生法はこう進む、というドキュメンタリー。

  • 仕事柄「証券化って何?」と聞かれることが多い。巷にはリーガルに強い本、会計が強い本、税務が強い本とかいろいろでているので知識はそれらを拾っていけばいいんだと思う。まだ、証券化の黎明期に起きた最大のイベント「日本リース倒産」について弁護士が記録を残した本書は「証券化ってなに?」という問いに実態的に答えている。本当は格付AAAがうんぬんという世界じゃなくてどろくさいところでその真価がためされる世界であることを表現している面白い本だ。企業再生の実ディール記録としても良い本であると思う。

  • 熱くて濃いです。時間と戦いながらギリギリの交渉を進める再建劇に、「会社更生法」とか「債権譲渡通知」などの単語がリアルで重みをもったものとして迫ってきます。<br>
    そして会社更生法適用申請の準備を、選択肢の一つとして密かに進めていた社員たちの姿が実に生々しい、、、<br>
    でもセザンヌや古典文学の例えはいらないなあ。。

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