ぼく、ドラえもんでした。涙と笑いの26年うちあけ話

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093876544

作品紹介・あらすじ

運命的な出会いから、感無量の別れまで、ドラえもん一本に役者生命を賭けた26年間の、大山さんにしか書けない涙と笑いにあふれたエピソードが満載。“ドラ声”と呼ばれ、声質に悩んだ子どものころの思い出や、母から受け継いだことなど、若い世代に、いまこそ伝えていきたい感動のメッセージです。日本のテレビ史とほぼ重なる長さの芸能生活。その半分以上をドラえもんと歩んできた大山さんが、自ら健筆をふるい、活き活きと書き下ろした貴重な1冊。貴重な資料写真を集大成した「大山のぶ代グラフィティ」も必見。「ドラえもん声優」卒業記念でありかつ「デビュー50周年」記念出版でもあります。

感想・レビュー・書評

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  • 「ドラえもんみたいな素敵な子に“出演中の俳優の死”なんてひどい汚点を残しちゃいけない。」

    癌の手術が成功した直後、大山のぶ代さんが考えるのは今のうちにドラえもんの役を降りること。
    正直ショックだった。
    出演中の俳優の死が、ひどい汚点だなんて。
    私は考えもしなかったから。

    でも、この本を読んでいると、大山さんのドラえもんへの愛がこの上なく深いことを知る。
    時々大山さんに語りかける「あの子」も、大山さんのことを愛していることを知る。
    相思相愛の2人が選んだ道だったのかなぁ…。

    私にとってドラえもんの声はいつまで経っても大山さんの声です。
    固執するのは馬鹿みたいだけど、どうしたってそれは変わらない。
    いや、変えたくないんです。

    ドラえもんと、ドラえもんを愛する子供も大人も、みんなへの愛が詰まった1冊。
    涙もろくて優しい、お母さんみたいなドラえもんに会えます。

  • 大山のぶ代さんは心もドラえもんだった。

    小さい時からドラえもんが大好きで気に入った映画を何度もみたり毎週みていたのを思い出した。

    子供が悪い言葉を使わないようにセリフを考えたり、声を当てながら感動してみんなで泣いたり、そんな温かい空間で作られたドラえもんという作品が今日まで愛されてているのがよくわかりました。

    子供一人ひとりにまっすぐ向き合う大山のぶ代さんのエピソードも心が温まりました。

    大山さんだけじゃなくドラえもん声優メンバーとの会話も本当にのび太くんたちが会話してるみたいでこちらもニコニコしてくるようでした。

  • 国民的アイドルどころか世界的な人気者だったドラえもんは、誰よりもその中の人に愛されてたんだなあ(しみじみ)

  • 「ぼく、ドラえもんでした」
    この一言にすべてが詰まっている。
    胸が詰まって泣きそうになる。
    子供の頃、テレビの前に座るとわくわくした。引越しの日には真っ先にテレビの配線をつなげてもらってダンボールに囲まれながらドラえもんを観た。
    あの気持ちは子供だけに与えられた特権だった。
    子供だって知っている。なにも夢のような四次元ポケットや未来の道具を本気で信じていたわけじゃない。(そりゃあ、あったらいいと思ったけれど)
    そうじゃなくて、子供の私が本当にうらやましいと思っていたのは、嬉しいときも悲しいときも学校で0点とった日も当たり前のようにドラえもんが部屋にいてどうしたのって笑ってる。おはようって云っておやすみって云って喧嘩して仲直りして、そんな毎日と、小さな町の空き地と裏山、そういうものだった気がする。
    そういうものを、藤子先生の作品からたくさんもらった。
    だからそれは、やっぱり子供だけに与えられた特権だったと思うのです。

    そういうものを大切に汲み取っていた大山のぶ代さんの、ドラえもんに対するひとつひとつのエピソードの根底にはドラえもんや藤子先生やスタッフやドラえもんに係わったひとたちへのいつくしみが溢れている。
    ページをめくるたびに目頭が熱くなる、胸が詰まって、言葉にできない気持ちが充満する、大山さんのやさしさに触れる、これはドラえもんのあたたかさだ、子供のころからずっと触れてきたものだ、泣けて泣けてしょうがなかった。
    作者を除いて世界で一番ドラえもんという存在を愛していたのはこの方でしょう。
    この方のドラえもんを見ながら育つことができてほんとうによかった。
    わたしの一番は今でもずっと、ドラえもんです。

  • 大山のぶ代さんといえばドラえもん、
    ドラえもんといえば大山のぶ代さん。
    優しくて、あたたかくて、笑顔になれて、こんなに夢がある「あの子」は、大人になった今も、こども心がくすぶられる存在です。
    最初から最後まで、気づけばドラえもんの声で読んでいました。

  • 長年ドラえもんの声を務めてきた著者。そのドラえもんと共にあった歴史を、本人の視点からいろいろと書いている。
    読んでいて、大山さんはドラえもんであり、ドラえもんは大山さんなのだと思わされる。
    丁寧な語り口に、本人の姿が浮かんでくる。
    とても読みやすく、あっという間に読むことができるにも関わらず、読んだ後にはなんだか温かな気持ちになれる本である。

  • 資料ID :98060451
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    (※配置場所は、レビュー投稿時のものです。)

    ☆特集展示「有名人が書いた本 特集」☆
    各界で活躍する人たちが書いた本を集めました。
    テレビで見るのとは、また違った一面が見えるかもしれません。

  • 大山さんのドラえもんで育った世代です。
    コンプレックスだった声が、大山さんの武器になるなんて!
    私もそうありたいです。

  • 子供の頃、慣れ親しんだ作画と声のドラえもんがいまだに大好きで、大山さんの声が恋しいと思っていたらこの本を見つけました。

    嬉々として読み始めたところ、大山さんのドラえもんへの計り知れない大きさの愛と、先生や旦那さん、レギュラーメンバー、制作スタッフの皆さんとの関係性の良さに圧倒されてしまいました。
    子供の頃、毎年当たり前のように映画を楽しみにしていましたが、毎週のテレビアニメに加えて年一回の映画のためにどれだけの人の苦労や努力があったのか知ることが出来て、あの素晴らしい作品たちを見返したくなりました。

    また、沢山の裏話を知ることができて、何度も泣きそうになりました。
    大勢の親子が楽しそうにドラえもんの歌を歌ってくれて涙ぐむ大山さん、不安な時に手術を後押ししてくれたドラえもんの声、子供たちを特別扱いせず平等に扱いお礼や礼儀も教えていた大山さん、ある年の映画の打ち上げで制作スタッフの方が声を詰まらせてしまったことで垣間見えた苦労や努力、先生が亡くなって泣いていたしずかちゃんの声…。

    図書館で借りて読みましたが、想像以上に素敵な本だったので購入を検討しています。
    大山さんは書くのに一年以上「かけてしまった」と話されていましたが、26年間もの思い出を書くには短い時間のようにも思えます。むしろ、じっくりと書いてくださってありがとうございます、という気持ちです。

    最後の「このぼく、ドラえもんを愛して、ずーっと見続けてくれた日本じゅうのお友達、ありがとう、どうもおりがとう。」という部分、本当に大山さん演じるドラえもんの声が聞こえてくるようでした。

    ドラえもんと大山のぶ代さん、どうもありがとう。

  • 知っているようで知らないドラえもんの中の人の本。色々と考えていらして、読んで面白かったです

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